HOME > ライブラリー > ブラックランド・ファンタジア
BOOKNAVIはこちら
ブラックランド・ファンタジア ブラックランド・ファンタジア
ブラックランド・ファンタジア
定金伸治 イラスト/星 樹
定価560円(税込)
世紀末の倫敦を揺るがす天才少女が運命(ゲーム)の鍵!
19世紀倫敦ではチェスの勝負で財産や命など、様々なものが取引される真剣(デュール)が流行していた。貴族の代指しをする少年勝負師・スィンと天才的記憶力を持つ姉・ネムの大逆転から事件は起る。次々と起こる殺人の裏に見え隠れする、スィンの父とは? 二人の運命はどうなる!?
モノクロ  蝋燭の明かりを頼りにして、スィンは階段を降りた。
 階下には廊下が真っ直ぐに伸びており、左右に扉が並んでいる。そして一番奥に、丁寧な木彫りの入った一際立派な扉が見えた。
 ──ここか……。
 息を殺してスィンは廊下を進み、そして音もなく扉を開いた。
 オイルランプの薄暗い明かり。
 部屋の中には、調度類のようなものは見えない。ただただ、がらんとしている。
 しかし──

「おまえは、ネリーじゃないように見える……」
 椅子の上にあった可憐な人形──いや、一人の少女が、不思議そうにスィンを見つめていた。こころに温かみを与えるような、天使の顔立ちをしている。
 人形と見えたのは、身体の異様な小ささのためだ。顔は普通の少女と同じ大きさをしている。しかし、それを支えている身体は、人形のように小さいのだ。アンバランス、で済ませられるような形ではなかった。
(c) SHUEISHA Inc. All rights reserved. 無断転載禁止
(C) 星 樹/集英社

このページのトップへ