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しろつく 姫奈のゆるゆる漫遊記
かみじま柚水 原作/株式会社ケイブ イラスト/ぜろきち
定価600円(税込)
ゆるゆるに頑張ろう!!
『しろつくの世』──それは、名だたる武将たちが同じ時を生き、刀を交える世界。
彼らの目標は、異世界からの使者『城主』に仕え、各々の理想の国を築きあげること。
そんな不思議で奇妙な世界に、歴史が苦手で天然ボケの女子高生・深海姫奈が城主として迎え入れられる。そして、腹ぺこ武将とダサ兜武将に囲まれた姫奈の城主生活はどこへに向かうのか――?
大人気ソーシャルゲーム、初のノベライズ化!
モノクロ (……お団子と間接キスでお爺さんの命を救えたんだから安いもんだもん。これしきのことを気にするなんて人間小さいしっ)
 姫奈が自分を納得させようと強く言い聞かせたそのとき、携帯のアラームが鳴った。
 自由時間も、もうおしまい。
 また、クラスごとにバスで行動しなくてはならない。
「では、そろそろバスに集合しなくちゃならない時間なので失礼します」
 その場を離れようとした姫奈だったが、爺の手がはしっとブレザーの袖を掴み、彼女を引きとめる。
「待ってくだされ! 爺の一生の頼みを聞いてくださるのではなかったのですか!」
「いえ、だからその……さっき……お団子を……」
 それと初めての間接キス……という言葉は姫奈は、口にしたら負けな気がして、ぐっと呑みこむ。
「それはそれ、これはこれ! ですじゃ」
 キリッと顎に手を当てて、爺はドヤ顔をキめる。
 口の端っこにピンク色の団子のかけらをつけたまま──
「一生に一度って二度も三度もないはずじゃ……」
 厄介な人に構ってしまったかも……とイマサラ気付いた姫奈だったが後の祭り。
 爺は狙ったターゲット逃すまじと姫奈の手を両手で握り締めて身を乗り出してきた。
 そのつぶらな目には涙の膜が張っていて、姫奈はたじろいでしまう。


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