第3回集英社ライトノベル新人賞最終選考結果発表!

厳正なる審査の結果、以下の3作品が受賞となりました。

特別賞

『閉鎖型エデンのノオト』伊瀬ネキセ

特別賞

『棘の忠臣』河童三郎

『混沌都市の泥棒屋』間宮真琴

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受賞者コメント

閉鎖型エデンのノオト

伊瀬ネキセ(いせ・ねきせ)(33歳)
【著者プロフィール】
東京生まれ、宮城県育ち、東京在住。
【受賞コメント】
はじめまして、伊瀬ネキセと申します。
このたびは第三回集英社ライトノベル新人賞にて優秀賞という栄誉をいただくことになり、感激に打ち震えております。
受賞のお電話を頂いた直後は、喜びのあまり大昔に中学の体育で習った柔道の前回り受け身で部屋中を転げ回り、ほこりっぽくなってしまいました。
ここまで本当に長い道のりでしたが、それは回り道ではなく、すべて必要なものだったと、今、確信しています。特に、僕に関わってくれた人々、友人、家族、そして選考にて僕の作品を面白いと感じて推してくださったすべての方々に感謝したいです。
あとは一人でも多くの人を楽しませられるよう努力するのみ。どうぞよろしくお願いします。
【作品あらすじ】
超巨大構造体〈エデン〉。この破壊不能な機械の迷宮の中で人々は生まれ、死んでいく。
「わかってるのかゴースト・ワン。おまえの復讐は終わったんだ」
かつて復讐に燃え、果たすこと叶わずに流浪の身となった元特殊部隊の少年ノオトは、〈エデン〉の片隅にある小さなコロニーで枯れた暮らしをしていた。

あるとき、食料工場を修理するため"封印"されていた扉の奥へと向かった彼は、〈エデン〉を徘徊する最悪の殺戮兵器"アフレイド"の中でも、絶対 に出会ってはいけないとされる"封印少女"イドアリスと遭遇する。
「人間になりたい」と告げ、強引にノオトに同行するイドアリス。
やむを得ず彼女とコロニーへと戻ったノオトは、そこで古巣「機都」からやって来た軍人少女エリンゼと出会う。
それを機に、彼の復讐は再び動き出す。
エリンゼの仲間を襲った青白い髪のアフレイド"姫"が、ノオトの前に姿を現したとき、彼は機械を暗殺する"最強のなりそこない"へと立ち戻る。
彼の復讐は成るのか、そして復讐は彼を救うのか。
そして"姫"の目的とは?
「ノオト。わたしはあなたと会えるのを楽しみに待っていたのよ」
烈火のごとき殺戮プログラムに仕組まれた決戦が、始まる――。

棘の忠臣

河童三郎(かっぱ・ざぶろう)(23歳)
【著者プロフィール】
平成三年生まれ。岡山県北出身。今は本州の真ん中あたりに住んでいます。眼鏡が好きです。
【受賞コメント】
 特別賞を受賞しました。うれしいです。自分には、自作を読んでくれる知人がいなかったので、出版社の方に読んでもらえて、さらには賞にまで選んでいただけるとは、望外の喜びでした。感無量です。
 この受賞コメントを読んでくださっている方たちは、出版社のHPをチェックされるほどですから、きっとライトノベルがとても好きな方たちなのでしょう。もしも違っていたら、貴方はだいぶ不思議な御仁ですね。どうか「好きな方たち」として仮定させてください。その仮定の上で、いつの日か、このコメントを読んでくださっている貴方たちのもとへ、自作を送り出せたらと思っております。「いつの日か」が、なるべく早くなるよう、書きます。それでは。
【作品あらすじ】
「ほんの一瞬の出来事が、誰かのすべてを奪うことがある」
 ある一瞬のために、生きる希望のすべてを失った元軍人――ライザー・ゲフォン。仲間の裏切りと復讐の果て、ライザーは祖国を捨てて旅に出た。もう一度、生きる希望を見つけるために。
 そんなライザーの行き着いた先が、隣国の王都、アルバー。その昔、二人の王が座した都には、一見穏やかな日常が流れているかに見えた。しかし王国の裏側では、20年前に「悪しき弟王の子」として国を追われた王女、イリス・トロンによる謀略が張り巡らされていた。イリスの全霊を捧げた国崩しが、静かにアルバーを終わらせはじめる。
アルバーの警邏隊に仮入隊していたライザーは、知らぬ間にそのイリスと知り合うことになる。親しくなる中で、イリスの来歴と憎悪を知ったライザーは、彼女に深い同情を覚えていく。彼女の抱く憎しみは、一度ライザー自身をも焦がしたものだったから。
「ライザー、私を助けてよ」
 復讐の手助けを求める彼女に対し、かつて復讐者であったライザーの出した答えは……
 決して英雄譚にはならない。小さな島の、小さな国で起こった、小規模な虐殺の物語。英雄を目指したものの成れの果て。

混沌都市の泥棒屋

間宮真琴(まみや・まこと)(21歳)
【著者プロフィール】
1993年6月6日生まれ。長野県出身、石川県在住。
【受賞コメント】
初めまして、間宮真琴と申します。このたびは第三回集英社ライトノベル新人賞の特別賞に選んで頂き、誠にありがとうございます。
創作に没頭できる環境を与えてくれた家族に、ある時は厳しく、またある時はもっと厳しく自分を奮い立たせてくれた友人達に、そして何より、自分を選んでくださった審査員や編集者の皆様に、心よりの感謝を捧げたいと思います。
沢山の方々から賜ったこの幸運がいつまでも続くよう、これからも精進を怠ることなく、いつの日か恩返しを果たしたいと願う所存です。本当にありがとうございました。
【作品あらすじ】
'混沌都市'――そこは、魔物と妖精が跋扈し、魔法と超常科学が共存する超ド級の巨大都市集合体。なんでも'アリ'のこの街に、唯一'ナイ'のは常識だけ。
そんな混沌都市にて、しがない泥棒屋を営む一人の少年――クロ。万物を昇華する天賦の異能力と、魔窟より盗み出した稀代の七つ道具を有する彼は、かつて'白猫'と呼ばれ、生ける伝説とさえ謳われた不世出の泥棒屋だった。
けれどそれは過去の話。大切な人を救えなかった忌まわしき記憶から逃げ出し、その力の一切を過去と共に捨て去った彼は、今はただ、悪夢に怯えるだけの臆病な少年にすぎなかった。
そんなクロの前に、亡き父の過去を暴こうとしている依頼人――マリアが現れる。彼女が手がかりとして差し出したのは、泥棒屋を晩餐会へと誘う招待状だった。
過去を探すマリアと、過去に背を向けるクロ。奇妙に矛盾する二人を飲み込んで、不吉な晩餐会がゆっくりとその幕を開ける。集められた泥棒屋、不可解な参加資格、そして、妖しく蠢く魔物達。絶壁に囲まれた街の最奥にて、彼らを待ち受ける'主催者'の目的とは?
真実と欺瞞、悲哀と狂気、罪過と贖罪……すべてが融け合った混沌の坩堝で、クロは悪夢の底に沈めていたはずの過去と対峙する――。

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