※『ベン・トー10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円』発売記念特別企画としまして今回もまた相変わらず役に立つようで役に立たない、けれど少し耳寄りな『自称世界的アナリスト、ジョン・グッド氏によるベン・トー スペシャルトーク6』をお送りします。

 ヘイッ、ベン・トーフリークスのみんな!!
 元気してたかい? 世界的アナリストのジョン・グッドだYO!!

 久しぶりだね、半年ほど間が空いてしまったけれど、みんな僕のことを忘れてなんていないよね?

 僕はもちろん覚えていたよ。
 何せ、今回は新刊の発売をいち早く察してオファーが来るより先に日本入りしてスタンバイしていたぐらいさ。

 新刊のベン・トーまで読めるとなったらいてもたってもいられないよ!

 それに、みんなに会ってまたベン・トーについて語り合える……こんなに僕にとって幸せなことはないしね!


 よぉーし、久々だからまずはベン・トートーク前にみんなでウォーミングアップをし……
ラジオタイソォーウ!
ニホンノウォーミングアップ!
 ……………………。


 あぁ、今回も、彼を呼んでしまったんだね。
 どうしてこう、尺とギャランティの無駄遣いをしたがるのかな、日本のパブリッシングは。

 ……実際、こういう用途及び効果が不明瞭な経費や多額の接待費なんかは書店さんに送るポスター制作とかの宣伝費に回した方が絶対売り上げは上がると思うんだけれど……君はどう思う?

――なるほど、わかりました。では次からグッド氏はいらないということで。

 ……君は相変わらず愚かだね。

 僕がいなくなったら誰がベン・トーについてホットに宣伝するっていうんだい?
 このミスター……え〜っと……あぁ、ミスター田中ゲンは以前まともに喋ったけれど、元に戻ってしまっているし……。

――しかし、そろそろいい加減このコーナーもマンネリ気味じゃないかと上が思い始めているようですし。

 Wh……What!?
 (な……なにぃ)

――何よりここのページを見てくださる人は、このページがなくても新刊を買ってくださる方だけじゃないか、という意見もありますし。

 Holly shit!!!!
 (聖なるクソ)

 そんなことを言っているからダメなんだ、もっとアグレッシブにいかなくてはいけないんだよ!!

――わかっております。ということで、今回から田中ゲンとそのアシスタント、ジェニファーによる特設コーナーにしたいと思います。

 ………………正気かい?

――やはり客寄せには女性ですよ。……ではよろしくお願いいたします。

ゲンデース! ゲンキデース!
ソシテ、スケットノ、ジェニファーデース!
 …………………………。
 …………………………。
ホンジツハ、オベントウノ、センデンデース!
 …………………………。
 ……ヘイ、ボーイ?

――なんでしょう?

  ……いろいろ言いたいことはあるんだけれど、これ、正気かい?
 ミスター田中はもちろん、女性って、コレ、ウブなジャパニーボーイズには手に負えないタイプの女性じゃないのかい?

 普通、十代そこそこの美少女を連れてくるべきだろう。

 ……っていうか、彼女、喋れないんじゃないのかい?

――何事もチャレンジですよ。

 ……すでにチャレンジはしくじったように見えるのは僕だけかな?

 っていうか、彼らに任せていたらベン・トー10巻の宣伝にならないんじゃないのかい?
 マジで、無駄遣いってヤツだよ。
 ギャランティもそうだけれど、このページ自体が完全な無駄に……。

――わかりました。ちゃんと宣伝してくれるなら、田中さんとジェニファーさんのギャラを倍にすると約束します。それでやる気が起きるはずです。

 ……こんなんだから日本の出版界は衰退していると言われ……。
みんな、ゲンキかな!?
今日も元気一杯、みんなにも届けこの元気、田中ゲンでーす!!
 ……!?
 ハァーイ、ゲン。今日もゲンの元気は凄いわね!
 見ているだけで私まで元気になるわ!
 ……!?
 そういうジェニファーこそ、今日も素晴らしい肌つやじゃないか!
 見ていると僕まで健康になっていく気がするよ!

