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戦う司書と恋する爆弾 戦う司書と恋する爆弾
戦う司書と恋する爆弾
山形石雄 イラスト/前嶋重機
定価600円(税込)
「爆弾」の想いが、奇跡を起こす…
第4回SD小説新人賞大賞受賞作!
死者の全てが『本』になり、図書館に収められる世界の話。記憶を奪われ、胸に爆弾を埋め込まれた少年コリオ=トニス。彼の生きる目的は、世界最強の武装司書、ハミュッツ=メセタを殺すこと。だが、ある日手に入れた美しい姫の『本』に、彼は一目で恋をする。その恋が、コリオを更に壮大な争いに巻き込んでいく…空前絶後のファンタジー!
モノクロ  ハミュッツは止まらない。
 加速。射出。再装填。その作業を、休むことなく、十六回繰り返した。
 遠くでハミュッツの弾に打ちぬかれる爆弾たちの感触が、触覚糸から伝わってきた。
 すべての玉は滞りなく命中していた。そして全員完全に殺した。
 ハミュッツにとって、五キロ以内の距離にいる無防備な相手を狙うことは、テーブルの上のりんごを取るに等しい。
 「……まあこんなもんねぇ」
 ハミュッツはあっさりと言った。そして、触覚糸を再度放出した。
 戦いは始まったばかりだ。

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戦う司書と雷の愚者
山形石雄 イラスト/前嶋重機
定価580円(税込)
『怪物』、誕生。
武装司書たちの本拠・バントーラ図書館が神溺教団を名乗る何者かの襲撃を受け、さらに先の戦闘で死んだルイモンの『本』が盗まれた。その奪還の任務を背負った見習い武装司書・ノロティ。彼女が必死の捜索を続ける中、突如ハミュッツが現れ…SD新人賞大賞受賞シリーズ、第2弾!
モノクロ  四発の弾が、仮面を貫いて頭部に命中する。
しかし何事も起きていないかのように、『怪物』は水弾を放つ。
マットアラストは黒帽子を吹き飛ばしながら、横に飛んでそれを裂ける。
 マットアラストはすでに五十発近い銃弾を打ち込んでいる。にも
かかわらず『怪物』は、よろける様子すら見せない。いかなる攻撃も避
けるマットアラストと、いかなる攻撃も通じない『怪物』。どちらが優
勢かなど、議論にも値しない。
ミンスとミレポックも、壁際から銃で援護を続けている。だが彼ら
の攻撃は、戦況に大きくは貢献し得ない。二人は近づくことも出来ず、
消極的な攻撃を続ける。
 『怪物』のマントの下から、血が滝のように流れていた。真っ赤な
足跡を床につけながら、『怪物』はなおも戦い続ける。いつまで、
こいつは立っているのか。やがて三人は、恐怖に駆られはじめた。

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戦う司書と黒蟻の迷宮
山形石雄 イラスト/前嶋重機
定価580円(税込)
反乱、勃発。
バントーラ図書館の地下・迷宮書庫。その一角に、かつてはハミュッツと並び、エリートとして将来を嘱望されていた蟻使いの武装司書・モッカニアが住み着いていた。ある日、モッカニアは突如、武装司書に反旗を翻す。その裏には、謎に満ちた一人の女性がいた――「戦う司書」シリーズ、渾身の第3作!!
モノクロ  思えば、今の状況を誰よりも望んでいたのは、ハミュッツなのかもしれない。
強い者と、自分を殺せる可能性のある者と戦うことを望む女。
 ハミュッツはずっと、モッカニアと戦う日を待っていたのかもしれない。
「結局は、望みどおりかハミュッツ」
 そうよ、と答えるような気がした。
「何もかも、お前の望みどおりにはならない」
 モッカニアが、魔法権利を行使する。それと同時に、七発目の礫弾が、壁を跳ね回る音が響く。
「ぐう!」
 モッカニアが自らの腕で礫弾を弾く。数えて十四発目。それだけを防いでなおモッカニアには余裕がある。
何度も壁に当たった礫弾は、さすがに殺傷力が落ちていた。
防ぎうる。少なくとも一撃で致命傷は食らわない。
十五発目が迫る。モッカニアは空中に大量の蟻を産み出し、それを迎え撃つ。

