 |
 |
クライム・ハウンド
柊ハルヤ イラスト/深遊
定価580円(税込)
|
| 絶対正義史上主義。 |
| ミドルアイル国の自警組織「クライム・ハウンド」。その見習い生フリッツは、同僚ユリィナたちと修練に励んでいた。ある日、街中で鬼の仮面をつけた辻斬り犯が複数同時に出現。フリッツたちは捜査に出るが、その最中に、王太子が行方不明に―。蒼き猟犬たちが疾走する、武道アクション! |
|
 |
フリッツは一声、叫ぶとクロス・ハンドから手を放した。
「お?」
そのときリーデムは、フリッツが抵抗を断念したのかと思った。
「いや、違うな」
先程までの、剣に怯える負け犬の目ではなかった。今、彼の瞳は油断があれば噛みつこうとする、闘犬のそれだった。
「うおおおっ」
フリッツは吠えると、紐で手首からさげられていたクロス・ハンドを突然、振り回し始める。
「何?」
さすがのリーデムも、これには少し慌てた。紐の先のクロス・ハンドが曲線的な動きを見せ、防ごうとするサーベルを避けて襲いかかってくる。
「ムチャしやがる」
デュリックスが、あきれた。ユリィナも眉をひそめる。
「あんな乱暴な使い方、教わってません」
ほとんど破れかぶれにも思える行動だが、それが逆に功を奏す。フリッツの前進、リーデムの後退が続いた。 |
|