第8回集英社ライトノベル新人賞最終選考結果発表!

厳正なる審査の結果、以下1作品が受賞となりました。

銀賞

『幻想の管理人 -盲目の吸血鬼-

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受賞者コメント

幻想の管理人 -盲目の吸血鬼-

景 詠一(けい・えいいち)(27歳)
【著者プロフィール】
1991年生まれ 京都府出身、京都府在住
【受賞コメント】
まずは初めに、銀賞という大変名誉な賞をいただきまして誠にありがとうございます。
昨年に入選をいただいて以降はこれからどうなるのか? という期待と不安がずっと続いており、また周囲からも「賞は取れそうなの?」と声をかけられる時もありました。そういう理由でプレッシャーの強い、長く感じる選考期間だったと思います……。

そのため発表時期が近付くにつれて早く楽にしてくれ楽にしてくれと思っていましたが、ご連絡をいただいて嬉しさと安心がやっと訪れ、肩の力が抜けてしまいました。
が、しかしそれも束の間。スタートラインに立ったのだという自覚を今は強く携えなくてはならないと感じています。

ここはゴールと思わず。銀賞という素晴らしい賞の輝きに負けないように、そして塗り替えられるほどの眩さを持てるように誠心誠意努力したいと思います。今回は本当に、ありがとうございました!
【作品あらすじ】
丘の上の屋敷には、盲目の吸血鬼が住んでいる。そういう噂を聞いたのは、僕がとても小さな頃だ。

唯一の肉親であった祖父を失った波野日向(なみの ひなた)は、噂の吸血鬼の女性、霧雨セナ(きりさめ せな)に引き取られた。
そんな彼女の正体は噂通りの吸血鬼。しかしながら彼女の秘密はそればかりではなく、人の世に隠れながら存在し続けた——空想上のものと信じられ続けていた——幻想種を守り続ける管理人だったのである。
自分の家柄が彼女と同じ仕事をしていたという事実を知った日向。家族のいない喪失感に悩んでいた彼は、セナや幻想との出会いを経て新しい居場所を見つけ、徐々にだが自分と向き合っていく。

そんな中。身分を隠し、人の社会に紛れ込んでいた鬼の少女との騒動を解決した日向は、管理人の存在を意識するようになる。しかしそれも束の間、彼は人間でも幻想でもない虚構種といわれるものと遭遇し、やがて霧雨セナの過去と波野という家系へと迫ることになっていくのだった——。

これは始まりの物語。知らなかったことを知り続け、家族を失った僕を包み込む日々の物語。
世界に隠れ続けた幻想と、世界に生まれ続けた虚構の物語である。