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祝!!完結!!!銀盤カレイドスコープ 今月の2冊同時刊行で、見事にフィニッシュを決めた 『銀盤カレイドスコープ』。ひとりでも多くの方に読んでもらいたいと思い、 ここに特集を組みました。
インタビューコーナー

銀盤カレイドスコープ終了記念として、海原さんにお話をうかがいます。
まずはお疲れさまでした。分厚い2冊ですね。

 ありがとうございます。随分長くなっちゃいました。
 ですがその分内容も充実。海原零の真骨頂がここに――そんな感じですよ、フッ…フフ、フフフハハッ。

……あれ、誰も突っ込まないんですか?


第二回SD小説新人賞で大賞受賞した『vol.1』『vol.2』から考えると、この『vol.8』『vol.9』ではずいぶん雰囲気が変化していると思いました。
『圧巻』という感じです。
このラストの流れは、応募作執筆当初から想定していたとおっしゃっていましたが、本当なんですか?

 いえ、応募作を仕上げて出して、選考結果を待つ間です。
 最終選考に残ったあたりで、ほとんど夢物語だったプロデビューがにわかに現実味を帯び、妄想ついでに浮かんだのが今回のお話です。骨格は当時の構想のままです。
 もし雰囲気が変わったとすれば、なんの確信もないままに賞を目指して書いたものと、ひとつのシリーズとして地盤を固めた上でプロとして書いたもの……その差かもしれませんね。


今月の2冊のカバーイラスト、すごいですね。
そして、念願かなってステイシーがイラストになりました。

 いやもう感激ですよ。表紙絵だけで買う価値は十分です。断言します。100億ドルのイラストです。
 待望のステイシーも素敵です。なにしろ某●●メでは存在そのものを無視されて……。


中田英寿さんのように、この後は世界各地を放浪ですか?
それともすぐ次のお仕事にかかられるのでしょうか。

 そうですね。世界各地を放浪すると、その間のアニメが見られないので困ります。
 まあデビュー以来徹底的に引き籠もってますし、執筆中はほとんど本が読めなかったので、『読書の冬』と洒落込みつつ次の構想を……。


ありがとうございました。

 ……え、もう終わり? ああ、派手にスベる前にってコトですか。
 編集部も引き足が早いですね。ちっ。
『銀盤カレイドスコープ』完結に寄せて
編集長 丸宝記す

 海原零さんの『銀盤カレイドスコープ』が今月発売の第8巻、第9巻同時発売で完結した。
 この原稿は、14日に書いているが、私は当然校了で読んだ。色々な思いが去来して、熱い気持ちになったので、彼と作品のことを書こうと思います。

 『銀盤カレイドスコープ』は2002年の第2回スーパーダッシュ小説新人賞に応募。2003年春に大賞を受賞して、2003年6月に最速で第1巻、第2巻同時出版されました。海原さんの応募原稿は約700枚。規定いっぱいです。最初に新人賞担当からこれが候補作のひとつです、とドンと渡された時は正直「いやはや700枚か、長いな」と思ったことをよく覚えています。
 『銀盤カレイドスコープ、作・EL星クーリッジ(えるせいくーりっじ)』だったと思います。
 長いだけでなく、ふざけた名前。即座に「名前は変えてもらおう!」と、考えました(笑)。
 ただし、応募作が回ってきた時に、途中審査に携わった某ベテラン関係者が「今年はこれで決まりでしょう!」と力強く発言したこともよく覚えています。
 一読して面白い! この手があったか! と全部を一気に読んで、700枚の長さを、私も含め選考している誰もが感じませんでした。
 独特の文体。魅力的なキャラクター。今では彼の解説とオリンピックやテレビ等のおかげで、フィギュアに対して少しは知識がありますが、当時は私はほとんど無知でした。それでもぐんぐん読ませるストーリー展開には驚いたものです。
 当時、新人賞の審査員であった阿部和重先生(当時は芥川賞受賞前だった)に激賞の解説を書いていただき、鈴平ひろさんの美しいイラストを得て、出版。さらにはマーガレットで長谷川潤先生にコミックにしていただき、その後テレビ東京で地上波のアニメ、そしてDVDにもなりました。
 テレビ放映の際は、今をときめく浅田舞さんに「おもしろい! コーチも友達も読んでます。フィギュアの技術的なことなど、緊張する選手の気持ちをよく分かって書いていますね。完璧です!」(かなり要約)とまで言っていただきました。
 (ちなみにこのコメント取材は私が自ら、地方の某リンクに行きました!浅田舞さん、引き続きがんばってください。応援しています!!!)
 3年間の出版の間にも、ライトノベル関連図書で毎年何度もランクインし、多くの評論家の先生方にもお褒めを頂きました。三村美衣さんには、2003年、本の雑誌のランクでティーンズノベル第2位をいただきました。(第1位は、以前私も担当していたコバルト文庫の『マリア様がみてる』だったはず)

 続編が次々に出版されると聞いて、新人賞審査員の新井素子先生から「ピート(第2巻までの男性幽霊)がいなくなって、続編は書いていけるのかな?』と聞かれたことも忘れられません。海原さんは編集長の私の「ラストがどうなるのか?」の業務命令の詰問にも「それは秘密です(だったか、教えられませんだったか?)。書き上がるまで待ってください』」言っていたし、最終巻の原稿が遅れたので(!)、つい最近まで、結末が分かりませんでした。
 (私の予想ではあのジャーナリストとタズサのラブ、最後にタズサが勝って、『あしたのジョー』のように真っ白に燃え尽きる……、だったのだが……)
 
 思い出は尽きませんがが、結局、海原零という男はかなりの強運な『シンデレラ・ボーイ』であるということだと思います。
 またそれ以上に、私が彼を評価するのは、その男らしさ(これに関しては深くは言うまい。ただし、彼が基本的に徹夜を繰り返してでも、私との約束を守る男であったことは彼のために書いておこうと思います。)を認めているからです。

 加えて、この作品の評価に対して、わたしもずっと不思議だったことを書いておきたいと思います。
 それは、銀盤が『スポ根』ものと位置づけられたことです。「まあ、人がいうから、そうなのかもな」とは思いましたが『ライトノベルでは、スポ根(と帆船モノ)は当たらない』という業界の定説があるらしく、コミックでは野球でも、サッカーでもたくさんあるのに、ライトノベルではスポーツモノは少なかったのです。もちろん、フィギュアは私の知る限りありません。その定説を破ってヒットしたのは、ひとえにツンデレ(?)なタズサをはじめとする キャラクターの魅力と、海原さんの文、そして鈴平さんのイラストだったと思います。
 定説を破ったから「まあいいか」とは思いますが、私自身はこのシリーズをジャンル分けしたことはなく、おもしろい作品にジャンルは不要だと考えます。

 さて、海原さんの今後ですが……、今回2冊の校了をして、感動したことは「海原さんが本当に小説がうまくなった。真の『作家』になった!!」ということ。描写の繊細さ、構成の緻密さ、しかも文体は相変わらずの海原節。新人として会った『イケ面の美青年』(新人賞審査員・高橋良輔先生談)が、今後は実力派の作家として、今後も伸びて行く、と確信しています。
 読者も私もビックリの新作を書いてくれると確信しています。
 海原さん、『ブルー・ハイドレード』の続編や『銀盤の外伝』を期待する声も多ですが、次は『バスケもの』とかはどうですか?
 
 それでは最後に読者の皆さん、一緒に『銀盤カレイドスコープ』の意外なラストを楽しみましょう!

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(C) 鈴平ひろ/集英社

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