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戦う司書と神の石剣
山形石雄 イラスト/前嶋重機
定価600円(税込)
伝説、降臨。
武装司書のミレポックは、神溺教団との戦いの中で、「ラスコール」なる人物がカギを握っていると確信し、独自の調査に乗り出す。しかし、その人物を追うものには死が待っているという。さらに剣使いの少女、アルメが現れ、彼女もラスコールを追っていることがわかり…「戦う司書」シリーズ、第4作!
モノクロ  技量も、身体能力も五分と五分。だが敵の能力は未だわからない。どうする。
 じりじりと、赤錆の女が間合いを詰めてくる。ミレポックは隙を作らないようにゆっくりと後退する。
 と、そのとき赤錆の女が、前進を止めた。
「それじゃあだめだよ、お嬢ちゃん」
「………だめ?」
「それじゃあ、勝てない。攻めて来いよ」
 赤錆の女が、わざと無防備に近づいてくる。慎重を期すミレポックは動かない。これは好機ではない。今攻めれば術中にはまる。
「へえ、そういうことかよ」
赤錆の女が笑う。何がおかしい。
「お前、人を殺したことないだろ」
 ミレポックが、目を見開く。動揺を赤錆の女は見て取る。それと同時に、身を翻した。ミレポックはとっさに銃を抜き、撃つ。赤錆の女は軽々とかわす。
「………」
 逃げられた。ミレポックは、口惜しさをかみ締める。
ショックなのは、逃がしたことではない。
長く戦いの日々を送っていながら、ミレポックはまだ、その手で人を殺したことがない。
それを一目で見抜かれたことだった。

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戦う司書と追想の魔女
山形石雄 イラスト/前嶋重機
定価650円(税込)
代行、失脚!?
「武装司書に正義を取り戻す」−−裏切りの容疑をかけられながら堂々と宣言した武装司書・ヴォルケンはその裁判の当日、ひとりの女とともに姿を消す。館長代行ハミュッツは自ら追撃に出るが、その行く先に待ち構えていたのは、最強の彼女を脅かす敵だった…。新人賞大賞受賞シリーズ第5作!
モノクロ 日が暮れた後のバントーラ図書館には、利用客の姿はない。
受付に使われているホールの中には、仕事を終えた武装司書や、訓練を終えた見習いたちの姿があった。
 マットアラストが扉を開ける。後ろに立つヴォルケンを見つけると、武装司書たちに緊張が走る。思わず腰の得物に手をかけたものすらいた。
「みんな、落ち着け」
 マットアラストが、両手のひらを見せて言う。
「殺すのは、容疑が固まってからだぜ」
 その言葉は、緊張を解きほぐしはしない。戸惑いと緊張の視線が、ヴォルケンを襲い続ける。 
 その中で、ヴォルケンは冷静に周囲を見渡している。ずいぶん、落ち着いているなとマットアラストは思う。
「あれは誰ですか?」
 と、一人の人物を指し示した。ホールの隅で腕を組む、透明の髪の男だ。
「エンリケ君だ。知ってるかい?」
「話には聞いていましたが、会うのは初めてです」
 そう言いながら、ヴォルケンはエンリケに近づく。
「誰だ。敵か、味方か」
「味方です。武装司書の、正義を信じる者の」

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戦う司書と荒縄の姫君
山形石雄 イラスト/前嶋重機
定価650円(税込)
希望、消滅!?
武装司書見習いのノロティは、正式に司書への昇格が噂されるほど成長を遂げていた。ある日、ハミュッツから細菌テロの疑いがあるという神溺教団の調査を命じられる。その十日後、世界最大の国イスモ共和国がバントーラ図書館に対し、突如として宣戦布告する!シリーズ第6作!!
モノクロ  エンリケは目を閉じる。記憶が戻ったのは自分ひとりだけではない。怪物の島で、共に囚われていた仲間たちの記憶も戻っていた。
 エンリケと同じ戦災孤児もいる。人買いに売られた子供もいる。落ち度があって擬人から肉に落とされた者もいた。彼らの意思はもう無いが、記憶はエンリケの中に生きている。
「他の連中の故郷にも、行かなければいけない。世界中、廻ることになる」
「じゃ、世界一周旅行ですね」
 ノロティが呑気に言った。
「そうだな。悪くない。世界一周旅行か」
 ノロティは、どういうわけかわくわくした目で、エンリケを見ている。その意味に気がつかず、雑談を続けた。時間が過ぎ、仕事のためにノロティが席を立った。すると突然、マットアラストがエンリケを小突いた。
「何をする」
「誘えよ」
「誰を」
「ノロティを誘えよ。一緒に行かないかって。そういう流れだったろ?」
「流れってなんだ」
「………全く、君はどうにも」
 マットアラストが悩んでいる。どういうことかはわからない。

