第5回集英社ライトノベル新人賞ゲスト審査員講評

アニメ監督 藤原佳幸氏

どの作品も、設定が作り込まれていて楽しく読めました。ただキャラの魅力は読み進めていくうちに愛着も湧き、キャラ同士の掛け合いなどで楽しくなるのですが、それは最後まで読んでもらえることを前提とした作りであって、そうでない読者に対してどうアプローチしていくのか・・・"キャッチ―さ"が足りないと感じました。

Reroll!!
導入部分にこの作品の設定の出し方と、ストーリー展開と主人公の感情ラインにやや迷走感を覚えましたが、作り込まれている世界観とそれを物語とリンクさせ終盤にまとめ上げられていく様は、尻上がりにテンポがよくなり小気味が良かったです。見せたいところと読者の読みたいところは同じなので、それ以外のところで力を抜いた方が、メリハリが効くと思いました。
断界魔装のパラダイム・シフター
とてもすっきり読みやすい作品でしたが、個性という部分で少しパンチが弱いかな・・・という印象を受けました。一つのギミックで物語を不自然なく進行させる構成力があるのと、キャラの配置がきれいには当てはめられているので、ポイントゲッター的なバランスを崩すキャラをいれるとエンターテイメント性が増して、記憶に残りやすいと思いました。

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