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白翼のリンケージ
赤井紅介 イラスト/IsII
定価620円(税込)
苛烈な伝奇アクション、降臨!
感染者を異形の化物“イル”へと変貌させる謎のウィルスが蔓延する現代。
夜な夜な“イル狩り”と称して、異形の化物との死闘を繰り返す少年・高遠楓と、女だらけの対感染者部隊に所属する少女・七条明日花。
イルとの戦闘中、遭遇した二人はウィルスの想定外の働きにより、互いの気持ちや痛み、そして死までも共有する“リンク”に繋がれてしまう!
離れることはできず死ぬ時は一緒…。
一蓮托生の身となってしまった二人の運命は!?
伝奇バトルエンターテイメント、堂々開幕!!!
モノクロ  石の巨人はおれを振り落とした後も豪腕を振ることをやめず、ビルを薙ぎ払い、道路標識を倒して咆吼を上げ、地団駄を踏んでアスファルトを砕く。どこかから大きな悲鳴が上がった。
 ここには逃げ遅れた人も多くいる――!
 そもそも戒厳令の基本は自宅待機だ。街から戒厳令地区の外にまで逃げられるのは、ごく一部の人たちでしかない。前々から思っていたが、避難勧告にして欲しいところだ。
「やあっ!」
 明日花は暴れまわる石の巨人両足を器用に躱しながら走り、鉄パイプを振るい続けている。見ている限り、あいつにもおれと同じ肉体変化が起こっているようだ。
 おれは地面を蹴って疾走する。その気になれば、どこまでも速く走れる気がした。
「やっ、たあっ!」
 振るわれた豪腕を躱して、明日花が石の巨人の顎を狙って鉄パイプを弾き上げた。石の皮膚が破壊されて飛び散るが、イルにとってはそんなもの、かすり傷にも入らない。数秒後にはもう傷一つない。
「だらぁッ!」
 折れた金属バットで明日花が削った石の巨人(カブラカン)の顎を狙う。

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白翼のリンケージ II
赤井紅介 イラスト/IsII
定価580円(税込)
三つ巴の死闘! 因縁を断ち切れ!!
ウィルスによって異形と化した存在“イル”が跋扈する現代。感染の副作用で高遠 楓と七条明日花は互いの命を共有する“リンク”に繋がれてしまう。吸血鬼の血を持つ少年・クルトとの激闘後、自身の力不足を二人は痛感する。師匠・紀尾井竜玄の元で、修行を開始するが強くなっている実感も湧かない日々を送っていた。そんな中、イルと戦う二人の前に顕現した暗黒のイル。それは楓が追う仇敵・K金のイルだった! 怒り、悲しみ、そして歓喜が、楓を無謀な戦いへと駆り立てる! 一方、クルトたちも障害となるK金のイルを始末すべく動き出す――。白熱の剣戟伝奇第2章!!
モノクロ  おれは疾走しながら左手親指で納刀された撫鷲の鍔を弾き上げ、柄をつかむ右手から余分な力を抜く。
 濡猫を掲げて空から降りつつある明日花。彼女を狙って着地点へといち早く辿り着き、前足の鎌を広げる鎌鼬(ウエンレラ)。その背後から静かに迫るおれ。
「へへ。これでさっきのは帳消しな、楓っ」
 うるせえ、バカ! こんなもん作戦でもなんでもねえ!
 明日花が悪戯な笑顔でアスファルトに降り立った瞬間、おれは鎌が彼女の肉体に食い込むよりも早く、霊刀撫鷲を抜刀した。
「イァッ!」
 撫鷲の刀身が鎌鼬(ウエンレラ)の胴体部を通過する。パン、と真っ赤な血液が舞い散って、鎌鼬(ウエンレラ)が声もなく赤い軌跡を空に残しながら吹っ飛んだ。四つの足で着地することもできず、アスファルトに胴体から落ち、勢い止まらずに転がってゆく。
 斬った。重要な臓器を避けて、血管の多く集合している場所を。
 ――キィィ……!
 鎌鼬(ウエンレラ)がその場で苦しげに足をばたつかせ、立ち上がろうとして再び倒れ込む。おそらくイルとしての深度はレベル3。ならば、これで勝負は決した。あいつはもう動けない。あとは投薬銃の到着を待つのみだ。……が!

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白翼のリンケージ III
赤井紅介 イラスト/IsII
定価630円(税込)
最終決戦! その先に待つものは!?
剣戟伝奇アクション、完結!!
最凶のイル・K金を撃破し、季節は冬へと変わろうとしていた。
K金の正体について喧嘩をしてしまった楓と明日花。そこへ“リンク”という名の呪いを与えた銀狼が、昏睡状態から回復したと報せが入る。 呪いの解除のために銀狼の元へと向かうがそこで、隔離街、そして隔離街の住人の真実を知ってしまう。すべてを知った楓たちは、イルの源・真祖を倒すべく、入れば二度と出てはこれない、隔離街への潜入を決意する――。楓たち内調、隔離街の住人であるクルトたち、そしてイル。未来を懸けた決戦の火蓋が切って落とされる! 伝奇剣戟アクション決戦の最終巻!!
モノクロ 「……楓はさ、“リンク”が解けたらどうする? もう一緒にいる必要もなくなっちゃうんだ
よ。あたしの中のこの寂しいって気持ちも、やっぱり“リンク”のせいなのかな。もしそうだったら……、消えちゃったらヤダな……」
「そりゃあ、あんだけケンカばっかりしてたんだから、寂しくもなるさ」
 明日花が不機嫌に唇を尖らせた。
「……そんな言葉が聞きたいわけじゃない……。あたしはオマエのことを好きなままでいたいって言ってるんだよ」
 おれもだよ。全っ然、まったく、びっくりするほどタイプじゃない明日花のことを好きなままでいたいって思ってる。だけど、やっぱりまだ言っちゃいけない言葉なんだ。
「そりゃどうも」
「なにさっ、素っ気ない態度取ってたって、あたしにはオマエの気持ちくらいわかるんだからなっ」
 おれの肩でムクれて黙り込んでしまった明日花には視線を向けず、星空を見上げながら深呼吸をした。
 本当の気持ちは、やっぱりまだわからない。でも、これくらいは言ってもいいだろう?
「ここから生きて出られて、銀狼の寿命が尽きて“リンク”が解けたときに、もしもまだ今と同じ気持ちでいられたら、おれはおまえに言いたいことがある。今はまだ、これくらいしか言えねえ」


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