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反逆者(トリズナー) 〜ウンメイノカエカタ〜
弥生翔太 イラスト/藤真拓哉
定価670円(税込)
第7回SD小説新人賞佳作!
運命は変わる。俺が変える。
『進化薬』と呼ばれる薬物によって驚異的な力を手に入れた『先駆者(ハビンジャー)』が存在する世界。立花浩平は、『先駆者』として特別治安維持局に任務にあたる高校生。他者の死を見る予知能力を持つ浩平はある日、一人の少女の死を予知する。その直後に護衛の任務を与えられるが、対象として現われたのはその少女、シア=ヴァレンタインだった! 第7回SD小説新人賞佳作受賞作!
モノクロ  「浩平くん、黄昏ちゃってどぉしたの?」
 声は右から。浩平が波間を眺めて背を預ける指揮車の中、扉を開けて痩身が外に出てくる。
「ぼーっとしてないでちょうだいよ。いざという時に出遅れられても困るんだから」
 惚けた気の抜ける口調は渋い声音で届くものだから耳に心地悪い。聞き慣れた声に苦笑で応じ、浩平は肩をすくめる。
「気持ちの切り替えしてたところだよ。心配しなくても、出番がきたら死ぬ気で働くさ」
「粉骨砕身の覚悟で働くということだね。うんうん、結構結構。今時、感心な若者だね」
 ?」
(中略)
 轟、と豪風をまとった一撃が大地を粉砕する。
 肌を掠める至近で風を体感した浩平は、迸る殺意に唇を湿らせ、自身の戦意を高めていく。
 ――日常が、非日常に本格的にシフトする瞬間だ。
 危機的状況に呼応するように全身に火が入り、五感の全てが研ぎ澄まされていく。聴覚が砕け散る大地の一片一片の衝突音を捉え、嗅覚が漂う血臭を濃度まで伝え、味覚が殺意に乾いた独特の空気を味わい、触覚が見えない威圧感までもを如実に感じ取る。
 そして一秒前より鮮明になった視界に映し出される世界――浩平が相対するのは赤銅色の巨体でこちらを睥睨(へいげい)する、まさに異形。

   「――そうか、嬉しいか。だよな、化け物同士の喰らい合いは楽しいもんな」
 浩平もまた暴力への耐え難い誘惑と、血と破壊を渇望する己の心に従って、
「さあ、やろうぜ――反逆者(トリズナー)」
 臨戦態勢に入った身体で己の力をふるうことへの歓喜に――浩平も笑う。
「お前の限界の向こう側を見せろ!」

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反逆者 2 〜アシタノツクリカタ〜
弥生翔太 イラスト/藤間拓哉
定価620円(税込)
運命を変え、明日を作れ!
新人賞佳作シリーズ、第2作!
「先駆者」として、特別治安維持局で任務にあたる高校生・立花浩平に新たな任務が命じられる。それは新しく配属される後輩・北条椿の監査役だった。一筋縄ではいかない椿に悪戦苦闘しながら、シアや愛海の協力も得て、平穏な時間を過ごす浩平。しかし、その時間は再び浩平の「未来視」によって崩壊する。そこに見えたのは、無残に殺される同僚・雪村舞夏と、血にまみれた椿の姿だった! 未来を変えようと動き出す浩平だが、その意に反し、椿は予知した運命への歩みを始めてしまい――
モノクロ 「爆弾爆弾言われていい気分じゃないけど……つまり、俺に何をさせたいんだ?」
 身の証を立て、潔白を証明しろということだ。それが言葉でないなら答えは一つ。
 浩平の答えにハワードは満足げに頷き、背後の少女を手招きした。数秒間ためらって、少女はおずおずとバスカヴィルの後ろから前に出る。
 艶やかな黒髪は腰に届くほど長く、透き通る白い肌とのコントラストが鮮やかに映える。格好は大人しい印象だが、その衣服を内側から押し上げる女性的な起伏が存在感を主張している。黒目がちの大きな瞳は穏やかだが、微かに表情が硬いのは緊張している証拠か。
 その整った容姿は人目を引くのに十分だが、何よりも印象的なのはその存在感だ。先ほどのバスカヴィルに匹敵する濃密な人外の気配――。
「彼女の名前は北条椿。お気付きの通りウォーリアです。このたび、新たに日本支部に配属になる期待の新人です。立花氏には、彼女の監査を担当していただきます」
「監査……か」

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(C)藤真拓哉/集英社

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