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テイルズ オブ ザ テンペスト
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テイルズ オブ ザ テンペスト 嵐の章
金月龍之介 イラスト/いのまたむつみ・松竹徳幸
定価560円(税込)
『テイルズ オブ』シリーズ最新作、ついに登場!
カイウスはある日、自分が「ヒト」ではなく迫害される獣人「リカンツ」であることを知る。カイウスは幼なじみのルビアと、旅に出る。異端審問官に連れ去られた養父を救うために! ゲームでは語られなかったキャラクターの過去も明らかになる、大人気RPG完全小説化!!
村外れの草地に腰を下ろした。
夜の空気に触れたせいで胸の高鳴りはすっかり落ち着いていた。しかし消え失せたわけではなく、なにかもっと別の強い感情に変質しただけであるようだった。誇り。自信。たとえばそんなものに。
ルビアの旅立ちはなにかの契機だったのだろう。それをきっかけに運命の歯車が回り始めたのだ。カイウスは、歯車が奏でるドラマティックな音を、自らの胸の中に聞くことができた。どくん、どくん、とそれは鳴る。その音を頼りにすれば自分はどこにでも行けるしなんだってできるのだ、と思った。
仰向けに地面に転がって夜空を見上げる。
星が瞬いている。
(オレはあの星ぜんぶに新しい名前をつけてやることだってできるんだ……!)
そう考えると、再び胸が高鳴りはじめた。ふとルビアの顔が思い浮かんだ。隣にルビアがいればいいのに、とカイウスは思った。今なら証明できるような気がした。
背はオレのほうが高い。
力もオレのほうが強い。
走るのだってオレのほうが速い。
(要するにオレはもう立派な大人ってことだ……!)
テイルズ オブ ザ テンペスト 輝きの章
金月龍之介 イラスト/いのまたむつみ・松竹徳幸
定価580円(税込)
少年はひとつ、大人になる
獣人化して、養父を殺めてしまったと苦悩するカイウス。自らの中にいる獣を嫌悪するカイウスを、仲間たちは優しく受け止める。しかしルビアは、両親が殺されたときのことを思い、再びレイモーンの民への疑念を抱きはじめる…。そして明かされる過去の秘密! 大人気ゲームノベライズ完結編!!
アーリアはルビアの髪を優しく撫でた。
「わたしひとりでやってみたいの。――ううん。たぶん、わたしひとりでやりとげなくちゃいけないんだと思う。あなたたちを裏切った罪を償うために。アルバートと決別するために。そして運命と戦う意思をわたし自身に示すためにも。わたしはわたし自身の力で『テンペスト』を成功させなくちゃいけない。そうしないことには前に進めないような気がするの。たぶん、これがわたしの最後のチャンスなのよ。ここでペイシェントに頼ってしまったら――あなたの優しさに甘えてしまったら、わたしはもう明日から鏡を見ることもできなくなってしまう。そこに映るのはわたしではなく、弱くて醜い怪物でしかない。――わかってる。これってわたしのわがままよね。つまらない意地のせいでみんなを危険に晒している。でも。ごめんなさい。わかってちょうだい、ルビア?」
「お姉様……」
「まだ“お姉様”って呼んでくれるのね」
アーリアは微笑んで、再び詠唱へと戻った。
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(C) いのまたむつみ・松竹徳幸/集英社
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