2008年10月の第一巻刊行以来、隔月刊行で破竹の快進撃を続ける『迷い猫オーバーラン』シリーズ。第三回となるHP対談は波乱の幕開けとなるのだった。
:「直訴ー! 直訴ー!」
ぺこ:「直訴ですー」
丸宝:「なに二人して、挨拶もそこそこに」
:「まずは、この直訴状をご一読ください」
丸宝:「んー? なになに『隔月はもうムリです。……かゆ……うま』って?」
:「もはやゾンビになりそうだという詩的表現です」
丸宝:「わかんないよ、そんなこと」
:「とにかく、もう厳しいんですよ! いろいろと!」
丸宝:「まあまあ、とりあえず落ち着いて対談を始めようじゃないか」
ぺこ:「うう……はい」
<一年って短いね>
丸宝:「それでは、改めてご足労ありがとうございます。今回は六巻発売記念特集ということで、迷い猫オーバーラン作者の松さんとぺこさんにおいでいただきました」
:「なんだかとても最近、この三人で集まったような気がします」
ぺこ:「だって、三巻が出た時にやりましたから、まだ半年経たないですよ」
丸宝:「早いねぇ。あれからもう半年かー」
ぺこ:「いや、全然昔って気がしないです。ずっと迷い猫描いてましたから」
:「そうだよねー。実際、出版決まってぺこちゃんがイラストに決定したのが多分、去年の八月くらいだから、企画スタートからだと本当にちょうど一年くらいよ」
丸宝:「一年で六冊は本当に理想的なペースだな」
:「……死ぬかと思いました。安請け合いしたことを今は反省しています」
ぺこ:「本当に」
丸宝:「二ヶ月に一回校了するって、実際大変だったね」
:「実質、原稿を入稿して、その日に打ち合わせして、実際に店頭に本が並ぶ時期には次の巻が半分以上出来ていないと間に合わない無茶なスケジュールが一年ですよ」
ぺこ:「松さんはまだいいですよ! 僕なんて、本の発売日が次の巻の表紙〆切なんですから」
:「そう考えると、よく間に合わせてきたね……」
丸宝:「二人ともよく頑張ってくれたよ。書きためがあるんじゃないかって意見もネットにはあったみたいだけど、二巻の前半部が一巻発売前に書かれていたくらいで、後は本当にリアルタイム進行だったからね」
:「担当してくださっている編集長も含め、誰かが風邪で倒れただけでも一ヶ月遅れるタイトロープですもんね」
ぺこ:「今はなんとかここまでこぎつけてほっとしています」
:「と、いうことで冒頭の話に戻るんですが」
丸宝:「隔月刊行は六巻で終わり、ってことね。でも、それは一応以前から話し合いしてたじゃない」
:「そうですけど、最初に言っておかないと、前回の対談の時はラストに隔月刊を編集長に宣言されたので。この対談を文章化するときに必ず最初に書いておいて貰おうと」
丸宝:「いやいや、これ以上ぺこさんにムリをお願いは出来ないよ」
ぺこ:「そういっていただけると助かります……」
丸宝:「ぺこさんがこの一年で迷い猫に描いてくれたイラストは各巻の表紙、挿絵だけじゃなくメッセージペーパーなんかの販促物を含めれば百枚近い訳で。本業のゲームのお仕事にも影響を出してしまって申し訳ない」
ぺこ:「いやあ、僕がもっと手が早ければいいんですけど……さすがに、所属会社からもちょっとクレームが……」
丸宝:「それは当然だと思っていますし、編集長として、担当としてぺこさんのがんばりには大感謝ですし、これ以上ムリをお願いする訳にはいかないと思っています」
ぺこ:「ありがとうございます」
:「まあ、ぺこちゃんのスケジュールもそうですが、僕もいい加減体力が……」
丸宝:「それも判ります。でも、頑張ってくれたおかげで『迷い猫オーバーラン』は順調に売れ行きを伸ばして、今やSDの主力作品の一角を担う勢い。この点は初期の目標をクリアしたと言えるでしょう」
:「そうですね……運が良かったです」
丸宝:「連続刊行した方がいいっていった通りになったでしょ?」
:「……まあ、どうしてやった方がいいと言われながらみんなやらないのかもよく分かりましたけどね。だって辛いもの。冗談抜きで」
ぺこ:「内容や展開も生き物なので書きためも出来ないですしね」
丸宝:「例え溜めたとしても、人気が出なければムリに続ける事も出来ないしね……とにかく、この作品は松さんとぺこさんのおかげで良い形になりました。隔月刊行お疲れ様でした。これからは、三ヶ月から四ヶ月に一冊のペースで頑張ってください」
:「それにしたって、別に遅くないような……」
丸宝:「ははは、さて、では四巻以降の話に移ろうか」
<四巻は難産だった?>
丸宝:「では前回対談以降の巻を一巻ずつ短く語って頂こうと思います。まず、四巻。これは乙女姉さんの話ってことでいいんだよね」
:「基本は。クリスの話でもありますが」
ぺこ:「プロットで聞いてた話とぜんぜん違うからびっくりしました」
:「ははは、最初のプロットだと、クリスいないもんね」
丸宝:「当初OKになったプロットと比較すると、キャラの配置や設定がまったく違うよね」
:「当初は『乙女と巧』の関係をどう書くかに集中していたので。で、書き進めてみたらこの関係と対比する関係がないと、どうにも説明っぽいな、と」
