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薔薇色にチェリースカ
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薔薇色にチェリースカ
海原 零 イラスト/ネツマイカ
定価670円(税込)
『銀盤カレイドスコープ』の海原零新シリーズ。
超大型バトルファンタジー、ここに開幕!!
『私の宿主になれーー』綺羅崎ヒロが出会ったしゃべる蛇。その正体は魔界から来た絶世の美姫だった。貴族達のソサエティが支配するマシュテバリ学園を舞台に、美学と陰謀と誇りに彩られた決闘が幕を開ける!美女にして蛇、チェリースカの正体は!?
この世ならざる驚愕は、水溜りを挟んだ向こう側――ヒロの目の前で滞ることなく続いていた。
……程なく、『脱皮』は終局へ。
まず右足を完全に脱し切ると……壁に映る影が頭をもたげた。少女が、その場で静かに立ち上がったのだ。
素足に踏み押さえられた薄皮が、左足のつま先から離れ……地面に縮む。
――釘づけの我が身を誰も咎めなかった。
あくまで落石の影にはあっても、いつの間にかその縁に手をかけているというのに。
素足の傍に、抜け殻。そこから目線を上げれば……、
白く浮かび上がるは――幻想。
橙色の妖精が素足に戯れ、魅惑の裸体を下から照らす。
無想、無心。僅かな目先に映る現を乖離せし幻に、理論は無意味だった。
だってそうだろう。この少女は今、ヒロの目の前で確かに変身したのだから。
さっきまで確かにヘビだったのだから……。
薔薇色にチェリースカ 2
海原 零 イラスト/ネツマイカ
定価670円(税込)
ついにチェリースカの正体が!
強圧的な理事長からの指令で、止むを得ずチェリースカを伴い地下の教会へ赴いたヒロ、しかしそこに現れたのは……。彼女の敵とは? 彼女の背負いし宿命とは? 制御不能の零的狂乱ロマン、欲望と謎解きの第二幕――。
〔つまるところ……〕
「……なんだよ?」
睨み下ろすヒロに向けまっすぐ伸びてきた薔薇色の頭部、その丸く大きな金色の瞳が正面に――
〔人型で添い寝すればいいのか?〕
「そっ……」
ものの見事に言葉に、行動に詰まり。
「そういうことじゃないっ!」
思わず枕を投げつけた。
至近距離では外すわけもなく、全長1メートルほどの薔薇色の体躯が枕と共にフロアに転落する。
「いい加減にしろこの大バカたれっ!」
薔薇色にチェリースカ 3
海原 零 イラスト/ネツマイカ
定価600円(税込)
それはキスから始まった? 大好評第3弾!
チェリースカを巡るヘンゼルとの死闘を切り抜けた、理事長の下僕――綺羅崎ヒロは、ひょんなことからその娘、アン・フローレンス・ギルコと懇意に。当然、彼女にも絶対服従だ。男子禁制のお茶会への参加を命じられれば、例え忍び込んでも使命を果たさねばならない。ただしそこには、一個の男として抗いがたい誘惑も存在し……。大好評第3弾!
男子数人に囲まれた状態で、わりと大柄なひとり相手に右の平手を飛ばした。
洒落にならないほどの音が響き、それは喰らった者の屈辱に比した。
「…のアマッ!」
「なにさっ!」
平然と立ち向かう女子に、男子はいよいよ怒りを募らせる。
暴力沙汰は禁条で厳しく戒められるだけに、周囲も彼を宥めんとするが。
「言いたいことがあるなら言いなさいっ、腰抜けのくせに!」
「……上等だ」
ビンタをかました側の女子マリスが更に捲くし立てれば。貰った側の男子にしてみれば、収まりようがない。
そして。ヒロの立場からしても、収まられない方が好都合だった。ここで諍いが止まってしまえば処分もたかが知れたものだが、あの男子が女子に直接手を出せば。程度によっては下手人の退学とその他の男子の停学も視野に入ってくる。
薔薇色にチェリースカ 4
海原 零 イラスト/ネツマイカ
定価560円(税込)
道連れは不倶戴天!!!
深秋のお茶会で屈辱を味わった優生会副会長シシリー・アイスヒルは、周到な罠を仕掛け、宿敵・乱流真希を決闘の場に上げた。幼なじみという理由だけで悪意を向けられた真希を助けようと現場に向かうヒロだったが、些細な事故から蛇のチェリースカを帯同したまま、アイスヒルと地下深くまで転落してしまう…。そして重鎮にある疑念が…??
「俺が入ったら、お前が…そのっ……」
「はだかだった」
「っ…いやだから」
顔を背けてひと呼吸。
「お前をそうしたのが誰かは、本当にわからねえんだって」
あの場に突入した唯一の目撃者が秘密を守ってくれさえすれば。アンには真実を知られぬままに済むはず。
「どう考えても、ヒロの知り合いとしか思えないよね?」
このように至極まっとうな追及を、ヒロ本人がかわせる限りにおいては……。
同郷の幼馴染にボコボコにされた後、瀕死の体に鞭打って全裸の彼女を床下から引っ張り出し、ベッドに寝かせると素早くその場を後にしたのだ。なお、アンが用意し『真犯人』に強奪された例のアラビア風衣装は、外に脱ぎ捨てられていた。
その辺りの状況を鑑みても、立場は苦しい。
薔薇色にチェリースカ 5
海原 零 イラスト/ネツマイカ
定価560円(税込)
海原零的狂乱ロマン、ここに完結!
常に寄り添ってきた綺羅崎ヒロとチェリースカ、幼馴染としてヒロを守ってきた乱流真希、自由会のソフィー・ローゼルと優生会のシシリー・アイスヒル、チェリースカに執着するヘンゼル・ツェルペリに、なにかを伺う女教師、そしてヒロの初恋相手……。全てのピースを引き寄せたのは必然か偶然か。明かされてはならなかった謎が暴かれる……!!
「……あんたは?」
暗がりに誰かがいた。
椅子に座り、組んだ腿の上に両手を乗せて。顔と体の向きからして、恐らくこちらを黙って観察しているのだろう。
ヒロはサイドテーブル上のランプに手を伸ばすが、それが勝手に点灯し、視界が鮮明に。
と……なんのことはない。
「チェリースカ」
控え目な照明に映えるのは、見覚えのある顔だった。
相棒でもある毒ヘビの本来の姿が、白と青の、ゆったりした服に包まれている。
「人型になったのか」
答えはないが構わず、彼は足をベッドから下ろそうと試みる。が、痛みに顔をしかめ試みを中断した。
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(C) ネツマイカ/集英社
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