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戦う司書と虚言者の宴
山形石雄 イラスト/前嶋重機
定価600円(税込)
艶女、激突。
武装司書たちは、宿敵・神溺教団を滅ぼし、年に一度のパーティーを楽しんでいた。その会場に、館長代行ハミュッツが命を狙う「魔女」オリビアが現れる。オリビアは見習い司書ヤンクゥらに接近し、ハミュッツに不審を抱いた武装司書たちは結束を始める!大激震のシリーズ第7作!!
モノクロ 「ようこそ、迷いの道に」
 ヤンクゥは立ち止まり、道の横を見る。白木造りのベンチに、一人の女性が座っていた。亜麻色の短い髪と、さっぱりしたワンピースの、きれいな女性だ。
「………ああ、ごめんな、急に声をかけて。たいした用事は無いから気にするな」
 女性は、顔に似合わない乱暴な口調で言った。
「……迷いの道?」
「あたしが勝手に呼んでるだけさ。どういうわけか、何かに迷ったり悩んだりしている奴は、この道を歩き回るんだ。
 レナスってやつが、ここをぶらついていたことがある。その前には、モッカニアっていう奴がここを歩いていたよ。聞いたところによると、ミンスってのが同じように道を歩いた。そうそう、ヴォルケンってのもいたかな」
 女性が語った名前には、聞き覚えがある人が何人かいる。それは、たしか全員が。
「ジンクスが一つあってな。この道を迷いながら歩いた奴は、必ずバントーラ図書館から消える。不思議だよな」
 女性はそう言って笑った。今気がついたが、時折彼女は、足を叩いてほぐしている。彼女も散策の途中だったのだ。
「あなたもですか?」
「ああ。君もだな、尻尾頭の少年」

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戦う司書と終章の獣
山形石雄 イラスト/前嶋重機
定価620円(税込)

「ウルトラジャンプエッグ」マンガ連載中!
反乱を防ぎ、ふたたび平和を取り戻したバントーラ図書館に突如異変が。書架を守る役目を担う衞獣たちが、護衛領域を脱走し、武装司書たちを襲撃しはじめたのだ!総動員で衞獣に立ち向かう武装司書たち。そんな中、館長代行のハミュッツが全職員にある通達をする。その内容とは――! 新人賞受賞シリーズ第8作!
モノクロ そばかすだらけの、冴えない少女だった。着古した綿のシャツと、黒いスカートだけ。化粧もろくにしていない。
「まあた別の娘かよ、マットアラスト」
 と、訓練をつけていた武装司書のビザクが言った。遊びがてらに女の子を連れてくるのは珍しいことではない。
「あんまり、お前のタイプではなさそうだな」
 とビザクが言った。
彼は利発な、大人の女性が好みのはずだ。今連れている少女は、一番嫌いなタイプではないのか。田舎臭い格好も、もの珍しそうに彼らを見る様子も、頭がよさそうには見えない。
「まあ、見た目はつまらない子ですが。なかなか面白いですよ」
「ふん、わしには関係ないがな」
 ビザクは興味を見せずに言う。マットアラストは心の中で笑った。今日は楽しいことになる。
「どこの子だ?」
「ランダーさんの仕立て屋ありますよね、あそこで働いているお針子です」
 館下街にある、武装司書御用達の仕立て屋である。マットアラストがよく利用している店だ。後にこの店で、レナス=フルールとオリビア=リットレットが働くことになる。このことは、今は関係ない。
「ふむ、名前は?」
 ビザクが聞く。マットアラストの後ろで、少女が言った。
「ハミュッツ=メセタ」

