カル=ハダシュト島のすべての者が『夢』をみた日から、島の内外で異常な現象が多発していた。
島の周囲の海はひどく荒れ、都では大地震で建物が崩壊し、草原では象が暴れ狂う。
エリッサは孤立したカル=ハダシュト島の商家を救うため単身、都に乗り込んだ。
一方、ティグルとリムは天の御柱から生まれたふたりの子サンディと共に『天鷲』と『一角犀』の大宿営地に帰還する。
混乱が増すなか、弓の王を名乗る者ネリーがついに姿を現す。
そのネリーに対して、魔弾の神子マシニッサ率いる『黒鰐』と『森河馬』の連合軍が戦いを挑んだ。
神を降ろす準備を進めるネリーとの最終決戦が始まる。
ブリューヌ王国のアルサスを治めるヴォルン家の嫡男。17歳。
家宝の黒弓を手に、リムと共にアスヴァールの内乱を戦い抜き、英雄となる。
『天鷲』と『一角犀』の「魔弾の神子」となる。
ジスタートのライトメリッツ公国の公主代理。20歳。
武芸百般に通じ、様々な武器をそつなく使いこなす。
アスヴァールの内乱を経て、ティグルと相思相愛の仲になる。『一角犀』の「弓巫女」に選ばれる。
ジスタートの商人の少女。17歳。
銀色の髪と褐色の肌を持つリムの友人にして教え子で、才気煥発。
カル=ハダシュトの部族『天鷲』に誘拐され、『天鷲』の「弓巫女」となる。
アスヴァール内乱の折、暗躍していた謎の人物。弓の王。
飛竜を操り、ジスタートの戦姫たちを苦しめるほどの弓の腕前を持つ。
エリッサと行動を共にしていたことがある。
『剣歯虎』の「弓巫女」であり、『赤獅子』の「魔弾の神子」となる。
ポリーシャ公国を治める戦姫で、愛称はソフィー。21歳。
『光華の耀姫』の異名を持ち、錫杖の竜具、光華ザートを操る。
ネリーの動向を探るべくカル=ハダシュトを訪れる。
魔弾の王と聖泉の双紋剣の続編にして最終章、ついに開幕です
舞台を遙か南へと移すとともに、双紋剣6巻より登場した新ヒロインのエリッサが重要な役割を持ちます。
赤道に近い新たな国カル=ハダシュトを舞台に、因縁浅からぬ敵、魔弾の王ネリーとの戦いが再び始まります。
今度こそ決着がつきますので、あともう少しだけお付き合いいただけると嬉しいです。
ところで、この物語では赤道に近い国が舞台となったことで、リムやティグルたちの衣装もだいぶモデルチェンジしました。
南方の地で暮らす人々の描写とともに、リムたちの新たな衣装も楽しんでもらえればと。