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カンピオーネ!
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カンピオーネ! 神はまつろわず
丈月 城 イラスト/シコルスキー
定価620円(税込)
愛する人は、神殺し。
新たな神話を紡ぐバトルファンタジー開幕!!
草薙護堂は神殺しである。
神を殺した者は神の権能を得る。そしてその力を得た者は王者『カンピオーネ』と呼ばれ、覇者とも魔王とも称される。だがそんな高校生・護堂の求めるものは平穏な日々。しかし魔術師にして自称護堂の愛人・エリカがもたらす荒ぶる神との邂逅!? さらには、媛巫女・祐理も護堂に接近して…!?
新たな神話が今ここに始まる!!
すばやく唇で唇をふさがれたため、それ以上の反論はできなかった。
……長くキスを続けたあとで、エリカはほんの少しだけ唇を離してつぶやく。
「ふふっ。最近、冷たくされてばかりだったから、すごく楽しい。護堂ったら、わたしには冷たいくせに、変な女とコソコソ会っていたり、アテナにキスされたりして。結構、怒ってたんだからね」
怒ってると言うくせに、おそろしく甘いささやきだった。
額と額がくっつき合うほど、顔の距離が近い。
カンピオーネ! II 魔王来臨
丈月 城 イラスト/シコルスキー
定価650円(税込)
神殺しVS神殺し
二人の王者は並び立たず。守るため、奪うため…神の権能が激突する!
神を殺し、権能を奪いカンピオーネとなった高校生・草薙護堂。その自称愛人エリカが護堂の高校に留学、護堂との「親密な仲」を公言したことで、媛巫女・祐理や妹・静花も巻き込んで、護堂の平穏な日常は完全に失われてしまった。同じ頃、東欧の魔王・ヴォバンが来日。その目的は祐理!? 神殺しが相撃つ熾烈な戦いの幕が、いま開く!!
「べ、べつに、何でもないって。気にするなよ」
「ふーん……何でもないのか。あ、そうだ。いいこと思いついたわ」
意味ありげに護堂を見つめながら、いきなりエリカが言い出した。そして右手で差していた傘を閉じ、なんと両手でへし折ってしまった。
「大変、傘が壊れちゃった。そっちに入れてくれる、護堂?」
「こら! 壊れたじゃなくて壊しただろ! 何言ってんだよ!?」
傘を差す護堂に密着して、エリカは雨を避けようとする。
それを押しのけようとするが、力でかなうはずがない。必死の抵抗など意にも介さず、エリカは護堂の左腕にしがみつき、耳元にささやきかける。
「いいじゃない。恋人とふたりで、こうして雨をしのぐのもいいものよ? わたしが濡れてもいいって言うの?」
カンピオーネ! III はじまりの物語
丈月 城 イラスト/シコルスキー
定価600円(税込)
草薙護堂は未だ神殺しにあらず。
神殺し誕生の時。
人気急上昇中の新神話!
新たなる神の物語がここに!!
草薙護堂は如何にして神を殺し、魔王となったのか。
祐理に問われ、口を開く護堂。
全読者待望のはじまりの物語が遂に明かされる!!
護堂は祖父の友人を訪ねるため、イタリア・サルデーニャに来ていた。その地で不思議な少年と出会い、友誼をはぐくむ護堂。だが、そこに現れた魔術師を名乗る少女・エリカとの出会いによって「神」にまつわる事件に巻き込まれることに…。
エリカと護堂の出会いは最悪から始まった!?
