第7回集英社ライトノベル新人賞最終選考結果発表!

厳正なる審査の結果、以下1作品が受賞となりました。

特別賞

『エコー・ザ・クラスタ』森月 真冬

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受賞者コメント

エコー・ザ・クラスタ

森月 真冬(もりつき・まふゆ)(35歳)
【著者プロフィール】
1982年生まれ。東京生まれ、東京育ち、東京在住。
【受賞コメント】
受賞の電話をもらった時は寝ぼけてポヤーっとしてたのですが、電話が終わってしばらくしてから、「わあ、金賞か。これって、とてもすごい事だなぁ。僕、 たくさん頑張らないとなぁ」としみじみ思いました。
この、エコー・ザ・クラスタ……最初に形になった時は、ちょっぴりグロくて怖い系の漂流ストーリーだったのです。しかし、別解釈で愛に溢れた作品にしたい と思いまして、ラブコメとして主人公の名前以外、全面的に作り直しました。
その結果、こうして金賞の栄誉を受けることができましたので、実に感慨深く思っております。一生懸命にやった甲斐がありました。
僕が、本格的に文章を書くのを趣味にし始めたのは6年ほど前からで、スキマ時間を使ってちょこちょこ作品を書いていました。

小説を書くのは楽しいです。

趣味を仕事にするなとは、よく耳にする言葉ですが……その道が拓けているのに、飛び込まない者がいるのでしょうか?
そして僕の作品を読んで、評価してくださった方々には、心からお礼を申し上げたいと思います。

ありがとうございます!
とっても嬉しいです。
【作品あらすじ】
「く、くまたすー」
宇宙港で中性的な少年が、大勢の人たちに取り囲まれ、非常に恥かしいポーズを強制されている。彼こそが、狛犬アカネ……この物語の主人公である。
何ゆえ彼は、こんな思いをする羽目になっただろう? それを話そうと思うのだ。
時は、地球人が宇宙に進出して854年……片道ワープ技術のユーリカと、驚異的な繁殖力で、銀河でもっとも繁栄した種族となっている。そんな中、辺境国のツキムラクモと神聖アルビオーノ王国は、とある資源星を巡って泥沼の戦争を続けていた。
ツキムラクモ軍の少尉である狛犬アカネは、機動兵器の雪鯨を操って待ち伏せ・奇襲を行う部隊、たった五人の風花小隊に所属している。
だが彼は戦闘中、敵の攻撃により遭難してしまう。周囲には無線やレーダーを妨害する粒子が充満し、通信も移動も不可能……唯一、ユーリカを使った、特殊な片道のSOS発信のみ可能という、絶体絶命の状況である。アカネは生き延びるため、今まで戦っていた敵の女兵士のリリスと休戦し、元の宙域に戻る道を探すのだった。
両者の機体は半壊。そこで正常部を組み合わせて一体を作る、ニコイチを考案する。幸いにも雪鯨のエネルギーは無限エンジンに近い物で、時間さえかければ帰還は確実である。
帰還まで、およそ四十日余り……。
生存空間は安定、食料も十分にあるので、二人は協力して生きる約束をする。時に疑心暗鬼になりつつも、半ばダラけた共同生活を送るうち、奇妙な友情を育んでいくのだが……?
これは、一人の純粋な少年が銀河の果てで絶望の中、愛を見つけて世界を笑顔にするまでを描いた、感動のドラマなのである!