・瀬川 祐太(せがわ ゆうた)
多摩文学院大学文学科の1年生。所属サークルは路上観察研究会、通称“ロ研”。
小学生の頃に両親を亡くし、以後は姉の祐理に育てられた。
そのせいか、ちょっぴりシスコンの気あり。
年上の女性に極端に弱く、現在はサークルの先輩である織田莱香に片思い中。
しかし、告白する勇気もないうえ三姉妹の“パパ”として奮闘中のためいろいろとままならない。

性格は温厚。ただ、姉に関わることとなるとつい無茶をすることも多い。
こうと決めたら絶対に曲げない頑固さは姉とそっくりだったりする。
コメント
空  : 「私がコメントするの? なんで?」
美 羽: 「いいじゃない、お姉ちゃん。あたしたちの“パパ”なんだから」
空  : 「それよそれ。その“パパ”って言うのが気に入らないのよ」
美 羽: 「それじゃ、叔父さん? あ、お姉ちゃんの場合は“お兄ちゃん”だよね」
空  : 「う……ま、まあ、パパよりはマシだからね」
美 羽: 「だよねー、お姉ちゃん言ってたもんね。すっごくカッコよかったって」
空  : 「あ! その話は!」
美 羽: 「やっぱり、初対面って大事よねー。あの日から、お姉ちゃんにとっては憧れのお兄さんだもんね」
空  : 「こら! 美羽!」
美 羽: 「恥ずかしがることないじゃない」
空  : 「いいのっ、その話は! 忘れなさい! 今すぐ!」
美 羽: 「はいはい……はぁ、素直じゃないんだから」
・小鳥遊 空(たかなし そら)
小鳥遊家長女。14歳の中学2年生。彫りが深く強面な父とは正反対の美少女。
おまけに成績もトップクラスでおまけに部活動にも積極的。
端から見れば非の打ち所がないのだが、本人は自分が可愛くないと思っていたりする。

小鳥遊信吾(父)と前々妻の間にできた子どもで、美羽、ひなとは母親が違う。
いわゆる腹違いの姉妹だが、それでも、二人の妹をとても大事にしている。
同じように継母である祐理をとても慕っていて、姉であり母であり理想の女性だと思っている。

性格は努力家で真面目。真面目すぎてちょっぴり融通が利かないくらい。
思春期なせいか、男の人に対して忌避感が強い。
祐太に対しても最初は警戒心もあらわに接していた。
コメント
祐 太: 「空ちゃんの紹介は俺か? いいのかな、俺なんかで……」
ひ な: 「ひなもいるー」
祐 太: 「おお、えらいぞひな。ちゃんと元気に挨拶できたな」
ひ な: 「えっとねえっとね……ねえたん!」
祐 太: 「って、いきなりはじめちゃうのか。ていうか、できればおいたんと絡んでほしいな」
ひ な: 「ねえたんはねー、いっつもひなといっしょにおふおはいるの」
祐 太: 「そうだな。ひなのお風呂係は空ちゃんだ」
ひ な: 「ねえたん、ここんとこぽよんぽよんってなってる」
祐 太: 「ぽよんぽよんって胸のことか? むぅ、空ちゃんは中学生にしてすでにそこまで発育を……」
ひ な: 「ひなぺったんこー」
祐 太: 「むむむむ……心配だ! ひじょーに心配だ!」
ひ な: 「ほあっ、びっくいしたー」
祐 太: 「中学生といえば、まさに異性に興味を持ち始める年代。クラスの男子が日々、好奇の目で空ちゃんを見ているかと思うと……ああああ!」
ひ な: 「おいたんどーしたのー」
祐 太: 「中学生男子どもめ! うちの可愛い娘に手を出したら許さんぞおお! その時は抗議だ! だんぜん、抗議だ! いや、むしろ今の内から釘を刺しておくか!? そうと決まれば今すぐ! うおおおおおおお!」
ひ な: 「……おいたんいっちゃったー」
・小鳥遊 美羽(たかなし みう)
小鳥遊家次女。10歳の小学生。これまた父親とは似ても似つかない可憐な美少女。
姉の空が正当派なら、美羽はアイドル系。
実際、街を歩けば必ずと言っていいほどスカウトに声をかけられる。