護堂が彼女の存在に気づいたのは、声をかけられた直後であった。
「ねえ、そこをゆく方たち――突然で申し訳ないけれど、お訊ねしたいことがあるの」
それはイタリア語での呼びかけだった。
もちろん、護堂には理解できなかった。もっとあとで、当の彼女に何を言っていたのか訊ねて、初めて意味を知ったのだ。
だから護堂はこのとき、いきなり現れた少女に見惚れるばかりであった。
欧州の基準で言えば、背は低い。一六〇センチをすこし超える程度だ。それなのに、この威厳はどうだろう? まるで女王のように傲然と、そして堂々と立ちはだかっている。
彼女は長い金髪を潮風になびかせていた。
その赤みがかった金髪は、オレンジの陽光を浴びて紅の色味をさらに強くしている。
焔が燃え上がるような紅と黄金の髪。それがまるで王冠か戦士の兜のように、彼女の頭と輪郭を華麗に飾り立てている。
だが、何より――何より少女の美しさが、護堂の目を惹きつけてやまなかった。
繊細な造りの美貌。どんな人形よりも整い、どんなモデルや女優よりも覇気に富み、高貴さと自信に充ち満ちた、二度と忘れられない顔。
カンピオーネ! IV 英雄と王
丈月 城 イラスト/シコルスキー
定価630円(税込)
「我が主よ――お願いがあります。……キス、してください」
絶好調ミスティックファンタジー!
神と神殺しが出会うとき、新たな戦いの幕が開く!!
草薙護堂は限界を迎えていた。自らを取り巻く少女たちとの生活に心労を重ねる護堂は、ついに逃亡を決意する。だが、そこに現れたのはかつて激闘を繰り広げた女神・アテナ。アテナに同道を求められた護堂は船上の人に。今ここに神と神殺しの呉越同舟がなる!?
一方、エリカと並び称される魔女・リリアナは剣の王・サルバトーレとともに竜の誕生に遭遇する。そしてそれは新たな神の顕現をも意味していた!!
「……ゆっくり顔を合わせるのは、ひさしぶりねー」
目の前にひとりの少女がいる。
一〇代の半ば頃だろうか。整った顔立ちだった。体つきは細身で、たとえばルクレチア・ゾラやエリカの起伏に富むスタイルに比べると、かなりスレンダーな方だろう。
にもかかわらず、彼女は蠱惑的だった。
美しいと形容するよりも、可愛いと呼びたくなる童顔と体つき。金色の長い髪を頭の左右でふたつに分けて、白い薄布のドレスを身につけている。
背も低く、印象も幼い。だが護堂の知る誰よりも、なまめかしい『女』そのものだった。
一瞬、誰だかわからなかったのだが、すぐに思い出した。彼女の名はたしか――。
「……パンドラさん、でしたよね?」
カンピオーネ! V 剣の巫女
丈月 城 イラスト/シコルスキー
定価630円(税込)
「もちろん誓うわ! 世界が滅ぶその日まであなたの隣にいると、わたしの全てを懸けて!」
エリカに迫る危機! 神殺しは少女を救えるのか!?
世界に七人しか存在しない魔王・草薙護堂が、来日したリリアナの過剰な世話焼きに困惑していた頃、日本初の王に、イタリアの魔術師たちが侍ることに危機感を覚えた者たちがいた。彼女たちを排除するべく遣わされた、新たな媛巫女・清秋院恵那は、祐理と護堂の仲を進展させようとする一方、天叢雲劍を振るい、エリカに戦いを挑む! エリカに迫る危機に護堂は!?
俺はバカだ。何であいつを忘れていたのか。
十数メートル先の校門。
夕日を浴びて紅に染まっているそこで、小柄な女子が仁王立ちになっていた。
中等部の制服を着た彼女は草薙静花。
さっき茶室で、数々の問題発言を聞きとがめた妹である。
沈む太陽のせいで表情はよく見えない。だが、見ても見なくても同じだろう。どうせプリプリ怒っているはずだ。
「静花さん、どんな言い訳を聞けば許してくれるかしらね? いずれにしても腕の見せどころよ、護堂。……そうだ。今日のところは兄妹水入らずということで、わたしとリリィはべつの道で帰ることにしてもいいのだけど――」
人の苦境を眺めて歓ぶ悪魔の笑顔。
まさしくその表情でつぶやくエリカの言葉が、護堂に重くのしかかってきた。
カンピオーネ! VI 神山飛鳳
丈月 城 イラスト/シコルスキー
定価630円(税込)
「わ、私、もう迷いません……だから護堂さん、絶対に私を放さないでください……!」
その姿を現す、新たなる魔王。神殺しは相討つのが宿命か!?
