※『ベン・トー11 サバの味噌煮弁当【極み】290円』発売記念特別企画としまして今回もまた相変わらず役に立つようで役に立たない、けれど少し耳寄りな『自称世界的アナリスト、ジョン・グッド氏によるベン・トー スペシャルトーク7』をお送りします。


 ヒィヤッフゥーーーーーーーー!!


 ベン・トーフリークスのみんな、元気だったかい!?
 世界的アナリストのジョン・グッドだ!!


 今から遡ること7ヶ月前の特別企画の際には危うくクビを切られたかと思ったけれど、また呼んでもらったよ!!

 大手出版社らしく集英社の仕事は内容の割にギャラがいいから大好きさ!!



 もちろん、ベン・トーが誰よりも一足先に読めるというのもあるからね……!
 最高さ!!

――本日もよろしくお願いいたします。

 前回は僕を切るような素振りを見せていたくせに、まったくツンデレなジャパニーズボーイだね。

――本当は田中ゲンさんとジェニファーさんで行こうとしたんですが、諸事情でスケジュールが押し押しになってしまって……お二人をおさえられませんでした。なので、急遽予定もなく日本に来られていたジョン・グッド氏にお鉢が回ってきた……というのが経緯です。

 ヘイ、ボーイ。
 そういうのはね、事実であっても黙っておくんだ。いいかい? こっちもそれとなく察していたんだから。

 まったく、仕事というのは気持ち良く行うものだよ?

――本当にジョン・グッド氏が暇で良かったです。助かりました。


 ………………………………。




 ……別に、暇というわけではないよ? 必要とあらば、このスタジオに乗り込んできて、ゲンとジェニファーを押しのけてホットなベン・トートークを始めるつもりだっただけだから。

 うん、まぁいい。
 ただ、確かにスケジュールは今回結構ハードだったみたいだね?

 いつもなら事前に渡される本もまだ手元に来ていないし……。


 ……今回は本当にギリギリの戦いをしていたんだね。

――先程ようやく刷り上がったところです。ご覧ください。


 フゥーッ!!

 この瞬間のために僕はいつも飛行機に飛び乗ってきているのさ!!
 今回は七ヶ月もの間が空いてしまっていたから、楽しみで楽しみで……。





 What happened!!??
 (何が起こりましたか?)。

――何か不具合でも?

 ボーイ、こいつぁ……どういうことだい!?




 こ、これは……厚いじゃないか!!!


 今までよりもずっと……400ページオーバー!?

――SD文庫最厚タイの記録だそうです。

 なるほど、ついにベン・トーも下半分が空白……つまりはメモ帳と揶揄されるラノベ的な作りに手を出し――




 ……ヘイ、ボーイ。

――なんでしょう?

 パラっと今見たけれど……





 ……黒いね。いつも通り。

――厚さは最高記録タイですが、文字数は確実にトップの約二五万字だそうです。普通のラノベの約二倍ではなく、二倍以上になりました。削って押し込んだ上で、ですが。しかしながら、一応聞くところによると、今回は無理やり詰め込むのを控えて、余裕のある作りにしたとのことです。

 ……なるほど、まぁ、言われてみれば若干いつもより台詞が多い気がしなくもないね。

 オーケー。
 これぐらい厚い方が七ヶ月待ったかいがあるってもんさ!


 それじゃ早速読ませていただくよ!!




 ……ヘイ、ボーイ?

――早速ですね、なんでしょう?

 ……気のせいか、今カラーページで、カイト・シバノの素晴らしいイラストを眺めていたのだけれど……あの、ね?

 目次のページに、今まで見慣れない項目があるんだけれど……これは?

――とりあえずお読みになっていただければよろしいかと。

 そう、かい……?

 若干ある不安が僕の中で湧き起こっているんだけれど……ま、まぁ、いいか。
 信じて読ませてもらうよ。
















 ●数時間後――。

















 What the hell!!!!!!?????????
 (これはどういうことですか?)



 な、なんだい、こ、これは……!?

――お気に召しませんでしたか……?

