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魂振の練習曲(たまふりのエチュード)
北沢大輔 イラスト/ぺこ
定価600円(税込)
魂振の儀、神遊び奉りまする!
葦原音矢は、片田舎の県立高校に通うごく普通の男の子。幼なじみの来栖真奈美と共にスクールライフを満喫する毎日。しかしある日、巫女の衣装に身を包んだ美少女、大内斎が現れて音矢の嫁だと宣言したからさあ大変!
モノクロ 「ね、春休み、どうだった? どこか行ったりした?」
「なんにもなかったよ。家でごろごろしてただけ」
 真那実は、風を切って走る音矢の自転車の後ろに乗るのが大好きだった。こうして音矢と何気ない会話を交わしながら登校することこそが楽しい一日の始まりだし、それがずっと続けばいいと、真那実は思う。
 唯一、真那実が気に食わないのは、音矢はそう考えてはいないらしいことだ。
 音矢にしてみれば、真那実を乗せていく分早く家を出なくてはならないし、遅刻すれば先生と真那実から倍も怒られることになるのだから、当然かもしれない。
 それでもこれまでまるまる二年間、こうして真那実を迎えに来てくれているのだから、あんまり文句を言うのも可哀想かな、などと思いながら。
「なんにもなくて、あんなパンティ祭りになるわけないじゃない」
 思わず、音矢がうめき声漏らすような事を言ってしまう真那実だった。
 そしてやっぱり音矢は、毎朝のように溜息を漏らすのだ。
 ――迎えになんて、来なきゃ良かった。

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魂振の前奏曲
北沢大輔 イラスト/ぺこ
定価600円(税込)
音矢ついに○○喪失!!!???
ハーレム状態の音矢は、ついに大人への扉を開いてしまう!? そこへ訪れるバンド解散の危機、更には音矢の命と、世界の命運を賭けた対バン勝負が始まる! 和風ロックファンタジーの第二幕、お待たせスタート!!
モノクロ  真那実も真那実で、斎の言葉にカチンと来てしまっていた。
「ちょっと、今のって、どういうことかしら?」
「真那実さんは音矢殿の幼馴染みで、当然理解しているものと思っていましたが、まったく理解できていないので分からず屋と申し上げたまでです」
 斎の信念がそうさせるのか、唇を一文字に結んだ険しい表情は、周囲を圧倒する迫力に満ちていた。最初に揉め事を切り出した王子も、どうしていいのか分からないでいる。
「わたしが理解してない? 音矢のことならなんでも知ってるつもりだけど? 少なくとも斎ちゃん以上にはね」
 真那実も負けてはいない。

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魂振の協奏曲(たまふりのコンチェルト)
北沢大輔 イラスト/ぺこ
定価620円(税込)

絶好調! シリーズ3巻目で驚きの展開だっ!
葦原音矢は、由緒ある神社の跡取り息子。幼なじみの来栖真那実、許嫁の大内斎や美しい巫女たちに囲まれて、神楽の練習に励んでいる。しかしある日、揺れる恋心に思い悩んだ斎は、舞うことが出来なくなってしまう。そんな音矢たちに襲いかかったのは、誰もが目を疑う相手だった……!!
モノクロ 「夏休みにライヴですか。それではいろいろと計画を練らないといけませんね」
 場の空気を全く読んでいない斎が、お茶の支度をしつつ朗らかに告げる。
その澄んだ声にハッとした豪鉄と、途方に暮れたように立ち尽くしていた真那実が我に返った。
「そうよ、夏休みにライヴよ! さっそく計画を立てようよ、音矢」
「うん、いいね。このところライヴ活動していなかったし、たまには学校以外でやるのもいいよね」
「じゃあ、サリィにもライブをやるって教えてやらなくちゃ」

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魂振の円舞曲(ワルツ)
北沢大輔 イラスト/ぺこ
定価600円(税込)
夏だ! 水着だ! 盗撮だ!?
夏休みに入り、合宿する事になった軽音部。練習のため3巫女たちもやってきた。絶好の地ではしゃぎ回る乙女たちに、盗撮犯まで出現。一方、実家からの「早く音矢の子を宿せ」という命令に戸惑いながらも意を決する巫女たち。この合宿で音矢を狙っていたせいで、少女たちは大激突をして…!?
モノクロ 「いいね、このサウンドは。やっぱり本堂に持って来て正解だったね」
 真子は髪を振り乱すようにして、ピックで弦をかき鳴らす。ギターから滑り出るコードが豪鉄のドラムに乗り、真那実のベースと絡んでゆく。
「おおっ、このサウンド! 体中がビリビリ痺れてくらぁ!」
「うん! なんかね、この調子ならライヴも派手に打ち上げられそうだよね!」
「ふっ。ボクのギターがあれば、どこでだって盛り上がるさ」
 三人はそれぞれの音色を絡ませるようにして、ノリノリで演奏する。
「あのう、音矢殿? ギターを弾かれないのですか?」
 ダンス担当の斎が、なにやら脱力しきった様子の音矢に尋ねた。
「ごめん……。海水を飲み過ぎたのかな、ちょっと気持ち悪くて」
 巫女たちのセクシー攻撃で立ったまま失神した音矢は、豪力に背負われたまでは良かったが、豪力がセクハラに熱中しているうちに海中へと放り出されていた。セクハラを受けていた女の子たちはもちろん、その場にいた全員が音矢の存在を忘れていた。音矢は海中で大量の水を飲み、ようやく意識が戻った時にはあわや溺死寸前という危ない状態だった。

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魂振の交響曲(シンフォニー)
北沢大輔 イラスト/ぺこ
定価600円(税込)
音矢がんばれ〜。でも、惜しまれて完結!
死んだはずの音矢の父・響一郎が禍津神となって現れた。過去の真実が明かされ、呆然とする音矢。圧倒的な力の前に敗北の色が見えたが、兎貴子が神化した事でその場を脱することができた。しかし、神社に戻っても状況は好転せず、次々と現れる禍津神。さらに音矢が死ぬ可能性を知った巫女たちは、執拗に子作りを求めてきた。混迷を極める中、音矢はついに斎と…? そして音矢の誕生日目前、響一郎が再び現れ、最後の戦いが始まる!! 音で奏でる和風ロック・ファンタジー?ついに完結!!
モノクロ 「めぎょっ!」
 豪鉄の発した奇声と共に、最新型のデジカメが叩き落とされた。いや、正確には蹴り落とされたと言うべきか。
「なにすんだよ、てめぇっ!?」
「それはこっちのセリフよ。のっけから暑いだのなんだの言って人を煽っておいて、最初からパンチラが目的の会話だったんでしょ!」
「へぶっ!」
 真那実の足が高く揚げられると、豪鉄の剃髪した頭に食い込んだ。芯を捉えた見事な一撃に豪鉄はその場に轟沈した。
「くっ、まさか、そこまでお見通しだったとは……」
「アンタの考えるコトなんて、たかが知れてるのよ」
 新品から一転してジャンクと化したデジカメを見つめつつ、豪鉄はがっくりと項垂れる。ちょっと顔を上げれば、片足を挙げたままの真那実のパンチラを拝めるのだが、パンチラ覗きと盗撮ではまったく意味が違うらしい。
「顔の風通しは悪くても、人からの見通しは利くわけだ」
このタイミングでなに上手い事を言っているんだ王子、とツッコミを入れたくなった音矢だったが、内心ではこの日常を嬉しく思っていた。
なぜなら音矢は、この楽しく、面白おかしく過ごす日常を失いかけたからだった。そしてこの日常がいつまで続くのか、どこにも保証はない。
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(C)ぺこ/集英社

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