媛巫女見習いとして修行をつむ少女・万理谷ひかりは悩んでいた。とある神社からの勧誘が強引なのだ。不安を覚えたひかりは、そのことをある少年に相談することを決意する。すなわち、姉の祐理が仕える魔王・草薙護堂に…。
一方、アメリカ・LAでは、魔王・ジョン・プルートー・スミスが敗れ去り、その地の均衡が崩れていた。さらには、中華の王の下に謎の訪問者が現れ…。
世界各地で暗躍する魔王たち。その動きがひとつに収束するとき、かつてない戦いが地上に具現する!!
その後もリリアナは女子の名前を挙げつづけた。
遠藤マヤ、楢崎さやか、中澤香織、その他大勢。記憶から微妙にうすれつつある名前が羅列され、護堂はそのたび苦労して昔の思い出を引っぱり出した。
「そういえば、あなたが幼い頃に婚約を約束したというはとこもいましたね。……つまり、そういうことなのですよ、草薙護堂」
「え? みんな昔の友達じゃないか。『そういうこと』って何だよ?」
言い返してから護堂は気づいた。万里谷姉妹の視線がおかしい。
「ま、まさか護堂さんが、そんなにたくさんの方々と関係をお持ちだったなんて……」
「さすがです、お兄さま。おうかがいしていた通りのモテっぷり。男前です!」
祐理は『え、この人にそんな過去が!?』と驚く、苦悩にまみれた目つきだった。ひかりの方は素直な憧憬のまなざしだった。
カンピオーネ! VII 斉天大聖
丈月 城 イラスト/シコルスキー
定価650円(税込)
魔王集結!
天に斉(ひと)しき神を滅するため、大地に降り立つ三人の魔王。
少女の姿を身に纏うまつろわぬ神はそれさえも切り裂くのか!
祐理の妹・ひかりの身体をのっとったまつろわぬ神、斉天大聖・孫悟空。
日光の街を自らの王国へと変貌させる神に対し、羅濠教主との戦いで既に満身創痍の護堂に打つ手は!?
そして、ついにこの地に姿を現す第三の魔王、ジョン・プルートー・スミス。
冥王が護堂にもたらすものは勝利か破滅か!?
神と魔王が相討つ戦いがいま全てを薙ぎ払う!!
エリカ、リリアナ、祐理の三人が背広姿の青年と向き合っていた。やはり甘粕だった。
「……ああ草薙さん。恥ずかしながら、ようやく戻って参りました」
護堂に気づいて、甘粕が挨拶してきた。
力ない口調である。よく見れば顔色も悪い。背広のよれ具合も普段よりひどかった。
こんなに弱っている彼を見るのは初めてだ。
護堂は彼の後ろにいる白人女性に気づいた。燃えるような赤毛のショートヘア。知性と意志の鋭さを宿す、整った顔立ち。身にまとうのはレザーのジャケットとパンツ。
非の打ち所のないクールビューティ。そんな雰囲気の女性だった。
「こ、こちらはアニー・チャールトンさん。いい、意識不明のままずぶ濡れになった私をたまたま見つけて拾ってくださった、い、命の恩人です」
ぶるぶる震え、鼻水をすすりながら、甘粕は同行者を紹介した。
氷を思わせる美女は「アニーよ。よろしく」と、きれいな日本語で短く挨拶した。
カンピオーネ! VIII 受難の魔王たち
丈月 城 イラスト/シコルスキー
定価600円(税込)
魔王と姫、謎を求める!!
王の秘密に迫る探索の手! 護堂はその身を護ることができるのか!?
イタリアが誇る二人の少女騎士が出会う脅威の剣士!?
王の寝所の一端も明かされるミスティックファンタジー第8弾!!
ある日、護堂は東京の女子大に通うはとこのさくらの訪問を受ける。
さくら曰く、いま東京には暴虐の限りを尽くす魔王がいるそうで、その正体を突き止めたいとのこと。
もちろんそれは七人目の神殺し・草薙護堂その人に他ならず…。
困った護堂がとった行動は?
さらには、若き日の魔王・アレクとプリンセス・アリスが出会う聖杯にまつわる事件やエリカとリリアナが騎士となった際に出会った謎の人物との一件など新神話第八弾は珠玉の挿話集!!
