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ゼランディーヌ
〜性悪ないばら姫〜

嬉野秋彦 イラスト/緋鍵龍彦
定価650円(税込)

ゴシックガールズ(?)アクション、開幕!
雨がそぼ降る王都。家出同然に上京した田舎娘・ひなこが出会ったのは、何でも屋を営む謎の美女・ロジーヌと、超自己中な超美形・すめらぎだった。二人の仕事を手伝うハメになったひなこは、やがて王都に蔓延する奇病“ゼランディーヌ”に関する事件に巻き込まれて――!?
モノクロ 「似合ってるじゃない、それ」
「あの」
 すめらぎのホメ言葉を無視し、ひなこは尋ねた。
「着替えを借りておいてこういうことをいうのもアレなんですけど……これ以外になかったんですか?」
「あれ? 気に入らなかった?」
「わたしは田舎者なんで、こういうものを着る習慣とかありませんでしたし」
 当てつけのつもりでそう答えると、ソファに座って海外のファッション誌をめくっていたロジーヌが、大袈裟に肩をすくめて冷笑した。
「こっちにだってないわよ、そんな習慣。普段着にそんなもの着てる子なんていないわ。それは単なるすめらぎ のシュミよ」
「いやー、ボクのコレクションの中にサイズが合うのがあってよかったよ、ホント」
 湯気を立てるティーカップを片手に、すめらぎはあっけらかんと笑ってひなこの周りをめぐった。前から後ろから、さまざまな角度から無遠慮にじろじろとひなこを見つめ、エメラルドの瞳を細めて何度もうなずいている。
「うーん、やっぱりトルソーに着せて飾っとくより、生身の女の子に着てもらうほうがずっといいなァ。ロジーヌはこういうの絶対に着てくれないもんなあ」
「じっ、じろじろ見ないでください!」
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(C)緋鍵龍彦/集英社

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