おませで賢く、自分が可愛いことをきちんと理解しており、それを武器にする術も心得ている。
学校では彼女の親衛隊とも呼べる男子グループがあるとかないとか……

不器用で意地っ張りな姉を何かと気に掛ける優しい一面もある。
コメント
佐 古: 「マイ・エンジェル」
仁 村: 「え……佐古先輩、それだけっすか?」
佐 古: 「なにか問題でもあるのかね? 仁村君」
仁 村: 「問題っつーか、もうちょっとなんかあるでしょ。容姿とか性格とか」
佐 古: 「見た目はエンジェル! 性格もエンジェル! 地上に舞い降りた最後のエンジェル!」
仁 村: 「いや、だからさっきと同じですって。あと無駄に発音がいいのが若干ムカつきます」
佐 古: 「立てばエンジェル! 座ってもエンジェル! 歩く姿もやっぱりエンジェル!」
仁 村: 「……もういいです」
佐 古: 「ホーリーエンジェル! ときめきエンジェル! なんてったってエンジェル! エンジェル愛してるうううう!」
・小鳥遊 ひな(たかなし ひな)
三女。無垢で無邪気な三歳児。そして小鳥遊家のアイドル的存在。
母である小鳥遊祐理によく似た美幼女。祐太とは唯一血が繋がった姪っ子。

性格はまさに天真爛漫。いつも明るく元気。
両親のことはまだ理解できていないが、そのことを口にすれば祐太たちが悲しむということは敏感に察している。

好きなものはママ。その次がお姉ちゃんとウサギのお人形。三番目が“おいたん”。
コメント
莱 香: 「天使」
祐 太: 「……莱香さん、その出だしどこかで聞いた気がします」
莱 香: 「でも、事実。ひなちゃんは私の天使。可愛い、ぎゅーってしたい……フフフ」
祐 太: 「莱香さんが笑っている……」
莱 香: 「祐太」
祐 太: 「は、なんですか?」
莱 香: 「ひなちゃん、ちょうだい」
祐 太: 「ダメです」
莱 香: 「ち……」
祐 太: 「いま、本気で舌打ちしましたよね?」
莱 香: 「分かった。じゃあ、ひなちゃんをお嫁にもらう」
祐 太: 「だからダメですって。ていうか、そんなことしなくても、えと、その、俺が莱香さんとけ、け……けっこ……ん」
莱 香: 「仕方ない。じゃあ、あの計画を実行するしかない」
祐 太: 「は? 計画?」
莱 香: 「祐太、留学に興味とか、ある?」
祐 太: 「ちょ、なんですかそのあからさまに俺を厄介払いしようという計画は!」
莱 香: 「留学は将来きっと役に立つ」
祐 太: 「ウソだあああああっ」
・織田 莱香(おだ らいか)
多摩文学院大学2年生。祐太の1つ年上の先輩。
長身、抜群のスタイル、さらに奇跡的なまでに整った顔立ち。
すれ違えば誰もが振り返らざるをえない美女――
なのだが、中身はとんでもない超が三つは付きそうな変人。
常にクール。おまけに天然で“実験”と“人間観察”を趣味としている。
学内ではすでに彼女の変人っぷりが知れ渡っており、近づく男はもはやほとんどいない。
例外といえば、同じ路上観察研究会の人間だけ。

