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テルミー きみがやろうとしている事は
滝川廉治 イラスト/七草
定価540円(税込) |
少女に宿るのは二十四人の想い
悲劇からはじまるやさしい物語、ぜひお読みください。 |
修学旅行での事故で失われたひとつのクラス。
当日欠席したことで事故をまぬがれた少年・清隆は、ただひとりだけ生き残った少女・輝美が、亡くした恋人の遺品を持ち出したことに困惑する。
問いかける清隆に輝美は、自分の中に亡くなったクラスメイトたちの最期の願いが残されていることを伝える。
少女はその想いをかなえようとしていたのだ。
清隆は自分にも手伝わせてほしいと申し出るが…。
悲劇から始まるやさしさの物語、開幕します。 |
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戸惑う清隆をとりあえず無視して、鬼塚さんは両手のグローブを外し、代わりにスカートのポケットから、詩帆の指輪を取り出した。
「あっ、それは──!」
驚く清隆をやはり無視して、鬼塚さんは指輪を左手の薬指に填める。鬼塚さんの指の大きさは詩帆と同じだったようで、まるで彼女のために誂えたようにぴったりと填まった。
さすがに温厚な清隆も、頭に血が逆流するのを覚えた。大切な思い出の品を勝手に私物化されて、腹が立たないわけがない。
しかし、血相を変え、注意しようと詰め寄る清隆の目の前で、またしても鬼塚さんの雰囲気が劇的に変化した。
清隆にとってひどく懐かしい、親しみを感じる表情。穏やかで、品が良くて、一緒にいると素晴らしく心が落ち着く、冬の陽だまりのような優しい女の子。
「清隆くん……なんだか、ずいぶん久しぶりだね」
鬼塚さんは親しげに清隆の名前を呼び、今にも泣き出しそうな顔つきで、心からうれしそうに笑っていた。 |
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