【復活者と騎士侯】

・騎士侯

 レギオンを招集する能力を持った異能者。現代戦における最重要兵器であるレギオンを使役できるゆえに、軍の内部でも重要な地位に就き、最前線で戦いを繰り広げる。

・騎力

 ひとりの騎士侯が召集できるレギオンの最大数を騎力という。強力な騎士侯ほど高い騎力を持つ。

・女王騎士

 大英帝国軍の騎士侯のなかでも、すぐれた戦績と能力を持つ勇者にのみ贈られる称号。九〇以上の騎力が必要とされる。

・復活者(リザレクト)

 いにしえより甦った武人。生前に修羅のごとく積み上げた武功を特殊能力として使用する。
 招集できるレギオンの数、質ともに並の騎士侯をはるかに上回る。東方ローマ帝国のカエサル大元帥、大英帝国のネルソン提督、騎士王カール大帝など。

・エドワード黒王子(1330-1376)Edward,the Black Prince

 大英帝国軍極東艦隊・第一遠征旅団司令官の復活者。
 十三才の若さで英国の王太子となり、武将として、騎士として勇名を馳せた。のちにフランスのアキテーヌ公領を継承し、自らの宮廷を作りあげた。父よりも先に夭折し、英国王となることはなかった。

・リチャード一世(1157-1199)Richard the Lionheart

 皇国日本での争いに大英帝国軍の増援として参加した一二世紀の英国王。プランタジネット朝の創始者ヘンリー二世とアキテーヌ女公アリエノール・ダキテーヌの息子。一一八九年、英国王位に就く。が、それ以外にもアキテーヌ公領、ポワティエ伯領、アンジュー伯領などを所有するフランスの大領主であった。
 その勇猛さと武勇ゆえに獅子心王の異名を得た。またラテン語に堪能な詩人であり、美食家であり、音楽にも精通していた。実は文武両道の才人である。

・カール大帝

 東のカエサル公と並び立つ、西の復活者。またの名をシャルルマーニュ。ヨーロッパ諸国家を統合した騎士王同盟の盟主として君臨する。

・土方歳三

 橘征継の正体ではないかと目される人物。幕末の武人。徳川幕府に新撰組副長として仕え、辣腕を振るった。戊辰戦争で旧幕府軍に敗れたあと、北海道へ逃れた。その後は随獣・壬生狼の群れと共に各地を転戦、明治政府の侵攻より北海道を守り抜く。本土では悪鬼羅刹のごとく語られるようになる。一九一〇年、七五歳で没す。

・レガトゥス・レギオニス

 過去の世より甦った武人たち――復活者をかしこまって呼ぶときの称号。ラテン語で『軍団長』という意味。格式ばった表現であるため、使われる頻度は比較的すくない。

・銘

 武勲のシンボルとなる名前や称号。この《銘》を継承した人間が騎士候となり、レギオンを召集できるようになる。「過去に活躍した武人の名」「由緒ある武具の名」「勇者に贈られる称号・勲章」「軍団・城塞の呼び名」などが該当する。

・和泉守兼定(いずみのかみ・かねさだ)

 幕末の英傑・土方歳三が愛用した日本刀。橘征継の《銘》として継承し、現代に甦る。

・鬼切安綱

 源氏の宝刀。その名を秋ヶ瀬立夏が《銘》として継承した。日本刀の姿で具現する。

・九郎判官義経

 橘一族が秘蔵してきた《銘》。言うまでもないが源平時代の英雄・源義経の名前である。

・武勲

 復活者と《銘》の継承者が使用する。かつてなしとげた戦闘にまつわる偉業を再現する特殊能力。奇跡的な現象を引き起こせる。

・武勲《雁行剣》

 和泉守兼定の武勲。指揮下の全レギオンに日本刀と天然理心流の剣技を授け、さらに土方歳三が新撰組の隊士にたたき込んだ“集団戦闘の手際”までも再現させる。
 その一糸乱れぬ動きは整然と空を飛ぶ“雁の群れ”さながらである。
 尚、雁行剣と同名の技法が天然理心流には存在し、武勲名の由来となった。

・天然理心流

 江戸時代後期に成立した古流剣術。その技法には居合い、柔術、棒術などもふくまれる。四代目宗家・近藤勇が新撰組局長をつとめたことで、流儀名は今日でも知れ渡っている。
 多くのフィクションで培われた『素朴な田舎剣法』のイメージが根強い。
 が、実際には豪農層をパトロンとして、武州多摩を中心に広く普及。精緻な技法を体系化した剣理とあいまって、関東剣術界の一大勢力のひとつであった。

・武勲《霊血奪取》

 橘征継の武勲。その心身に霊液を宿している者たち――聖獣の血をひく姫や騎士侯などから霊液を奪い、自らの糧にする。行使の際には肌を接触させなければならない。

・武勲《鬼切の太刀》

 鬼切安綱の武勲。この宝刀が持つ『大江山の鬼・酒呑童子を殺した』伝説を継承者の手で再現させる。鬼切安綱の使い手は、レギオンすらも斬り倒す剣士となる。

・武勲《虎韜必出》

 九郎判官義経の武勲。短距離であれば、ひきいる軍団ごと瞬間的に移動する。使用後、継承者はたっぷりと疲労する。移動距離の限界等はまだ不明。