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15×24 link one せめて明日まで、と彼女は言った
新城カズマ イラスト/箸井地図
定価670円(税込)
“自殺”を扱った衝撃ライトノベル!
高校生・徳永準が書きかけた自殺予告メールがネットに流出。友人・笹浦は東京のどこかにいる彼を見つけ出し、自殺を止めるために捜索隊を結成。チェーンメールのようにどんどん広まっていく徳永のメールを読んだ彼を見知らぬ少年少女たちが、携帯電話で連絡しあいながら大晦日の街を駆け回る! ライトノベル史上〈もっとも長い一日〉。
モノクロ 『あのね。コーくん。キミ、わたしのこと、どのくらい大事?』
「だから二十四時間かける三六五日ぐらい。とりあえずは。って前にも言ったでしょ」
『よろしい。それじゃ、その二十四×三六五の価値がある人間のために、徳永って子の自殺を止めてきて』
「ちょっ……はい!?」
 いかん、今度はキムタクの物真似になっちゃった。つーか同じ木村ならキム兄のほうがオレ尊敬してるんですけど。
「はあ!? なんすかそれ。止める? なんで? ジサツをトメテって?」
『だ・か・ら』
 しのぶさんの声、なんだか遠いようで近かった。
 冗談でもなんでもない、怒ってるんでもない、相手の弱みを握って操ろうとする『年上のカノジョ』でもない。
 なんだか――そうだ、哀しそうな声だ。
 どうやらオレ、しのぶさんの中のなんか大切なスイッチを、押しちゃったみたい。
『わたしと今日会いたかったら、そのトクナガくんの自殺を阻止してきて。
 ううん――阻止しようとがんばってみて。
 わたし、誰かが死のうとしてるのがわかってて、キミとハッピーな時間をすごすなんてこと、できやしない。一緒にいても、きっとわたしは、誰かがどこかで死にたがってるんだってことを心配して、心配して、すごく心配して、きっといつかコーくんのことを薄情だって思うようになる。
 キミがどういう性格か、ちゃんと理解してて、納得してて、それでもやっぱりそうなると思う。
 だって、わたしはそういう人間なんだもん』
「だっ……」
『だから、彼が死ぬのをやめさせるために、時間を費やしてきて』
「…………」
『ずっととは言わないよ。成功しなくてもいい、努力だけで。証拠もいらない。努力してきたよっていうキミの言葉を、信じるから。でもそれまではキミと顔をあわせない』
「…………」
『彼が死にたいって思う気持ちを、せめて明日まで、遅らせようとしてみて。わかった? じゃね!』

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15×24 link two 大人はわかっちゃくれない
新城カズマ イラスト/箸井地図
定価700円(税込)
前代未聞、1・2巻同時刊行!! 第2弾!
徳永準は自殺サイトで知り合った〈17〉と出逢うために必死で連絡をとりつつ東京をさまよう。一方、捜索隊のトウコとミツハシは謎の男・ファブリに拉致され、「持っている携帯電話を渡してくれるかな?」と脅されていた……。
モノクロ 「よしわかった。じゃ、ゲームをしよう」
 彼の右手が膝を叩きます。
「知ってるかな。〈洞窟ゲーム〉っていってね。性格診断みたいなパーティー・ゲームだよ、そんなに緊張しないで。
 おじさんが、二択の質問を三つ出す。それを君たちが答える。正しい答えを三回連続で選べば、君たちの勝ち。ひとつでも間違えたら君たちの負けだし、君たちのほうから質問したり訊き返したりしてもその時点でゲーム終了、自動的に負ける。『いまなんて言った?』とか『どこが?』とか『なぜ?』とかね。わかった?」
 すると、ミツハシさんが口をひらいたのです。
「……勝ったら、どんないいことがあんだよ」
「ん?」
「おれたち勝ったら、なにがもらえんだ」
「ああなるほど。うん、そうだな……じゃあこうしよう。君たちのどちらか一人は、五体満足で帰してあげる。この一件が無事に終わってからね」

 ファブリさんの暗示するところを、私は理解しました。
「あ、あの……」
 私の声です。とても震えています。
「……もしかして、当初の御予定では、私たちは無事に帰れなかったのでしょうか?」
「うん。そうだよ」
 ファブリさんは、とても優しげな笑みをうかべます。
「だからおじさん訊いたでしょ、さっき。『後悔しないね?』って。ここまで携帯の秘密を話しちゃったんだもの、指の一本とか目玉の一個くらいは頂戴しとかないと、しめしがつかないよ。
 ようするに、軽くケアするって言えばいいのかな。つまり……うちの団体は本気ですよ、警察に駆け込んだらもっと酷いことになりますよってことを、君たちと君たちのまわりの大人にきっちり理解してもらわないとね。そのためには、体に憶えさせるのが……ほんのちょっとだけケアしておくのが、いちばん効果的なんだよ。そうすれば絶対に忘れない。長年の経験からね。いや、ほんとの話。
 大丈夫、大丈夫。片目ぐらいケアされても死にゃしないって。おじさん上手だから。痛くしないし。けっこう早く済むし。変な病気もないし。援助交際なんかよりは、よっぽど安全だ」

