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テルミー きみがやろうとしている事は
滝川廉治 イラスト/七草
定価540円(税込)
少女に宿るのは二十四人の想い
悲劇からはじまるやさしい物語、ぜひお読みください。
修学旅行での事故で失われたひとつのクラス。
当日欠席したことで事故をまぬがれた少年・清隆は、ただひとりだけ生き残った少女・輝美が、亡くした恋人の遺品を持ち出したことに困惑する。
問いかける清隆に輝美は、自分の中に亡くなったクラスメイトたちの最期の願いが残されていることを伝える。
少女はその想いをかなえようとしていたのだ。
清隆は自分にも手伝わせてほしいと申し出るが…。

悲劇から始まるやさしさの物語、開幕します。
モノクロ  戸惑う清隆をとりあえず無視して、鬼塚さんは両手のグローブを外し、代わりにスカートのポケットから、詩帆の指輪を取り出した。
「あっ、それは──!」
 驚く清隆をやはり無視して、鬼塚さんは指輪を左手の薬指に填める。鬼塚さんの指の大きさは詩帆と同じだったようで、まるで彼女のために誂えたようにぴったりと填まった。
 さすがに温厚な清隆も、頭に血が逆流するのを覚えた。大切な思い出の品を勝手に私物化されて、腹が立たないわけがない。
 しかし、血相を変え、注意しようと詰め寄る清隆の目の前で、またしても鬼塚さんの雰囲気が劇的に変化した。
 清隆にとってひどく懐かしい、親しみを感じる表情。穏やかで、品が良くて、一緒にいると素晴らしく心が落ち着く、冬の陽だまりのような優しい女の子。
「清隆くん……なんだか、ずいぶん久しぶりだね」
 鬼塚さんは親しげに清隆の名前を呼び、今にも泣き出しそうな顔つきで、心からうれしそうに笑っていた。

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テルミー 2 きみをおもうきもち
滝川廉治 イラスト/七草
定価650円(税込)
ベニー松山、激賞!!
こいつら、『成長』しているぞッ!

死者の想いを叶える少女。彼女が望むものは…?
事故で亡くなった二十四人のクラスメイトの最期の想いを背負う少女・テルミー。事故を免れた少年・清隆と共に、テルミーはクラスメイトたちの願いを叶えるため、その身に宿った彼らの能力を支えに、走り出す。薔薇を育てていた少年が伝えられなかった想いを届けるために。主演女優と脚本家の二人を失った映研部にもう一度映画を作る喜びを思い出してもらうために。悲しみとやさしさが奏でる物語、第二章をあなたに贈ります。
モノクロ  清隆が弁当を取り出して机の上に置いたところで、一人の女の子が親しげな笑顔を浮かべて近づいてきた。
「ね、ねえ灰吹くん。良かったら、お昼はみんなと一緒に食べない?」
「え?」
 別に驚くような申し出でもなかったが、清隆は急に誘われた事と、相手の顔に見覚えがないという二つの理由で、少し戸惑ってしまった。
 月之浦高校の制服を着ているのは当たり前として、可愛いタイプの女の子だった。大きくて優しそうな目が、何かを期待しているようにきらきらと光っている。
 自然な感じで薄く赤みの混ざった髪を、セミロング程度まで伸ばしている。どことなく半端で、まだ伸ばす途中という印象だ。清隆にとって、どこかで見た事のある髪型だった。
「ほら、あっちで席をくっつけて準備してあるでしょ。これから夏休みとか学園祭とかもあるんだし、折角だから新しいクラスのみんなとも、ちょっとずつ仲良くなってほしくて」
 女の子はぎこちない笑顔を浮かべ、腰の後ろに回した手をしきりに組み直している。なんとか隠そうとしているが、ずいぶんと緊張している様子だ。ふと視線を横に逸らし、鬼塚輝美の存在に気づくと、その女の子は慌てて言葉を足した。
「も、もちろん、鬼塚さんも良ければ、ぜひ」


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