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ばとる・おぶ・CHUCHU 吸血っ娘襲来!
一条理希 イラスト/四谷嘉一
定価600円(税込)
乙女対吸血っ娘の壮絶なバトルが始まった!
吸血っ娘を封印するためには、荻原家に代々受け継がれる宝刀と力が必要。しかし、その力は乙女にしか宿らないということから、正太郎は対吸血っ娘戦闘員を養成する聖白百合学園に入学することになった。そこで正太郎に課されたのは……。美少女に囲まれた生活が始まる。
「……そ、そうだよ、きみもきっとできるよ。やればできるはずだよ」
正太郎は、武芸をがんばればできると慰めたつもりだった。
あいが、おずおずと顔をあげた。
真っ赤な顔だった。
「は、はい。で、できると思います。私でも」
「そうだよ」
正太郎は力を入れて励ました。
「は、はい。が、が、がんばって、元気な、武芸に秀でた女の子を生みます……」
「え?」
「で、で、ですから、しょ、しょ、しょしょ正太郎さんの女の子を、生みます」
「え? ええ!」
「よ、よろしくおねがいします」
「よ。よろしくって!?」
ばとる・おぶ・CHUCHU 妖刀恋慕
一条理希 イラスト/四谷嘉一
定価620円(税込)
狙いは正太郎の命だけじゃなかった!
正太郎が封印手になることを恐れ、完全に妖刀・沙羅を使いこなさぬうちに命を狙おうとする吸血っ娘たち。学園の少女たちは正太郎の警護を強化、毎晩交代で正太郎の近くで見張ることに。しかし、見張りに付いていた少女たちは、考えられない大胆さで、次々と正太郎に迫り出した!
ベッドの上、いや、正太郎の上を四つんばいで、こちらへと這い寄ってくる。白い着物の肩がはだけ、紺の袴も乱れて足袋をはいた足が、ふくらはぎのずっと上までのぞき見えている。
「うわあああ! ゆかりさん、やっぱり!?」
ゆかりの横に『沙羅』が落ちているのが見えたとき、正太郎はすべてを察した。
「正太郎どの」
にじり、にじり、淡い桜色のくちびるをわずかに開いた状態で、正太郎に迫ってくる。
「や、やめろ! ゆ、ゆゆゆゆゆかりさん、おおおおおおおちつけ。落ちついて、うわっ!」
あとずさろうとした正太郎はベッドから転がり落ちた。
「ああ、正太郎どの。逃げないで」
落ちた正太郎を追って、ゆかりもベッドからおりる。袴からすらりとのびた足が、夜目に真っ白くうつる。
「うわ、ゆかりさん、見えちゃう!? 見えちゃいけないところが、見えちゃう! うわわわああっ!」
ゆかりの白い胸に、正太郎は赤面しながら目を覆った。
ばとる・おぶ・CHUCHU 告白の園
一条理希 イラスト/四谷嘉一
定価620円(税込)
吸血っ娘と学園に、友情芽生える!?
シャルロットの愛を疑い始めたミルフィーユは学園側に付き、吸血っ娘を裏切ろうと考えた。警戒する学園の乙女達だったが、やがて似たもの同士の胡桃と打ち解け合い……。一方、正太郎の相手として立候補した萌葱。学園の5人も複雑な心境になり、宿命の勝負は行方があらぬ方向に!?
「おはようございます」
あいが、教室にお辞儀をしながら入ってきた。あいさつしながら教室に出入りするのが、この聖白百合学園での作法なのだ。
あいの姿を見て、正太郎はほっと安堵した。
しかし、あいは正太郎の姿を見るなり、顔に浮かべていたほほえみを消しさって、あらぬ方向を向いてしまった。そして、視線をはずしたまま、正太郎のとなりのあいの席にやってきた。
「おはようございます……」
消え入りそうな声でいい、目を合わせないまま、ちいさく会釈をして席に着いた。
(あいさん……)
昨夜まで、正太郎の相手として命じられていたあい。それが萌葱の立候補で正太郎の相手をおりることになった。その気まずさがあるのだろう。正太郎にしても、どう、あいに声をかけていいのかわからない。
結局、あいに声をかけられないまま、教師であるシスターが入室してきて、授業がはじまったのだった。
ばとる・おぶ・CHUCHU わたしのあなた
一条理希 イラスト/四谷嘉一
定価620円(税込)
クイーン・オブ・ヴァンパイアの反撃!
シフォンがシャルロットを襲い、妹分と大量のアンデッドを引きつれ、聖白百合学園へ猛攻撃を開始した。相変わらず妖刀・沙羅は錆び錆びのままで、子作りを迫られる正太郎は、やっとあいに対する気持ちに気付くのだった。そのあいを人質にとられ、正太郎はシフォンのいいなりに!?
背中に隠していた左手を、シフォンが頭上に振りあげた。そして、シャルロットめがけて振りおろす。なにか銀色の光を放つ、とがったものが、シャルロットに突き刺さそうとした。
「きゃああああ!」
逃げる力のないシャルロットが悲鳴をあげた。
ばきっ!
大きな音がして、シャルロットの肩のあたりに、なにかが突き刺さった。おそるおそるシャルロットが見る。
銀の杭だった。
それが、シャルロットの肩に突き刺さっているのだ。いや、肩に痛みはない。肩をぎりぎりかすって、ドレスに刺さっているのだ。ドレスの肩の部分を突き通った杭が、背後の岩壁にくいこんでいる。
「なにをなさいますの、シフォン!」
動こうとするが、肩が杭で留められていて動くことができない。
「うふふ、これでしばらく動けませんわね。なかなかいい格好ですわよ、シャルロット」
ばとる・おぶ・CHUCHU 最後の戦い
一条理希 イラスト/四谷嘉一
定価620円(税込)
乙女と吸血っ娘のラストバトル、真実の愛の形は!?
ついにこの勝負に決着をつけるときがきた。沙羅が使えない以上吸血っ娘は封印できない。そこで学長が呼んだのは謎の少女・紅。そしてやってきたのはゆかりの父……。新たな作戦でこの戦いに終止符を打てるのか!? あいと正太郎の恋の行方も、悲しい結末に終わるのか!?
『沙羅』を部屋に残し、あいはゆっくりと歩いて部屋を出ようとした。その時、あいの目に飛び込んできたものがある。ベッドの上に置かれているもの。正太郎から借りた上着であった。
「ボタンが……」
取れかかっていたのだ。つけ直して正太郎に返すと約束していた。
「正太郎さん……」
あいは、ベッドに歩み寄り正太郎の上着を手に取る。そっと頬を近づけると、正太郎の匂いがした。あいの瞳が潤む。
「つけなくちゃ。ちゃんとボタンをつけてあげなくちゃ」
裁縫セットを取り出したあいは、針を使ってボタンをつけ直し始めた。
「これが、私が正太郎さんにしてあげられる最後のことになる……。最後のことに……」
あいは、たんねんに一針一針を縫った。針が一度布地をくぐるたびに、ぽたりと一粒涙がベッドに落ちる。あいは、この上着に想いを込めようとした。
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(C) 四谷嘉一/集英社
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