ほとんど感情を表すことがない彼女だが、祐太や姪っ子たちには非常に興味があるらしく
時折、顔を赤らめたり興奮した様子を見せることがある。

姪っ子たちに会いたいがため、よく祐太の部屋に食事を作りに来てくれる。
実は祐太のことが気になっている……?
コメント
祐 太: 「えーっと、俺のサークルの先輩です。いろいろとお世話になってます」
仁 村: 「瀬川ちゃんの好きな人」
祐 太: 「ば、バカ! 言うなよっ」
仁 村: 「いいじゃん。バレバレなんだし」
祐 太: 「ば、バレバレ……? え、ほんと?」
仁 村: 「あれで隠してるって方がビックリだよ」
祐 太: 「むぅ……そ、そうか……バレバレなのか……」
仁 村: 「鈍いねー、瀬川ちゃん。ま、それであの態度な織田先輩も織田先輩だけど。つーか、単に変な人ってだけか」
祐 太: 「莱香さんを変人呼ばわりするな。あの人は、ちょっと変ってるだけだよ」
仁 村: 「エロ本呼んでる男子をじっくり観察するのは充分に変人だと思うけど。けど、惜しいよなぁ……あんだけ美人なのに」
祐 太: 「美人だよなぁ……莱香さん。あの涼しい目元で見つめられると、こう胸の当たりがきゅーって」
仁 村: 「……前から思ってたんだけど、瀬川ちゃんってシスコンっていうよりMなんじゃない?」
祐 太: 「ち、違うよ! 百歩譲ってシスコンはいいとしても、Mってのだけは受け入れられない!」
仁 村: 「……シスコンはいいんだ」
・仁村 浩一(にむら こういち)
祐太と同じ文学部の1年生。サラサラの無造作ヘアに甘いマスクのイケメン。
「大学には女の子といっぱい遊ぶためにきた」と言ってはばからない。
そのくせ、なにかにつけて祐太の部屋に入り浸って朝までゲームをしていったりする。

得意なのは家事全般。料理の腕は玄人並。祐太の野菜不足を気に掛けるお母さん的一面もある。
顔と私生活に似合わず几帳面で義理堅い。なんだかんだでイイやつ。

近所の大学の女子に手を出しまくった結果、そこの男子学生から狙われているという噂……
コメント
美 羽: 「叔父さんのお友達。いわゆるイケメンさんです」
ひ な: 「ねえたん、いけめーってなーに?」
美 羽: 「いけめー、じゃなくてイケメンね。んーと、一言でいうとカッコイイってことかな」
ひ な: 「しょーぼーしゃより? しょーぼーしゃよりカッコイイ?」
美 羽: 「そうね、ひなは消防車が世界で一番カッコイイんだよねー」
ひ な: 「うん!」
美 羽: 「んー、頼りがいって意味だと消防車の圧勝かな。仁村さん、ひ弱そうだし」
ひ な: 「そっかー」
美 羽: 「でも、マメできれい好きで、おまけに料理上手ってとこはポイント高いかな? 仁村さんの作るハンバーグ美味しかったし」
ひ な: 「ひな、はんばぐすきー」
美 羽: 「そうねー、ひなのハンバーグにいつも目玉焼き乗せてくれるもんね」
ひ な: 「うん! なかなかきのきくやつだ!」
美 羽: 「もう、そんな言葉どこで覚えたの。じゃあ、目玉焼きと仁村さん、どっちが好き?」
ひ な: 「んー……目玉焼き!」
・佐古先輩
路上観察研究会――通称“ロ研”の会長にして創始者。自称3年生。
莱香が入学した当時から3年生だったり、あらゆるサークルの代表に顔が利いたりと謎の多い人物。

さらに、12歳以上を「おばさん」と言ってしまう真性のロリコンでもある。
次女の美羽は彼にとって究極的なまでに理想の存在らしい。
だが、決して自ら触れることはなく、一定の距離以上近寄らない。
なぜなら自分が触れると天使にも等しい美羽が「穢れる」からだと言う。
彼の美学、論理を理解できる者は未だ存在しない。
コメント
空  : 「キモい」
祐 太: 「ちょ、ちょっと待った! 仮にも俺の世話になってる先輩だから、もうちょっとなんかコメントを」
空  : 「私のこと“おばさん”って言った」

ゴゴゴゴゴゴゴッ(空の背後から立ち上る怒りのオーラ)

祐 太: 「う……すみません……(まだ根に持ってたんだ)」
・小鳥遊 祐理(たかなし ゆり)
旧姓・瀬川祐理。祐太の姉にして空たちの母。
高校生の頃から、たったひとりで祐太の面倒を見てきたパワフルな人。
結婚して、三人の娘を持ち幸せな家庭を築いていたが……
コメント
空  : 「私たちのお母さん」
美 羽: 「うん。美人で優しくて、いつも明るく笑ってたっけ」
ひ な: 「ひなね、ひなね、ママのことだいすき!」
空  : 「そうね、私も大好きよ」
美 羽: 「帰ってくるよね……きっと」