 さて、こんな身も心も健康美溢れる僕らが本日紹介するのは……!
 もちろん!
 『ベン・トー10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円』よね!
 その通りさ!
 相変わらず長いタイトルだけれど、
もうこの辺りから作り手の開き直りが見て取れるよね!
 ベン・トーの値段も以前までは5円単位で
上げたり下げたりしていたけれど、
8巻で値段がぶっ飛んでからはもうそういうのは
ナシになったみたいなんだ。
 ワァオ、耳よりな極秘情報ね!
 ……ひょっとして、ゲン、あなたCIAのスパイか何か?
 はははははははははは!
 ジェニファー、君には黙っていたけれどね、実はそうなんだ。
 まぁ、ゲン! クールだわ!!
 はははははっ、冗談はそこまでにして
ベン・トー10巻の見所についてモニターのみんなに解説していくよ?

 ジェニファー、みんな、一言も聞き漏らすなYO!
 フゥーッ!! 楽しみだわ!!
 まずは表紙を見てご覧!
 今回も柴乃櫂人氏による素晴らしいイラストだ。
見ているとまるでルーブル美術館に
いるような気分にさせてくれる、そんな一枚だね。
 つまり『ベン・トー10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円』を買うだけで、高い渡航費と入館費を払ってわざわざルーブル美術館へ行く必要がないってことね?

 これは驚きだわ! 早くマイブラザー・ボブに伝えないと!
 ホントだね。でもそれは僕の話の後にした方がいいと思うよ?
 耳よりな情報はまだまだ続くからね。

 この表紙の元気一杯な女の子……一体、誰だと思う?
 かわいい子ね。私の魅力に勝るとも劣らないわ。


 まさか……ゲンの彼女?
 おっと、バレちゃったか!!
 実は……そうなんだ。
 まぁ! 水くさいわ、ゲン!!
 こんなかわいい彼女がいるんなら、紹介してよ!
 あはははははは! 冗談はここまでにしよう。
 実はこの子は……何とあの『ウルフヘア』なんだ!!
 なんですって!?
 あの今までイラストはおろか、名前すら明らかになっていない彼女がいきなり表紙へ!?
 ワンダホー!!

 一体どんな裏金工作と枕営業があったのかしら!
 ジェニファー……リアルな芸能界の裏側の
ようなことを言うんじゃない。
 僕ら二人とも事故に見せかけられて消されてしまうよ?

 真相を言うと、実は今回、表紙にするべきキャラクターが
どれもしっくり来なかったらしくって、
それで結果的にお鉢が回ってきた、ということらしい。

 でも世界のみんな、安心して。
 作中で彼女は今まで以上の活躍しているし、
なんとプライベートな彼女の姿まで!!

 一足先に中身を拝見させてもらった僕が保証するよ。
 ゲン!! ずるいわ!!
 どうして抜け駆けなんて……もぅ、信じられない!!
 はははははっ、ごめんごめん。
 次からはジェニファーも誘うよ。
ただし、僕とのディナーの約束をしてくれたらね。

 もちろん本作の魅力は彼女だけじゃない。
 何と今回、ページ枚数がさりげなく
今まで以上にアップしていたりするんだよ。
 刊行の間隔があいてしまった原因とも
関係しているらしいんだけれど、
今回初稿が書き上がった原稿は過去最長で、
薄めのライトノベル一冊分ぐらいを
削らないといけなかったらしいんだけれど……
さすがに強引に詰めたり削ったりしても無理があったらしくて、
ちょっとだけ増量したんだ。
 素敵ね。

 それにサブタイトルにもあるように、バレンタインデーがテーマということは……これはやっぱり……男女のホットなアレもあるのかしら?
 大丈夫、ベン・トーはみんなの期待を裏切ったりはしない。
 本作は今までにないラブリーなシーンが目白押しさ!
 わぉ!! 発売が待ちきれないわ!!
 今すぐ書店に走りたくなるのはわかるけれど、もう少し待つんだ。

 『ベン・トー10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円』の発売日は4月25日だ。


 みんな、4月25日だよ?
 忘れたりしたら……おしおきしちゃうぞ!
 まぁ、怖いわ、ゲン!
 でも大丈夫よね、こんなカーニバルのような日付を私もみんなも忘れたりはしないものね!!

