※今回ベン・トー6発売記念特別企画としまして役に立つようで役に立たない、けれど少し耳寄りな『世界的アナリスト、ジョン・グッド氏によるベン・トースペシャルトーク』をお送りします。

 やぁ、ジャパンのクールガイ&タフガイのみんな。久しぶりだね、ジョン・グッドだ。
 まさかみんなとこうしてまた会えるなんて思ってもいなかったよ。これも毎日欠かさず腹直筋を鍛えていたおかげかな?
 さて、今回はベン・トー、第6巻の発売に合わせての特別企画ということで、ベン・トーの魅力や今後の展開について情熱的に語ってくれ、って依頼なんだけれど……信じられるかい? そんな楽しくて簡単なことでギャランティーが発生するっていうんだから、ジャパンはまだまだバブルから抜け出せていないようだね。
 オファーを持ちかけられた際にキャバクラへ誘ってくれたのも頷けるよ。
 ……フッフッ、世界中のファンのみんな、安心して。僕はそんな誘いには乗らなかった。だってそうだろ? そんな所に行く時間があるなら、今すぐにでもベン・トーのトークさせてくれって言ってやったさ!

 ……おっと。余計なことを言い過ぎてボスの心証を悪くするのも怖いから、早速本題に入ろうか。
 とりあえず、僕一人でやっていくと間が持たなそうだからさっき公園のトイレで知り合った友人にして今回の企画のパートナーを紹介しよう。

 ヘイ、ボブ!!
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
 いきなりワイルドな登場じゃないか!
 ようこそ、ボ……
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
 ……オーケィ、ボブ。落ち着くんだ。イージィ、イージィ……。
 どうやらこうしてジャパンのビッグなパブリッシングに正式にオファーを受けたことでエキサイトしているようだね。
 間違っても非合法なドラッグを摂取しているわけじゃない、みんなも落ち着いた行動を心がけてくれ。通報とかは勘弁だぜ?
 僕も薬物反対派だ、筋肉は天然物こそが美しいからね。

 オーケィ、それじゃ早速だけれどベン・トーの魅力についてだ。
 ボブはベン・トーを読んでどんな感想をその厚い大胸筋に抱いたんだい?
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
落ち着け、ボブ。
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
 ………………Oh。

 ……多分、ボブは今ベン・トーのあまりの素晴らしさに冷静さを失っているようだね。
 それじゃ彼が落ち着くまで、しばらくは僕一人で進めていこう。
 ここだけの話、僕が偶然手に入れた極秘情報を公開しちゃうから、最後まで付き合ってくれよ?

 さて、僕がベン・トーで素晴らしいと思ったのはとにもかくにもBENTOを題材にしているところかな。知っての通り、BENTOはアメリカを始めとして多くの国々でそのままの発音で通じるぐらい広がりを見せているね。
 BENTOボックスの蓋を開ければ…………アメージング!!!
 僕らの手の中にジャパンの美的センス溢れるワンダーランド!!
 何故僕らのハイスクール時代にこんなグレイトな文化が浸透していなかったのか、残念でならないよ。

 そんなBENTOを題材にジャパンの極めて重要なサブカルチャー文化へと成長を続けているライトノベルとの融合、それはまさに新たなるクールジャパンの誕生と言ってもオーバーな表現じゃないはずだ。まさにメイドさんに猫耳をフュージョンさせたのと同じぐらいのインパクトさ。

 もちろん、設定だけでなくイラストなんかもグッドだね。
 Mr.カイト・シバノのプリティ&セクシーなイラストはどれを取ってもスタンディングオベーションをしたくなるようなハイクオリティなものばかり。
 特に僕がオススメなのは2巻のカラーページ、《帝王》と《魔導士》の戦闘シーンだね。

 日本の情緒溢れる日常風景の一瞬を見事に切り取っているよ。
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
 ボブもそう思うんだね。
 そうそう《帝王》と《魔導士》といえばベン・トーには魅力的なキャラも多いよね。僕はこの二人はもちろん、白粉やあせびちゃん、淡雪えりか……そして、今回のベン・トー6に登場する槍水仙の妹、槍水茉莉花なんかの小さい子たちが好みだね!

 ボブは誰が好きだい?
母ァ!!
 Oh、佐藤洋のお母さんかい!
 君はそういう趣味もあったんだね、意外だよ。
 今のところ、声や思い出話でしか登場していないけれど、いずれ本編でメインヒロインに昇格することをジーザスに祈ろうじゃないか。

 え? さすがにそれはマニアック過ぎるって? おいおい、ボ〜ブ、だからこそいいんじゃないかっ!
 HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
 オーケィ! ようやく意思の疎通が出来てきたね。
 てっきり笑いながら筋トレを繰り返すだけの存在かと思っていたけれど、ちゃんとコミュケーションが可能なんだね。少しホッとしたよ。

 それじゃ次はそんな魅力的なベン・トーが今後、どのような展開を見せるのかを僕らで予想していこうか。
 とりあえず近い内に必ずニューヨークの近代美術館に展示されると思うんだ。
 見てご覧、ベン・トーの表紙を……。Mr.カイト・シバノの見事なイラストに、株式会社ムシカゴグラフィクスの素晴らしいセンスが光る秀逸なデザインだろう?
 ……美しいよ、初めて見た時は書店で四時間ほど見とれていたからね。
 おかげでその日マムが焼いてくれた折角のチェリーパイを食べ損ねたけど、今じゃ笑い話さ!
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
 ボ〜ブ〜、ノリがいいじゃないか。
 それじゃこのテンションのまま次はストーリーの今後の展開について情熱的に語っていこう。
 今回の6巻でいよいよ槍水茉莉花が登場したわけだけれど、前々作の広部蘭、坊主のことなんかを考えていくと、今後も名前しか出てこなかったキャラクターが出てくると見て然るべきだと思うんだ。
 つまり……
母ァ!!
 そう、佐藤洋の母なんかの登場も期待できるね。
 他にも母といえば……著莪あやめの母親のリタという人もいたよね。