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15×24 link three 「――裏切り者!」
新城カズマ イラスト/箸井地図
定価560円(税込)
連続刊行2ヶ月目! 話は突然…!
〈17〉とネット心中を図るため、徳永準は〈捜索隊〉の包囲網から再び脱出に成功。彼の噂は真実とデマが入り混じった巨大な都市伝説へと化してゆく。一方、謎の男・ファブリも《名簿》の入った携 帯電話を奪回すべく暗躍を開始する――。
モノクロ 「そしてXは最後に、こんなことを電話越しにNに語ったらしい。
 ──人間というやつは、どこをどうしても金になります。生かしても、殺しても。つなげても、切り刻んでも。働かせても、きれいに飾っても。
 金になるのは、支払うやつと受け取るやつがいるからです。その両端があれば金は動きます。どれだけ禁じても、金はどうにかして動く道を見つけだす……それが金というもんです。そして金が動けば人は必ずつき従う……人というのはそういうもんです。
 子供をさらう悪党は、いつの時代、どこの国にもおりました。じゃあどうして、今のこの国にだけおらんと言えますかね?──」

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15×24 link four Riders of the Mark City
新城カズマ イラスト/箸井地図
定価670円(税込)
Fwd:〈トクナガ・ジュン〉の都市伝説、知ってる?
徳永を巡って抗争状態となり、捜索隊を襲い始める五大自警団。明らかになるトウコの秘密。笹浦たちは自警団のひとつ〈遊動〉と人生を賭けた勝負をする。 伊隅とホノカはそれぞれの目的のために、ファブリと連絡を取り始めて――
モノクロ  ですが先生、私はそこでひらめいたのです。
 これはかえって好都合かもしれません。
 彼女を海に落としてしまえばいいのです。これならば返り血を浴びることもありませんし、 吐瀉物や排泄物の後始末をする必要もありません。これです。これが最良の方策です。私は確 信しました。海です、海こそが正解です。海はすべてを受け容れ、すべてを裁くのです。ああ、 これはどなたの言葉だったでしょうか。憶い出せません。ですが、それはまさにこの世の真理 を指摘しているだと私は思います。すべての生命は海から来たのです。そこへ還してあげるこ とに、何の不都合がありましょうか。
「陶子さん、だいじょうぶ? 顔色悪いよ?」
 どこか遠くから、あるいはすぐ近くの耳元で、シノブさんの声がしました。
「ベッドに戻った方が良くない? あのね、みんなこれから船でちょっと湾内一周するみたい。 あたしもね、妹がどうしても行くっていうからついてくんだけど、残りたい人は残っててもい いんだって。陶子さん? 聞いてる? もしよかったら、さっき作ったケーキまだ残ってるか ら、上にもってって──」
「いいえ」私は答えました。「私も御一緒します」

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15×24 link five
ロジカルなソウル/ソウルフルなロジック

新城カズマ イラスト/箸井地図
定価600円(税込)
.@Everybody 降参かな? それじゃあ正解を教えよう
夜明けにもっとも近い刻こそ、闇はいっそう深くなる――〈捜索隊〉に与えられたタイムリミットまで残り数時間。殺人鬼・ファブリの魔の手は、ついに一行を捉える。徳永準の前に現れた少女の目的とは? 深夜のドラマはさらに加速する!
モノクロ  突然──スタジオから飛び出して、アタシは〈捜索隊〉に復帰したくなった。なにもかも放り出して、ビキニのままで、今日初めて知り合った大切な仲間たちのために、東京中を走り回りたくなった。
(おちつけ、おちつけ、オサリバン・愛!)
 これは仕事なんだ。アタシの選んだ仕事なんだ。
 ここがアタシの戦線なんだ。
 だからアタシは歌うんだ。
 ──今のアタシは、こんなことしかできないけど。ビキニ姿の道化師で、見事に鼻フックやりとげて、お屠蘇気分のお茶の間の皆さんにクスリと笑ってもらうのが精いっぱいだけど。
 でも、仲間たちが、がんばってるから。
 どこかできっと、がんばってるから。
 だからアタシも全力で歌う。
 遠い遠い異国(とつくに)の、アタシの遥かなる故郷、遥かなる一族の歌を。

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15×24 link six
この世でたった三つの、ほんとうのこと

新城カズマ イラスト/箸井地図
定価650円(税込)
#15x24 オレらはみんな、
どうしようもなく つながってる
最後の賭けに出る藤堂。究極の試練に挑むマリエたち。笹浦たちが見いだした、東京の奥底に眠る巨大な秘密とは!?〈捜索隊〉は徳永を止められるのか?『完璧な場所』はどこなのか?〈ラノベ史上もっとも長い一日〉がいよいよ完結する!
モノクロ  それを知ってか知らずか、大人というあの不思議な生き物は、子供たちにお話を語って聞かせます。
 正義が最後に勝つお話。
 お姫さまが英雄によって救われるお話。
 たくさんの不幸が、大いなる戦いによって癒されるお話。
 いったいどれほどの子供たちが、そしていつまでも子供じみた大人たちが、そうした物語によって救われてきたことでしょう。
 ですが、わたしは、こんなふうにも考えてしまうのです。
 もしかしたらそれ以上に多くの子供たちが、物語によって傷つき、奪われ、嘲られ、いたぶられ、ないがしろにされ、打ちのめされているのではないだろうかと。
 物語を買い与える大人たちは……そして物語を創り、売っている大人たちは……ほんとうにその収支を計算したことがあるのでしょうか?
 この世に出回っている物語を総決算したとしたら、それは本当に黒字になるのでしょうか?
 それとも……物語を創る楽しさに心を奪われて、彼らはそんなことなど考えもしないのでしょうか?


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