【国家】

・東方ローマ帝国

 現代に甦った英雄カエサルが二〇世紀前半に建国した新国家。現在、アジア圏で最大の版図を持つ帝国である。

・大英帝国

 ヴィクトリア二世を君主と仰ぐ大帝国。世界各地に領土を持つ。東アジアでは東方ローマ帝国と覇権を争っている。近年は皇国日本の情勢にも積極的に介入している。

・十二将家

 北海道、奥州、北陸、関東、東山道、東海道、畿内、大阪、中国、四国、九州、沖縄の十二州を女皇より預かり、統治する地方政府。
 十二将家はアメリカ合衆国における州と同様、非常に高い自治権を有している。
 また、関東将家は特に皇家および東京中央政府と結びつきが深く、東方ローマ帝国との従属的な同盟関係は彼らによって構築された。
 それらの中央勢力に対して、西日本の将家は批判的。そして反ローマ的である。
 関東以外の東日本将家は、“おおむね皇家寄り”ともいえるようなスタンスを示す。

・将家と総督

 十二将家のトップである総督職は世襲制。この人物に仕える文官、軍人らで総督府は構成される。将家の総督とは結局、江戸時代における藩主とほぼ同様の立場、権限を持つ。

・州軍

 十二将家それぞれが保有する地方軍。

・封建制

 国王から領地をあたえられる代わりに、家臣たちは忠誠を誓うという国家の仕組み。
 中世ヨーロッパの貴族社会、日本の武家社会などに代表される。この制度下において王は絶対的な権力者ではなく、家臣も無条件に従順な隷属者ではない。むしろ契約に基づくビジネスライクな関係だとも言える。

・ブリテン派

 東方ローマの従属的同盟国である皇国日本。日本国内では近年、ローマではなく大英帝国と『友好条約』を結び、同盟すべしという論調がある。これをブリテン派という。

・維新同盟

 皇国日本の畿内将家と大英帝国軍が『日本を改革するため』締結した同盟。東京の中央政府に反旗をひるがえした。

・騎士道協定

 騎士王同盟のカール大帝の呼びかけのもと、カエサル元帥、英国女王ヴィクトリア二世の強力な支持を受けて実現した国際戦闘法規。戦時下の残虐行為、民間人への意図的な殺傷、暴行、略奪などを厳しく戒める。……が、『最大限の努力をもって尊重すべきだが、結局は偽善的な建前である』とする意見もしばしば見られる。