丸宝:「それで書いたものをばっさり捨てて書き直したのが今の四巻なんだよね。スケジュール的にはハラハラしましたが」
:「クリスがいいキャラになったので、書いていて楽しかったですがとにかく時間かかりました」
ぺこ:「英語もありましたしね」
:「ああっ、そのことはいわないで! 僕、高校で英語赤点だったんだよね……」
丸宝:「あの書体変更も工夫のしどころだったね」
ぺこ:「お世辞抜きで面白かったです。個人的イチオシ」
:「ありがとう〜」
丸宝:「四巻までで巧を巡る女性四人にひとりずつスポットが当たって、次はどうなるのか……と期待が高まる四巻だったと思います」
:「そうなんですよねぇ……悩みました」
<初期の想定に最も近い五巻?>
ぺこ:「五巻の表紙は夏帆ですけど、そんなに夏帆の回って気はしないですよね」
丸宝:「そうそう。一種、『続く』的に終わる初めての巻だし」
:「えーと、そうなんですけど。一種、むしろこれが一番最初にイメージしてた形なんですよね。表紙、サブタイトル等も作品の一部に、というのはぺこちゃんという優れたパートナーを得たからやった事で、最初は別に『表紙の子のストーリー』って縛りをするつもりはなかったんです」
ぺこ:「そういえば、一巻描いた段階では二巻以降の表紙は考えてないですもんね」
丸宝:「そりゃそうだ」
:「それに、漫画の原作やアニメなんかのシリーズものをやると顕著なんですけど次の巻を読んで貰うために多少のヒキを入れるのはお約束なんですよね。今までの迷い猫は、いつ終わっても大丈夫なように書いていた訳です」
丸宝:「まあ、シリーズ化は決まったから、今後はヒキを入れていくと」
:「いや、書いてみて考えます。表紙の件にしても、まだ今後こうしようってプランがあるわけじゃないですしね」
ぺこ:「五巻の見せ場は、やっぱりあの二人ですよね」
:「そうそう。それに、目の前で幸せになるカップルが出ることで変わる心境というのもあると思ったんですよ」
丸宝:「ラスト前までひっぱるから、一体どうなるかと思ったよ」
:「ある種、五巻が一番正しいスラップスティックになっているように思います」
丸宝:「そして、いよいよ六巻の話になるんだね」
<第一部完!? 怒濤の第六巻!!>
丸宝:「さて、今月発売の六巻について、まず一言」
:「最終回じゃないです。続きます」
丸宝:「確かにそう念を押したくなるの、判る。すごい盛り上がりだもんね」
ぺこ:「まさにオーバーランしてますよね」
:「少しやり過ぎたかも。反省はしていませんが。三巻とは違う暴走傾向ですけど」
丸宝:「非常にリズムがよく、そしてグイグイ引き込まれる展開は圧巻だね。現時点のシリーズ最高傑作だと思うよ」
:「自分的にも、六巻はがんばれたと思います」
ぺこ:「表紙の叶絵も良い味出してますが、やっぱり巧の巻ですよね」
:「そういってくれると嬉しいな。巧っていいヤツだと思うんですよ」
丸宝:「なにか見所を少し解説して欲しいんだけど」
:「うーん。今回いろいろあるんですが……やっぱり温泉ですか」
ぺこ:「口絵から温泉ですからね」
丸宝:「温泉、いいねぇ。サービスは大事だね」
:「後は、バンドにテニスにスキーに……あれ、カタカナ三文字多いな」
ぺこ:「いろいろ盛りだくさんですよね。ストーリーも熱いし」
:「時系列的には、バレンタインの直後から始まります。正しく五巻の続きですので、五巻で疑問に思ったことの大半は解決する……かな?」
丸宝:「なんというか、読み終わって第一部巻、そしてここから新しい飛躍が始まる! そう思える素晴らしい六巻です。必読と申し上げたい」
:「ありがとうございます……」
<今後はどうなるの?>
丸宝:「では、そろそろ長くなって来ましたし、今後の事を少し」
:「隔月じゃなくなるといっても、三ヶ月か四ヶ月に一冊ということは年内に後一冊はあるので、気は抜けないですけどね。多少ページを増やしていきたいと思っています」
ぺこ:「気が抜けないのはこちらも同じですね。そういえば、次巻の表紙は誰なんですか?」
:「あ、あははは。月末までに考えます」
丸宝:「表紙になってないゲスト以外の女性キャラって……ヨネさん?」
:「……それは盲点でしたね」
ぺこ:「メイドさん二人もいますよ。まだ挿絵の指定がないので楽しみにしてますけど」
:「いやー、あの二人はいっそ『ご想像にお任せします』もありかなー、とか」
丸宝:「それはもったいないだろ。いいキャラになってるしどこかで出そうよ」
:「ひとまずその辺は保留で。久しぶりに考える時間があるので、七巻からはまた新たな気持ちで頑張りたいと思います」
ぺこ:「僕も頑張りますー」
丸宝:「編集部としても、今後も最大限バックアップして盛り上げて行きたいと思いますので、二人とも、頑張ってください。今日はありがとうございました」
今後の展開も楽しみに『迷い猫オーバーラン!』
今月は、三巻発売時に大好評だったダンボール販売台第二弾を企画中!
書店さんの店頭で確認してください!!