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征服娘。
神楽坂淳 イラスト/鈴羅木かりん
定価580円(税込)
世界を私の手の中に!!
貴族の娘として生まれ、なに不自由なく暮らしてきたマリアであったが、一つだけ不満を持っていた。それは「女はなにも手にできない」ことである。それに不満を持ったマリアは全てを手に入れる為、侍女であり、生涯の親友であるアッシャと共に立ち上がることを決意した! 大型新人による、壮大な野望活劇始動――。
「処分してもらっていいかしら?」
「駄目です」
間髪を入れずにアッシャが言う。
「ご自分で読んで、きちんと対応してください。これもあなたの仕事ですよ」
「どうせ中身はわかっているもの。結婚の申し込み以外はないじゃない」
マリアは足でこつこつと箱を蹴った。
「誰が結婚を申し込んできたかを確認しておくのが仕事でしょう?」
コントラーリ家と縁組をしたい貴族や商人は星の数ほどいる。たとえマリアがどのような容貌をしていたとしても結婚を希望する男は多かったに違いない。そのうえ、もしマリアの家柄が低かったとしても結婚したくなるほどの美貌も兼ね備えていたから手紙の数がいっこうに減らないのも無理はない。
アッシャの言うとおり、誰がどのような条件で結婚の申し込みをしてきているかというのは大事な情報だから、結局は全部目を通すし、無礼にならないように返事も書く。だが、朝からとりかかる気になるような仕事ではなかった。
「先に朝食にしていいかしら?」
マリアは上目づかいにアッシャを見ると、いやいやながら手紙の束を手にとった。
「あとで全部読むから」
アッシャはマリアの顔を見て苦笑すると、いったん部屋を出て行った。もどってきたときには大きなワゴンに朝食の用意を整えていた。
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(C)鈴羅木かりん/集英社
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