ロゴ カバーイラスト
天仙物語
豊野穂稀 イラスト/洒乃渉
定価620円(税込)
ゆかいな仙人たちの、ラブコメディ!
大空の遥か上、仙人たちが棲む天仙界。仙人の李采光は大遅刻、スピード違反の常習犯。さらに警備の任務をすっぽかし、ついに仙人免許の無効化を命じられた。うなだれる采光に天仙長は、天仙界から逃げ出した魔女を退治すれば処分を取り消すと言い渡したのでありました。
モノクロ 「采光! 今助けて……や――?」
 異形な獣――妖魔たちに囲まれ、だが、彼に慌てふためいたり、恐れたりという雰囲気はない。相変わらずの呑気な采光がそこにいた。
「貴様、いったい……? 周りにいるのは妖魔ではないのか?」
「ぴんぽ〜ん。妖魔ですにゃ」
 采光は隣に伏せている、トラに近い形をした妖魔の前足を上げてみせた。
「さ……」
 青鈴は粟立った。
「――あ〜、大丈夫大丈夫。オレ、実は妖魔にモテモテ体質なんだ」
「なに……?」
「特殊な……え〜と、フェロモン……じゃなかった。師匠は妖引波とかって言ってたっけな……そいつがオレの体内から出まくってるらしくて、特に人気のないところでは妖魔を呼び寄せちまうんだけど、別に害はないよ。このとおり、オレに対してはみんないい子たちだからさ。よ〜しよしよし」
 トラ型の妖魔はゴロゴロと采光に擦り寄っている。
「……信じられん奴だな……」

(c) SHUEISHA Inc. All rights reserved. 無断転載禁止
(C)洒乃渉/集英社

back