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著者近影
第54回お客さま
作家・桜坂洋さん

今月刊『よくわかる現代魔法 1 new edition』
よくわかる現代魔法 1 new edition
よくわかる現代魔法 1 new edition
突然ですが作者単独インタビューの予定を変更し、某月某日、コミック・文庫両原稿の入稿後に、桜坂洋さん、丸宝編集長、担当編集Iの三者によってプチ鼎談が行われました。

丸宝 : Iくん、ジャンプスクエアIIの『現代魔法』、評判はどうだった?
I : 発売日はHP更新の3日後ですよ(笑)
桜坂 : いやあ、スケジュールがたてこんでいて一時はどうなることかと思いましたが、両方とも無事に入稿できて安心しました。
I : 今回は普通のスケジュールで入稿出来て良かったですね。
桜坂 : それ、笑えない、笑えない(笑)。みなさん本当いつもご苦労かけててすみません。それにしてもコミックの嘉穂、可愛かったですねえ。たらいをかぶって走るとことか。
I : コミック版も宮下さんに描いて頂けて理想型ですね。弓子とこよみのかけあいとか、すっごい良かったし。
桜坂 : 小説のほうは、日常シーンをそれほどたくさん書くわけじゃないですからね。
I : いい意味で、小説とコミック版が補完関係になりそうですね。
丸宝 : いっちょ頼むよ!
I : ところで、『new edition』を出す事に決まったキッカケは、大方の予想通りコミカライズという事でいいんですか?
桜坂 : 1巻だけ妙にぶ厚かったので、いつか直したいと言っていたんですが、本当にやることになってしまいました。
丸宝 : チャンスがあったらやってよ、と言ってた、私に先見の明があったと言う事だよ(笑)
I : ひさしぶりの『現代魔法』はどうでした?
桜坂 : 『10月はSPAMでできている』とか『キャラクターズ』とか、まったく違う話ですが、キャラクター的には全部現代魔法の派生なので、自分ではひさしぶりという気はしなかったですね。それよりも、改稿で楽が出来ると思っていたら、普通に書くよりもかえって大変でした。ちなみに、加筆修正にもかかわらず、世にも珍しい1.2倍濃縮! の完全版になっています。
I : 3折り(48ページ)も減ってますね。あきらかに厚さが違ってます。
桜坂 : 書き直すたびにコンパクトになっていくので、最後は俳句になっちゃうんじゃないかと言われたり。
丸宝 : 今回はたいへんお求めやすい価格で提供させていただいております。
桜坂 : なんか、ジャパネットの通販番組みたいになってきた(笑)
I : 『new edition』で大変だったのは、どんなところでした?
桜坂 : しばらく改行を入れない文章ばかり書いていたので、改行を多用する文をいじるのに苦労しました。ケータイ小説では1行空けが「間」をとるための技術と言われているのですが、ライトノベルでも、実は、あのなんの気なしに入っている改行が、読むときの間を制御しているんだなあ、と。下手にいじるとライトノベルの文の良さが消えちゃうんですよ。
丸宝 : 間の取り方ね。リズム感とかが、ちょっと変わった?
桜坂 : 改行しない文というのは川が滔々と流れる感じなのですが、改行アリは、波みたいなリズムが重層的に襲ってくるような……読者の方が、そこにある空白を目で追っている瞬間、頭の中でどんな視覚・聴覚・嗅覚・触感等をイメージしているのかな、とか、改めて色々考えるキッカケになって興味深かったです。
丸宝 : 前から思ってたけど、空気感とか触感、雰囲気を書くのは上手いよね。それがさらに磨き上げられた感じがする。
桜坂 : そう言っていただけるとありがたいです。
I : あとなにか苦労された事とかありますか?
桜坂 : 今回、「あるシーンではある音素をできるだけ使わない」ということを目標にしまして、音素を抜き出してチェックするプログラムを作ったんです。はじめる前は、機械的な処理をして言葉を置き換えるだけで文章のイメージを変えることができるんじゃないかと予想してたんですけど、チェックした言葉の類義語を調べると、やっぱり同じ音を使ってるんですね。つまり、ある音をなるべく使わないで書こうと思ったら、根源的な部分で、書き方とか表現とかが全部変わってきてしまうんです。印象深く憶えているのが、旧バージョンでこよみを見つけた美鎖が「勢いをつけて立つ」シーンで、この言葉を使いたくなかったので、結局美鎖は「おもむろに立つ」ことになりました。つまり、美鎖というキャラクターに関しては、普段「勢いをつけて立つ」という行為そのものがあまり好ましくないことがわかったんです。
丸宝 : それは重要かも。キャラクターが動いていくというのは、そういう事も含んでいるんだろうね。
桜坂 : 上手い人・売れてる人は、そういうことを本能的にやっているのかもしれませんね。私はこれからもプログラムでやるつもりですけど(笑)
I : 前に1巻が出てからの世の中の変化とかは、どうでした?
桜坂 : 一番変わったのはPDAがケータイになった事かもしれません。数年先の技術水準を想定して書いていたのですが、現実に追いつかれたり抜かれたりしてる部分がわりとありますね。いつの間にかケータイで音楽をダウンロードするのが当たり前になっちゃってますし。「実現しなかったらどうしよう」とかビビリながら書いていたのに……。
I : いまは普通の行為ですね。
桜坂 : アニメがネットで放映されるというのもすごいですよね。いまはもう、朝起きたら、テレビじゃなくてニコ動のランキング見ますからね(笑)。ゲームのプレイ動画とか、疲れた頭を休めるのに最適です。『絶体絶命都市』とか『サイレントヒル』とか『SIREN』とか怖いのがお薦めです。あと、ジオン軍少佐の戦線への復帰を願ってます。
I : こらこら……(苦笑)
丸宝 : はじめてあった時は、副編集長だったよね。
桜坂 : そういえばそうでしたねえ。
I : さて、そろそろまとめましょうか。この先の予定などお聞かせ願いますか?
桜坂 : あとがきにも書かせていただきましたが、リニューアルは1巻だけで、次は6巻を書きます。夏にはお届けできると思います。5月末には他社ですが『キャラクターズ』が出ます。6月末にはSF方面の作品でも動きがあると思います。寡作な私ですが、今年はたぶん働きますので楽しみにしていてください。
I : 今月18日発売のジャンプスクエア増刊号に、宮下未紀さんによる連載プレ読み切りが掲載されています。コミック版の連載開始はジャンプスクエア本誌で今夏の予定です! 今後の予定も目白押し、ますます目が離せない現代魔法ワールドにご注目ください!


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