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魔法少女を忘れない
しなな泰之 イラスト/越島はぐ
定価620円(税込) |
みらいは恋ができない
第7回SD小説新人賞佳作受賞作家が贈る、やさしい恋の物語。 |
「――僕には、妹のことがわからない」
ある日突然やってきた妹、みらいと共に過ごすようになって半年。高校生・北岡悠也は、まだ彼女との距離感を掴めずにいる。わからないことだらけの妹について、知っているのはたったひとつ――みらいが昔、“魔法少女”であったこと。自分の知らない世界を生きてきた少女に、兄として向き合う奇妙な日常。幼なじみの千花や親友の直樹、その助けを借りながら、季節は移ろい巡ってゆく。忘れ得ない大切な日々を分け合う、四人の少年少女の物語。悠也は魔法少女を忘れない。 |
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みらいを家に連れてきたのは、言うまでもなく僕の母だ。僕の家には昔から父親がいなくて、僕と母の二人暮らしだったのだから当然だ。せめて事前に相談のひとつくらいあってもよさそうなものなのだけれど、うちの母のことだから仕方ない。
僕がみらいの養子縁組について知ったのはまったく事後のことで、
「この子、みらいちゃん。今日から我が家の一員だから、よろしくね」
と、母から聞かされたのはその一言だけだ。まあつまり、このひとは昔からそういう性格なのだった。
もちろん、僕もそれで「うんわかった」と納得したわけじゃない。というよりも、とにかくわからないことが多すぎた。詳しく事情を尋ねる僕に対し、でも母は多くを語ろうとしなかった。教えてくれたことと言えば、ただひとつだけ。
「あのね、みらいちゃんは、ちょっと前まで魔法少女やってたの」 |
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