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戦う司書と絶望の魔王
山形石雄 イラスト/前嶋重機
定価680円(税込)
10月TVアニメスタート!
ついに動き出した「天国」。それは『本食い』の能力の究極の進化形であり、もう一つの世界を体内に持つルルタの「仮装臓腑」のことだった。バントーラ図書館の武装司書たちは完全無力化し、世界の終焉に向かうカウントダウンがはじまった! そして、かつては世界の救世主だったルルタが果てしない絶望に至った過去、その鍵を握るひとりの女性の存在が明らかになるーー!新人賞大賞受賞シリーズ第9作!
モノクロ  長い時が過ぎた。次第に熱気は収まってきた。
「なんだ、これは」
 ヒハクが声を上げた。熱気に混じり、強烈な冷気が吹いてくる。対流が巻き起こり、熱い風と冷たい風にむせ返った。なぜ冷気の風があるのか、誰が魔法を使っているのか。
「………まさか」
 熱が収まった。焼け焦げた土の上に倒れる、ルルタの体。全身が、いや、骨までが黒くこげ、人型の棒切れにしか見えない。
 誰もが歯を食い縛りながらそれを見つめる。次第に、その姿が人の形に戻っていく。そして、髪が元の姿に戻り、ルルタが体を起こした。
「ヴーエキサル、服だ」
 大歓声が上がった。ヴーエキサルが駆け寄り、腰布を巻かせる。
「少しばかり、疲れた。ヴーエキサル。休ませろ」
 ヴーエキサルが、ルルタを王塔の中へと連れていく。力なくルルタが振り向く。そして、笑いながら言った。
「聞け、喜べ、ルルタは手に入れた。終章の獣に勝てる力を」
「ルルタ、まだ喋られては」
「皆に伝えてくれ。僕は勝てると」
 再び歓声が上がった。周りにいるものが、駆け出した。だが、ヒハクだけが、一人、呆然と立ち尽くしていた。

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戦う司書と世界の力 BOOK10
山形石雄 イラスト/前嶋重機
定価650円(税込)
TVアニメ大人気放送中!
空前絶後のファンタジー、ついにフィナーレ!
世界の滅亡間近、仮想臓腑内のルルタの目の前に現われた、かつての人間爆弾コリオ。密かにルルタを狙うのは、「死」によって本来の能力が発動したハミュッツ。世界の命運は、彼ら二人に託された。コリオの言葉は届くのか? ハミュッツの逆転はあるのか? そしてルルタの愛は何をもたらすのか? 人々が受け継いできた『本』たちが最後に示す答えは、希望か絶望か? 激闘につぐ激闘、武装司書たちのフィナーレに待つものとはーー『本』をめぐる壮大なファンタジー、第10巻。新人賞大賞受賞シリーズ、威風堂々の完結!
モノクロ  ルルタは世界最高の戦士である。危機を察知すれば、体は意志とは関係なく動く。
もしもここでハミュッツが投石器を振るっていれば、ルルタは対応していただろう。拳を固めるか、蹴りを繰り出そうとするか、攻撃の姿勢を見せていたら、反射的にルルタは迎撃していただろう。しかし、ハミュッツはただ、ルルタを?んだだけだった。その動きは決して、攻撃ではなかった。攻撃ではないから、反応出来ない。
 座っていたルルタを、ハミュッツは体で押し倒した。
 そしてハミュッツは強引に、ルルタの唇にキスをした。

(中略)

「答えろ! 一体何をした!」
「わからないものかしらねえ。何をしに来たかぐらいは」
「なん、だと」
 異変は、突然起きた。ルルタが、体内で何かが爆発したように、大きく痙攣した。
「が!」
 ルルタが喉元を?んだ。胃液を吐くような声が漏れた。苦しそうな咳を何度もした。体が、激しく震えだした。コリオは助けようと手を差し伸べかけて、思いとどまる。
「なん、だ、こ、れは………」
 ルルタが膝をつき、嘔吐しようとする。しかし唾液が数滴飛び散るだけで、腹からは何も出てこない。
「あんたを、殺しに来たに決まってるでしょう」

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(C) 前嶋重機/集英社

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