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ストーン ヒート クレイジー
三上康明 イラスト/よし☆ヲ
定価620円(税込)
「キセキ」のために疾走する!爆走ファンタジー!!
天才ドームスターが発明した「機石」は、蒸気機関の動力を飛躍的に高め世界を変えた。その息子のドミは機石を嫌っていたが、ある日父の機石を国に差し出すよう迫られ、どうするべきか悩む。親友のアームや、偶然出会った機石技術者の少女・リピルと触れ合う中で、ドミの心に眠っていた機石への想いが揺れはじめ…。
モノクロ  長く美しい紅水晶(ローズクォーツ)のようなピンク色の髪が月の光を滑らかに受けている。そして髪と同じ色の眼は、悪戯っぽく笑っているのだった。
 ドミは何も言えなかった。有り体に言えば、目を奪われていた。ドミと同じぐらいの年らしい、少女の白い肌にも、小振りな唇――そして、鈍い銀色を放つ蒸気自動車を運転するにふさわしいが、可憐な少女の姿にはちっともふさわしくない作業着。
「立てる?」
 コークスなのか機械油なのかわからないが、差し出されたグラブに黒い汚れがついている。
「だだだだ大丈夫!」
 あわててドミが立ち上がろうとする。これはヤバイ、と思った。
「ほんとに?」
 少女を見ていると顔が火照ってくる。
 ――こんな出会いってあるか? これが運命じゃなかったらなんだ?
 これはヤバイ。
 運命がなんだとか考えている時点でヤバイ。
 少女はきょとんとした顔でドミを見ていた。
「大丈夫だよ!」
「そう? 髪の毛、燃えてるけど」
 この日何度目かわからない、ドミの叫び声が町中に響いた。
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(C) よし☆ヲ/集英社

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