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戴天高校勝利部
夏希のたね イラスト/緒方剛志
定価620円(税込)
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| 漢を目指す可愛い系少年・杏梨が最強になる!? |
| 中も外も可愛い少年・山本杏梨はそのコンプレックスを克服すべく戴天高校に入学したが、そこは最強を追求する異質な学校だった! 魔術や気功波を操る生徒の中に、麗しい少女を見た杏梨は彼女・神薙一花を追って勝利部に入部。勝利の意味を考える部で、杏梨は幸せを勝ち取れるのか!? |
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――射抜かれた、そうとしか表現出来なかった。
ほら、漫画なんかでよく、キューピットの矢で心臓を貫かれて恋に落ちるって表現があるでしょう?
まさにそれ。薄い眼鏡のガラス越しに、黒い瞳が合った瞬間、僕の心臓は確かに、彼女という女神の矢で打ち抜かれていた。
……今まで、恋をした事が無い訳じゃない。
でも、こんなに唐突で、こんなにも鮮烈な想いは、今まで一度も無かったし、今後二度と無いと言い切れる。
「あの、今の女生徒は誰ですか?」
質問の答えとは別の言葉が飛び出し、木村先生は驚いた顔を見せるが、直ぐにあの人の事を教えてくれた。
「あれは勝利部の部長で、二年B組の君だよ。彼女がどうかしたかい?」
「一花先輩か……」
木村先生の問いには答えず、僕は一目惚れした相手の名を呼び、自分の胸に手を当てる。
爆発しそうに脈打つ心臓が、痛いけどどこか心地よくて、僕は素直に頷いていた。
「木村先生、僕はこの戴天高校に入学します=」
「えっ、本当に良いのかい? 我々も出来る限りフォローするけど、怪我をしてしまうかもしれないよ?」
身を案じてくれる木村先生に、僕は黙ってもう一度頷く。
確かに、兵士養成所も同然のこの学校に入れば、怪我をするどころか下手をすると死んでしまうかもしれない。
だけど、こんなにも胸を熱くする人と出会えて、何もせず別れる事なんて、僕にはとても出来なかった。
――『強く優しい、男らしさを学ぶ』という最初の目的とはかけ離れて、酷く軟派な理由になってしまったけれど、それでも一番大切な目的に出会えたんだ。命の一つや二つくらい惜しくはないさっ!!
やけくそ気味に決心し、僕は戴天高校の中へと門を潜った。 |
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