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神剣アオイ
八薙玉造 イラスト/植田 亮
定価670円(税込)
巫女装束の少女との突然のキス!
それが戦いの始まりだった!! 
「鉄球姫エミリー」の八薙玉造 会心の新シリーズ!
ある春の日、高校生・名嘉田幸人は空を舞う巫女装束の少女と出会う。少女を追う異形の者から、命がけで助けようとした幸人だが、彼女は人間離れした身体能力と目を疑うような不思議な力を振るい、それを撃退。幸人はむしろ少女に助けられてしまうことに。しかし、少女は幸人の行為に感激し、幸人にキスをしてしまう。幸人に好意を寄せ、たびたび彼のもとを訪れる少女。異形と戦う少女はいったい何者なのか? 少女の運命を知ったとき、幸人は決意する。護ってみせると。『神剣』と『賓』を巡る物語が、今ここに幕を開く!!
モノクロ  何秒が過ぎたのか、それとも何時間が経ったのか、それすらも理解できない。
 少なくとも、幸人にとって、どうしようもなく長い時間の後、少女が唇を離した。
 唇と唇の間に光る糸が引き、それが切れたことで、ようやく幸人の頭に思考が戻ってくる。
 ファーストキスだった。
 最初に考えたのは、そんなことだ。他に考えるべきことなど、全てどこかに吹き飛んでいた。
「へへ……」
 照れた笑みを浮かべた少女が力を緩める。いまだ身体の上に跨ったままの彼女は、どこか呆けたような表情で幸人を見下ろしていた。
 少女がゆっくりと、幸人の上から降りる。
「……好きになったら、キスするって」
 恥ずかしそうに目を伏せ、フラフラとしながら呟く。
「キ、キスから始まるって……。キスすれば恋するって、そういうものだって……」
 小さな胸を抑え、深く吐息を交えて言う。
「あのね……。これで、わたしに……こ、恋した?」

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神剣アオイ 2 幼なじみと黒猫メイド
八薙玉造 イラスト/植田 亮
定価670円(税込)
「ユキト、大好き!」
巫女少女と幼なじみ。『神剣』の宿命は彼女たちに何をもたらすのか!?
猫踊りを御存知でしょうか? と、坂兎たばねは誰彼かまわず尋ねたくなった。その日、彼女は飼い猫のクロが踊っているのを目撃した。しかも、その直後クロはメイド姿にその身を変える。彼女の飼い猫は、異世界からの力を取り込み、異形の能力を得たもの、すなわち『賓』だったのだ。
一方、名嘉田幸人はその『賓』と刺し違えるために生まれた『神剣』の少女、アオイとデートをすることになっていた。初めてのデートに幸人は苦労し、アオイは新たに生まれた感情に戸惑う。
少し不思議な日常は、それでも穏やかに過ぎていくように思えたが、『神剣』の使命は、過酷な選択を幸人に迫る!
モノクロ  床下から這い出したメイドが緑色の瞳でたばねの顔をまじまじと見る。
「あ、ああーっ! み、見つかってしまいましたわ! 家宅不法侵入中のわたくし、見つかってしまいましたわー!」
 思い出したように、メイドが叫んだ。
「クロという猫とは全然関係ないわたくしとしたことがー! しかし、こうなってしまったからにはもはやしかたありませんわね。さあ、お嬢様。通報しましょう。猫コスプレ大好きの変なメイドと、そこで倒れている変なおっさんを通報しましょう!」
 興奮してまくし立てるメイドの頭の上で、心なしクロのものと似た三角の黒い猫耳がピンと立ち、黒にほど近い濃紺のフレアスカートの中からは、やはりクロのものとそっくりの二本の黒い尾がはみ出て、左右にバタバタと振り回されていた。

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神剣アオイ 3 過去と未来、交わる剣
八薙玉造 イラスト/植田 亮
定価600円(税込)
少女との別れ!
全てを掴むことは不可能なのか。
少年がその手に選ぶものは!?
『賓』と刺し違えるために生まれた『神剣』アオイ。
少女を生き延びさせるため、名嘉田幸人は奔走していた。
『神剣』の標的となった『賓』・輪火との戦いを、恩師・嵯野の不興を買いつつも、誰も殺すことなく終わらせたり、クロとの一件からぎくしゃくとする幼馴染・たばねとアオイの仲を取り持とうとした幸人の行動は『神剣』と『賓』との関係に、わずかながらでも、よい変化をもたらしていた。
そんな幸人たちを襲った予想外の、しかし、起こるべくして起きた事件が、彼らに致命的な亀裂を生む…。
幸人とアオイ、『神剣』と『賓』の未来はどこへと向かうのか?
『神剣アオイ』クライマックス!
モノクロ 「だけど、僕は。アオイを助けたくて……。『賓』も殺したくなくて……!」
 幸人の言葉は遮られた。
 たばねがいきなり幸人の頭を抱え込み、抱き締めたのだ。
 彼女の胸に顔を埋められる形になり、幸人は戸惑う。頭の後ろに触れるのは、幼馴染の唇だろう。彼女の肌のぬくもりが、汗の甘い匂いと共に伝わってくる。
「幸人は精一杯やったのよ。だから、誰も責めない。責める奴がいたら、あたしが叩きのめす」
 彼女の吐息が頭を撫でる。たばねの汗なのか、水滴がひとつ、うなじに落ちたのを幸人は感じた。
「これでもね……。心配してるのよ」
 彼女の声にいつもの強さはない。
「幸人がいつどうなるかって……。相手は『賓』。いい奴も悪い奴もいるのはわかってる。だけど、あんたがしてるのは命のやり取りなのよ。あたしたちが足を踏み込む場所じゃないでしょ?」
 ささやくような彼女の言葉は真剣そのものだった。
「たばね……」
「……忘れてしまえばいいのよ」
 ほんの少しの間を置いて、彼女は言った。
「最初からどうしようもなかったことなんだから。だから……。苦しむ必要なんてない。忘れればいいの」
 たばねの言葉が胸の中にできた空虚な部分に染み込んでくる。


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