 そ、そういう問題じゃないよ!!
 内容は一端置いておくとして……

 こ、これ……。

――はぁ?

 これ……え?







 今回、最終巻……なの?

――そう言われれば、そういう感じですね。

 いやいやいやいや!!
 ちょっと待って、待つんだ、ボーイ!!


 前回の10巻のあとがきにはこれからも続々と新刊が出るというような感じに書いてあったじゃないか!!


 一体どういうことだい!?

 僕らの生きる糧である、ベン・トーを終わらせようっていうのかい!?


 ま、まさか……どこぞの将軍様お得意の無慈悲な打ち切りっていう……奴なのかい!?

――集英社内に将軍様はさすがにいないと思いますが……。内容がお気に召しませんでしたか?

 内容はグッドだっったよ!!
 実にグッド!!


 た、ただ……その……これって……。


 ラスト、完全に……その……え?


 え? 本当に終わりなの……?
 アレだろ? ベン・トー第二シーズンとかが始まったりするわけ……だよね?

――第二シーズンの予定はありませんが、次の巻は来年の早春に出る予定だそうですよ。


 フォーーーーーーーーーーーー!!!




 出るんだね!! 終わりじゃないんだね!!!


 ママッ、日本には希望が溢れているよ!!!

――あ、HGのネタですね。懐かしいです。

 ぶちかますぞ、ジャパニーズボーイ。

 君も関係者なら集英社が誇る名作『変態仮面』の方を名に上げるべきだろう。




 ともかく、それを聞いてホッとしたよ……。



 そういえば、変態仮面で思い出すってのもおかしな話だけれど、『ベン・トー11 サバの味噌煮弁当【極み】290円』と同日にコミック『ベン・トー アラカルト』の単行本も発売されるんだよね?





 11月22日に!!

――はい、同日発売です。11月22日です。ベン・トーの原作小説のイラストを手がけて頂いている柴乃櫂人が直接コミカライズした作品ですので、原作絵との差など皆無です。

 ベン・トー世界における日常を描いたホットな作品だね!
 連載を読んでいたから知っているよ!


 まさかの原作ではイラストにならなかった著莪ママやあせびちゃんのママまで出てきた上、さらには茶髪の……。


 そして、僕の大好きな茉莉花もふんだんに登場するんだよね!!

――えぇ。ちなみに単行本には、書き下ろしのお話も一本入っていまして、それの主人公は茉莉花になっております。


 フォーーーーーー!!!


――HGですね、わかります。


 …………………………………………。


――ストーリー上は実質最終巻に当たる『ベン・トー11 サバの味噌煮弁当【極み】290円』と共に、お買い上げいただくときっと幸せな気分にさせてくれることでしょう。

 や、やっぱり今回ので終わるのかい!?

――詳しくは『ベン・トー アラカルト』と同じ11月22日に発売される『ベン・トー11 サバの味噌煮弁当【極み】290円』のあとがきをお読み頂ければと思います。

 ちょっと、ど、どういうことなんだいボーイ!!??

 今終わられると僕としては非常にまずいんだよ!!
 ここのギャランティにどれだけ僕が夢と希望を抱いて……あ、ちょっと!!

――ジョン・グッド氏、本日はありがとうございました。

 と、ともかく11月22日は書店へ急げってことだね!!

 みんなも急いで書店にGOしよう!!


 絶対だぞ!!!

 無理やりにでも続編が出続けるように……!!




●ジョン・グッド:国際的アナリストとして世界を股にかけるタフガイ。世界的な視野を持ち、その幅広い知識と偏った感性により極めて一部にカルト的な人気を誇っている。また英語、日本語、肉体言語に精通しており、日本の学生向けに英語ドリルを制作するなど、幅広い活躍を見せる。ベン・トーの中で一番のお気に入りは槍水茉莉花。小さい子が好みらしい。今後また日本で仕事が出来るのかは誰も知らない。なお、このベン・トーの企画でのギャランティを定期収入としてとらえていたため、ローンでサンフランシスコのマンションを購入も、今回で仕事が打ち切られるのではなく、ベン・トーそのものが終わるかもしれないと知って震えている。