IP小説部門の審査にて、毎回毎回、「5つのわかる」を提唱し、口を酸っぱくして言ってきた成果なのか、今回は比較的条件の満たされている作品が多くて嬉しい。
ちなみに、「5つのわかる」とは、以下の5項目である。
・どんな主人公か。
・どんな目的(モチベ)を持っているか。
・どんな世界か。
・どんな味方か。どんな敵か。
・どんな展開か。
結論から言えば、5項目をすべて満たした1作品が入選となった。
残り2作品は、5項目のうちの、一つないしは三つほどが欠けていたため、落選となった。
もちろん、エンタメの大命題として「読者の感情を揺さぶる」という大目的があるので、それさえ達成しているなら、5項目をなにひとつ守らなくても入選は可能だ。
しかし難易度的には、「スポーツ力学を無視してオリンピックの金メダルを取る」如きものとなるので、投稿者諸氏においては、5項目を強く念頭に置き、物語序盤の「魔の40ページ」を乗りきるようにしてほしい。
『俺は魔王を殺してない』/ レトリック | |
---|---|
勇者である主人公は、七人の英雄たちを率いて魔王を倒しに行った。だが決戦前夜の宴のあとで眠った後、目覚めれば仲間に置いてけぼりをされ、魔王城に行ってみれば、魔王は倒されパーティは全滅していた。 |
|
『超常存在の超常存在による超常存在のためのオカルトサークル』/ 和菓子屋さん | |
平凡な大学生活を送る主人公は、たまたま、自殺しようとする少女を助けた。少女のかわりに主人公が死んでしまったことは、死神にすれば大きな不始末で、その隠蔽のために、アンデッドとして生き返らされてしまう。 |
|
『村人Aとヤンデレ勇者(♀)』/ 九條葉月 | |
幼馴染みの少女が勇者をやっているパーティに、唯一の凡人枠で参加している主人公は、四天王との戦いをきっかけに、パーティを離脱することを考えていた。 |
(敬称略、順不同)