「あのね。ゴドーくんに是非、頼みたいことがあるのっ」
草薙家の居間に入るなり、香月さくらは言った。
テーブルにはサンマの塩焼きとスダチ、大根おろし、ゴーヤと大根とトマトのサラダ、なめこの味噌汁などが並んでいたが、昨日今日のつきあいではないので誰も気にしない。
今年で一九歳。都内の名門女子大に通う一年生。
だが、可愛らしい童顔のせいで、中学生にまちがわれても不思議ではなかった。
「あたしじゃダメなの、さくらちゃん?」
「う、うん。なんとなく、こういうお願いは男の人の方がいいのかなって……」
静花の問いに、さくらは心細そうに答えた。
こういうときのはとこは、おびえた小犬めいた表情になる。
カンピオーネ! IX 女神再び
丈月 城 イラスト/シコルスキー
定価660円(税込)
女神は神殺しとの戦を望む
ついに訪れた女神との再戦の時。
手の内を知られた護堂に勝機はあるのか!?
草薙護堂の前に、再び現れたまつろわぬ女神アテナ。
何でもひとつ言うことをきくという、護堂が以前助けられた際にした約束を盾に再戦を望むアテナは、争いを望まない護堂の拒否を認めない。
ついには祐理やリリアナを石化し、人質にするという強行的な手段で、護堂との戦いを開始する。
アテナが勝負を急ぐのには差し迫られた理由があり…!?
新神話第9弾は激闘の調べ!!
「なんか他の人たちの迷惑になったみたいだな。気をつけよう」
「ですが草薙護堂、今までの行動をかえりみて、改めるべき点はないように思えます。非がないのですから、気を遣わずともよいのでは?」
「でもリリアナさん、私たちが気づいていないだけかもしれませんよ? ……あ、もしかしたら、こんな道ばたで食事をしていたのが迷惑だったのではないでしょうか。通行の邪魔になってしまったのかも」
「同じように飲食している人間は何人もいる。その可能性は低いと思うが……。だが一応、気を遣ってみるか。食堂にでも移動して――」
食料を調達したあと、出店もない隅っこのスペースに移動していたのだが。
祐理の指摘にリリアナが提案し、護堂もうなずきかけた、そのとき。
「……あんたたち、何ボケボケな相談してるの? ツッコミなしのボケ三人でコントやってんじゃないんだから!」
威勢のいい声を聞いて、護堂は驚いた。彼女がここにいるとは完全に想定外だった。
振りむけば、怒っている様子の幼なじみ、徳永明日香が仁王立ちしていた。
カンピオーネ! X 槍の戦神
丈月 城 イラスト/シコルスキー
定価660円(税込)
神殺しは呪縛される――!
護堂が囚われた呪いとは?
黒き貴公子との対決の時が迫る!!
アテナとの最期の別れを経て、
湖の騎士・ランスロットとの再戦に備える護堂たち。
イギリスの地に降り立った彼らは、白き姫君の力を借り、
かの騎士の正体を突き止めようとする…。
しかし、護堂は謎の女性との邂逅をきっかけに、
神祖・グィネヴィアと共闘を強いられることに。
当然、彼女を仇敵と定める神殺し・黒王子アレクとの対立が避けられるはずもなく、
神殺しが相撃つ激闘が始まってしまう!
一方、護堂と引き離されたエリカやリリアナたちは…!?
「……みんな、草薙護堂のあれをどう思う?」
「……明らかにおかしいわね。ただ、精神的に不安定そうなところがまったくないし、躁鬱状態というわけでもなさそうなのがひっかかるわ」
「……ええ。すごく自然な感じがしますね」
「……むしろ、いつもは理性や常識に邪魔されて表に出てこない本性が、この機会に顕在化したとか仮説を立ててみたくなるな」
リリアナの結論めいたコメントに、祐理とエリカはうなずいてしまった。
ともあれ、草薙護堂がおかしい状態なのは事実である。
「護堂、あなたの遊び相手にはわたしたちが立候補してあげるわ。遠方からのお客様相手に火遊びをするのは、いいかげんにして欲しいものね」
カンピオーネ! XI ふたつめの物語
丈月 城 イラスト/シコルスキー
定価680円(税込)
神殺しの物語、第二幕がついに上がる!!
