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くずばこに箒星
石原 宙 イラスト/月神るな
定価600円(税込)
第10回スーパーダッシュ小説新人賞大賞受賞作!!
“くず”が輝くとき、願いはかなう。
廃墟の遊園地を流用してつくられた不思議な高校、了星学園。グレードチェア制度という特殊な序列システムの上、首席を目指す2ndチェア福山英知は、学園の屑≠ィそうじ部へ潜入調査をすることになる。彼女らが隠れて探すものの正体を探るためだ。水川小花ら、厄介者揃いのおそうじ部員に翻弄されつつ、変人揃いの上位席者チェア・オブ・シックス≠フ策謀も振りかかり、英知は下位席へ転落寸前。そんな中、遊園地復活を期する記念祭を迎え、おそうじ部の意外な探しものが発覚する。それは自分の過去に埋もれる英知に関わるもので…!? 青春おそうじスペクタクル!
モノクロ  部室に到着すると、越前なつきがすでに準備を整え、ソファに腰かけていた。
 彼女は英知を見るなり引き攣った笑顔を浮かべ、何とか声をかけようと試みる。
「い、いらっ……いらっしゃ……」
 しどろもどろでなかなか言葉にならない。しかしついに意を決し、
「おとといいらっしゃい! 福山くん」
結局挑発的な挨拶をした。惜しかった。頭の四文字さえなければ上等だったのに。わざわざ「おととい」が滑り込んできたせいで、喧嘩上等に早変わりだ。
 ちらりと鳥かごを見ると中身は空で、どうやらオキナはお出かけ中らしい。
「福山くんはここのロッカーを使ってね」
 と、小花が英知の制服の袖を引き、案内してくれた。丁度四つしかないロッカーの左から二番目が英知のものらしかった。小花はその右隣のロッカーに自分の荷物を置くと、中のハンガーにかかっていたエプロンを鼻唄混じりに引き出した。
 部屋の隅の、おそらく粗大ゴミを拾ってきたらしい傾いた姿見を見ながら、ご機嫌な様子でそれをつける。腰を紐で縛るタイプだった。アイボリー地に小さな苺柄がいくつもプリントされていて、胸や裾にフリルがついた可愛らしいデザインだ。
 掃除人というより、キッチンに立つ若奥様といった感じ。
 よく見ればなつきもすでにエプロンをつけていた。白とオレンジのチェック地で、Xネックのワンピースタイプ。こちらも明るくて可愛らしい。

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くずばこに箒星 2
石原 宙 イラスト/月神るな
定価670円(税込)
「いつでも、ずっと、そばにいる。」

「メイドロボ」と機関車をつなぐ記憶。
第10回スーパーダッシュ小説新人賞大賞受賞シリーズ第2弾!
おそうじ部の一員として1stチェアを目指すと決めた英知。そこへ、ミュール=レストと名乗る不思議な少女がダストシュートから降ってきた。記憶のない、自称『棄てられたメイドロボ』の彼女は『ご主人』を探してほしいと英知たちに依頼する。一方、匠は取り壊しの危機が迫る蒸気機関車を再び走らせようと必死だった。裏で糸を引く謎の組織とおそうじ部は対峙し…?過去をもがれた少女と動かない機関車が出会う時、再び学園に奇跡が起こる――遊園地跡地の学園で起こる壮大な青春おそうじスペクタクル!
モノクロ 「ですから、わたくしはメイドでございます。メイド。ご存じありませんか? メイドと申しますのは、専ら家事労働を雇われて行う女性使用人のことであり、近代以降、イギリスを中心に急激に増加し――」
「あぁ、わかった。わかってるよ。メイドだろ。それはわかってるけど、なんでメイドがダストシュートから降ってくるんだ?」
 突然の闖入者、しかも見るからに奇特な少女が相手だ。なので匠はよくわからないが、小花となつきの二人は警戒気味で腰が引けていて、仕方なく英知がミュール=レストと名乗る少女に応対していた。
「ですから、足を滑らせてしまっただけでございます。別に空から降ってきさえすればヒロインの座を奪えるかも、とかそういった打算的な演出を狙ったわけではございません。ご理解いただけますか?」
「あ、ああ、理解できるよ。それはわかった」
「恐れ入ります」


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