 ……実はこれが極秘情報なんだけど、以前ジムで出会った謎の男がベン・トーについて気になる情報をポロリと口にしたんだ。彼によるとリタは娘とうり二つな三十代の美女だっていうんだ!
 信じられるかい? 高校生の娘を持つ母親が三十代なわけがない……最初は僕もただのジョークだと思って笑っていたんだけれど、その後シャワーを浴びている時にベン・トージャンキーな僕は気が付いたのさ。
 佐藤洋の叔父、つまり著莪あやめの父親は留学生で未成年のリタに手を出した、ということが2巻に書かれていたことをね!!
 僕は慌てたね、なんてたってこれはとんでもない情報だ。僕は慌ててシャワールームを飛び出してその謎の男を捜し回ったんだけれど、見つからずじまいさ。
 外も探そうとしたんだけれど、すぐ近くにいたジャパニーズポリスメンに拘束されちゃってね。結局彼が何者なのか、今でもわからないんだ。
 僕の予想では多分CIAの関係者だと思うね。

 彼は他にも面白いことを言っていたよ。僕がたまたま彼のバーベルの補助に入っていたから偶然聞けたんだけど、確か著莪パパは娘のあやめを中学あたりからちょっとヤバイ目で見ている、とかね。昔のリタに似てしまっているからかな?
 そういえば4巻のラストであやめはロリコンと書かれたシャツをパパにお土産にしようとしていたから、これも信憑性は高そうだね。

 今にして思えば全て納得できる情報なのに……あの時は彼の三角筋前部の美しさの方に意識がいっていて、話半分にしか聞いていなかったのが悔やまれるよ。
 ホント……残念だ。
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
 ボ〜ブ、まったく君って奴は。
 そうだね、そうやって笑ってくれた方が、僕としても楽だよ。

 とにかく、その信憑性を確かめるためにも今後のベン・トーの展開に期待したいところだね。
 ……もちろん、シリーズが無事に続けば、という前提があるんだけれど……。
この真実を知るためにもみんな、是非ベン・トーシリーズを今後とも応援して欲しいんだ。
 もちろん一人で数冊買うのもグッドだけれど、友人たちに勧めたりするとみんなが幸せになれるんじゃないのかな?

 君もそう思うだろう? なぁ、ボブ。
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
 オーケィ、ボブ!
 僕たちでベン・トーを盛り上げていこうじゃないかっ!
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
 よーし、それじゃ今回のトークイベントのプロローグは終了だ。
 それじゃ次は……いよいよお待ちかね、『The novel of Four o'clock』にて大好評連載中の『筋肉刑事(マッスル・デカ)』の魅力に迫っていこうじゃないか!!

 ホォウ、イェァア! テンションが上がってきたよ!!

 知っての通り、ベン・トーの中で語られるレジェンドといっても過言ではないウェブ小説なんだけれど、これの魅力といったらやっぱりたくましい筋肉をメインに置きつつも、それに頼り切ることなく、刑事物としても極めてハイクオリティな……え? なんだい? 時間がない? ホワーイ?

 予定じゃマッチョな刑事たちの魅力や、オススメの筋肉トレーニングの紹介や、食べてみたいプロテイン弁当や出てきて欲しいプロテイン弁当をテーマにしたトークでホットな夜を送るはずじゃ……Oh! ジーザス、クライスト!!

 これからが本番だってのに……まったく……。

 ジャパンのクールガイ&タフガイのみんな、今回はここまでのようだ。
 ……残念だよ、これからが僕たちの本領発揮だったんだけどね。
 ボブもそう思うだろう?
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
 ……ボブ、結局、君は何をしにここに来たんだい?
HA―HAHAHAHAHAHAHAHA!!
 ……これで僕と同じギャランティだっていうんだから、世の中間違っているよ……。
 さぁ、ボブ、公園のトイレへ帰ろう。

 それじゃベン・トーファンのナイスガイのみんな、また会えることを信じているよ。

 Goodbye、See you again!!

●ジョン・グッド:国際的アナリストとして世界を股にかけるタフガイ。世界的な視野を持ち、その幅広い知識と偏った感性により極めて一部にカルト的な人気を誇っている。また英語、日本語、肉体言語に精通しており、日本の学生向けに英語ドリルを制作するなど、幅広い活躍を見せる。

●ボブ:公園のトイレとかにいるらしい、謎のタフガイ。










※当コーナーに関してのご注意
 当コーナーはあくまで役に立ちそうで役に立たない、でもちょっと耳よりな<Rーナーですので、あまりに意味がないと苦情の電話、メール等はご遠慮くださいますようお願いいたします。またジョン・グッド氏の見解、極秘情報については彼個人の意見であり、集英社並びにスーパーダッシュ文庫編集部、アサウラは一切関わっておりません。
 また、公園のトイレの一番奥の個室から豪快な笑い声が聞こえてきたら速やかに逃げることをお勧めいたします。さもなくば、あなたはもう、ボブの虜に……。