待望のカンピオーネ!セカンドエピソード公開!!
草薙護堂は友であった軍神・ウルスラグナと相打ちとなり、神殺しの魔王・カンピオーネへと生まれ変わった。
かの神を殺す際、護堂に利用された神王・メルカルトは新たに誕生した王を次なる敵と定める。
さらにはイタリアの剣の王サルバトーレ・ドニも護堂に興味を示し、護堂との戦いを求めるが、それは彼の配下の魔術結社に所属するエリカの、護堂との別れを意味していた…!
魔王となったばかりの護堂の物語がついに明かされる!
彼女たちの視線の先に、ひとりの青年がいた。金髪の美男子で、背は高く、すらりと鞭のように引きしまった体つきだった。
着ているのは明るい赤色のシャツに、白いコットンパンツ。そして、ラテンのお気楽かつ脳天気なノリ。彼は夏の地中海を照らす太陽のような(言いかえれば、ちょっとアホっぽい)陽性の笑顔で近づいてくる。
「君か。君が七人目なんだ。すごいな、僕がそうなったときよりも若いんだねェ!」
彼はいきなり護堂に言った。美男子の容姿に似合う、甘い美声だった。
だが、ノリの軽さがいけないのか、あまり色男らしく見えない。
「おひさしぶりです、サルバトーレ卿……今日はなぜシチリアへ?」
聞き覚えのある名前で、エリカが青年に呼びかけた。
「ああ、ひさしぶり。君はエレン・イバノヴィッチだっけ? いや、実は何日か前までアルゼンチンにいたんだけどさ」
豪快に名前をまちがえながら、青年はあっけらかんと語りはじめた。
「急に『まつろわぬ神』が出たって報せがあって、あわててヨーロッパに帰ってきたんだ。そしたら、すごい嵐のせいでサルデーニャ方面に飛ぶ飛行機は全部欠便になってて」
サルバトーレ青年は、おそらく二〇代前半。
彼が肩からさげる円筒型のケースに、護堂は気づいた。野球のバットでも入れるような長さと形だ。理由もなくゾッとした。これの中身が、とてつもなく危険な品に思えたのだ。
ザンパリーニのサブマシンガンなど、まったく比較にならないような……。
カンピオーネ! XII かりそめの聖夜
丈月城 イラスト/シコルスキー
定価630円(税込)
7月よりTVアニメ放送開始!
エリカや祐理は護堂の仲間ではない…!?
クリスマスも近づく時期、草薙護堂は心労を重ねていた。
七人目の魔王である護堂を監視するために派遣されてきたイタリアの魔術師・エリカやリリアナからの視線は厳しく、日本の正史編纂委員会からの遣い、媛巫女・祐理は護堂を恐れている。
もう慣れてはしまったが、ギスギスとした雰囲気に居心地悪くも思うため、護堂は彼女たちとの関係を改善しようと思うのだが…。
なぜか護堂には「今」のこの状況ににぬぐえない違和感があって…?
TVアニメ放送開始を7月にひかえ、さらに大注目の新神話第12弾!
神殺しに仲間はいない…!?
「あ、エリカさん!」
「よかった、今日は来ないのかと思ってたんだよ!」
二時間目と三時間目の間にある、短い休憩中。
教室にやってきたのは金髪の白人美少女、エリカ・ブランデッリであった。赤みがかった金髪を王冠のようにかかげる、ミラノからの留学生。
「ごめんなさい、いろいろと用事が立てこんでしまったの」
貴婦人の微笑で、女子たちに応えるエリカ。
歳は同じはずだが、優雅さと余裕が段ちがいだった。ちなみに彼女は『本国で大学卒業者と同程度の単位を取得ずみ』という免罪符のおかげで、フレックスタイムでの通学を容認されている。どう考えても、無茶がすぎる言いわけだ。
おそらく、この言い分を通すために催眠系の魔術が使われたはずだ。
護堂とエリカの視線が交差した。すると金髪のイタリア人少女は華麗な笑みを口元にひらめかせ、優美に一礼してみせた。まるで決闘に臨む美々しい騎士のように。
それだけだった。あいさつに来るでも、こちらに来て話しかけたりもしない。
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(C)シコルスキー/集英社
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