 4月25日『ベン・トー10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円』の発売日……絶対、忘れちゃダメよ!!
 ………………ヘイ、ボーイ。

――なんでしょう?

 ……君は本気で、こんなアメリカの通販番組みたいなクソ仕様で今回押し切るつもりかい?
 しかもギャラが増えるとわかった途端快調に喋り出すような、こんな連中に……。

――何か問題でも? いつもより情報量は多いですし、何よりきちんと4月25日が発売日だと印象に残るように過度なほどにプッシュしてくださっていますよ。

 毎回情報量が少ないのは君らが邪魔な人材を送り込むからだよ!!


 僕一人にやらせてくれたらもっとうまく、スムーズに……。
 まぁ、一人でだなんて……それってつまりはオナ――
 ジェニファー、危ない!!
 それ以上はダメだ、たとえ真実であってもその単語はダメだよ!!
 あら、ゲン、私ったら!
 そうね、真実であっても口にしてはいけないわね。

 ……たとえ、真実であっても……ね。
 ………………………………。


 なるほど、彼らは金に引き寄せられた無能者というわけではなさそうだ。
 でもね、まだまだ未熟だよ。

 僕だって一足先に原稿を読ませてもらっているんだ。

 彼らに負けない情報……彼らが見過ごしている『ベン・トー10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円』の魅力を僕から紹介しよう!!


 それはね、茉莉花だ。
 そう、槍水茉莉花だ。

 僕の大好きな……僕の、茉莉花だよ!!
 ベン・トーのメインヒロインにしてサービス担当の彼女さ!!

 何と、今回……おぉ、思い出すだけで興奮してきた。


 実は今回、ついに茉莉花に挿にゅ――

――ネタバレと放送禁止用語なので、全てカットです。

 ……OK、さすがに落ち着いて考えてみるとまずい気がするよ。
 詳しくは本編をご覧ください、ということだね。


 と、ともかく4月25日『ベン・トー10 恋する乙女が作るバレンタインデースペシャル弁当350円』の発売日にして、茉莉花祭りだ。

 みんな、書店へGOだ!!

――本日はありがとうございました。特にジョン・グッド氏、今までお疲れ様でした。

 !?




●ジョン・グッド:国際的アナリストとして世界を股にかけるタフガイ。世界的な視野を持ち、その幅広い知識と偏った感性により極めて一部にカルト的な人気を誇っている。また英語、日本語、肉体言語に精通しており、日本の学生向けに英語ドリルを制作するなど、幅広い活躍を見せる。最近はかつての当企画の相方ボブに、酔って寝ている間にお尻の穴を弄ばれた上、名前入りブリーフを奪われたことがあり、それにより法廷で争った経緯がある。ベン・トーの中で一番のお気に入りは槍水茉莉花。小さい子が好みらしい。今後また日本で仕事が出来るのかは誰も知らない。

●田中ゲン:剣道四段、柔道三段、空手三段、趣味は生け花と囲碁と将棋だと豪語したという噂のある日本人っぽい人。浅草辺りをいつも半裸で徘徊しているので、割とすぐに見つけられる。ギャラの額に合わせて喋りを変えるらしいことが判明した。

●ジェニファー:山手線の車両内でポールダンスしているところをスカウトされた謎の女性。お金を払えば何でもやってくれる。そう、ジェニファーならね。