アサウラ先生と柴乃先生がこのアツイ6年を振り返るスペシャル対談!!
編: ついに完結しましたね。いまの心境は?
アサウラ(以下ア): 終わったかんじがしない、というか、いつも通り一冊書き終わったなあというかんじです。
編: まだやりきってないとかですか?
ア: やりきってはいるんですけど実感はないです。長くやり過ぎたというか。「ベン・トー」は一巻ごとの刊行間隔もありましたしね。
編: 柴乃さんはどうですか?
柴乃(以下柴): いろんなことやりましたからねぇ。得るものは大きかったなぁと思います。これがなかったら漫画描いてなかったと思いますし。
編: 確かにいろいろやりましたね。文庫15冊、コミックス3冊も出せました。ここまで続けられた要因は?
ア: 終わろうかって話もなかったし…。
柴: 終わりかけたのは1巻のときだよね?
ア: いや僕が終わろうとしてましたから(笑)
柴: 2巻をやるって聞いたとき売れてるの?って思いましたよ。
ア: 3巻を出す前に売れてきたんで。
編: 「このライトノベルがすごい!」(宝島社刊)にランクインしていきましたね。
ア: 3巻出る前くらいで20位でしたね。
編: 最大で3位まで行きました。
ア: なんか、怖かったですね。
編: コミカライズについてはどうでしたか?
柴: びっくりしましたね。
編: 何にですか?
柴: 漫画描けってことに(笑)1Pも描いたことなかったですからね。
編: あの頃、将来的には漫画やりたいって言ってましたから…。
柴: 先々は漫画じゃないと食っていけないと思ってたというか。じゃあやってやろうじゃないか、と。
ア: しかも、最初が『ジャンプSQ.』でしたからね。
※注 「ベン・トーzero」は『ジャンプSQ.特大号付録SDMPスーパーダッシュ漫画プログラム』で連載がスタートしました。
編: やりはじめてどうでした?
柴: 1巻のときは記憶がほぼないです…3・11の震災と重なってたし…。ずっと漫画描いてたかも。
編: それが、2巻3巻と続いていって。
ア: 漫画はじめてから、トーン増えましたよね?
柴: そうですね。モノクロは勉強になったなぁ。でかかったですね。
ア: 僕は漫画のノウハウがなかったので…いまもないですけど。引きを作ったりした経験がなかったので、3巻の『アラカルト』みたいな1話完結のほうが楽でしたね。引きとかそういう部分は柴乃さんにぶん投げてたというかんじで。
柴: そうでしたっけ?まあ、ほんとに良い経験になりました。
編: では、アニメはどうでしたか?
ア: 白粉役の悠木さんは当たりだったと思います。これほんとにやっていただいて大丈夫かと思いましたが…。いい経験でした。いろんな声優さんに会えたし(笑)あとはドラマCDのときに若本さんに会えたのが嬉しかったです。あとはちくわですねー。
柴: アニメの制作スタジオに見学に行けて、勉強になりましたね。あとは家にテレビがなかったので放送が見られないという(笑)。ニコニコ動画の公式配信で一週間遅れで見てました。
ア: ベントーはもともとアニメ化を狙った作品ではなかったので…いかにもアニメ化狙ってます、っていう作品が多い中で、メディアミックスしにくい作品にしていまして…。それが最後の最後までアニメスタッフさんを苦しめてしまったかなと。
編: 謝っときましょうか。
ア: ほんとすいませんでした!
柴: ほんとですよね、スーパーで乱闘ってどうするんだろって思ってました。
ア: あと、アニメ化したおかげで台湾にも行けてよかったです。
編: いろいろとご協力いただいていた各社さんについては?
ア: ほんとうにありがとうございますというかんじで。特に「ボーダーブレイク」チームや、新宿ジャッキーさんには感謝です。アニメ化の際には画面で使うからとわざわざプレイしていただいたり、それにコラボ企画までやっていただいて。
柴: アニメイト横浜店のサイン会のときに、なぜかでかい「ボーダーブレイク」のPOPがありましたよね。
ア: あのサイン会おかしかったですよね。セガの立て看板と、「ソイジョイ」の宣伝物があって。お土産まで。そうそう、大塚製薬さんにはいろんなものを送ってもらいまして。
編: せっかくなんで大塚製薬さんの宣伝をどうぞ。
ア: カロリーメイトの安心感は半端ないですよ!
柴: カロリーメイトでダイエットできましたよー。 ※個人の感想です
ア: ソイカラは低カロリーでうれしかったな。結構作中の後半で登場してるんですよ。そう、あと「オロナイン」を使おうと思って使えなかったんですよ。佐藤がやけどして、とか。「争奪戦のあとはオロナイン!」とかできたかも。
編: そろそろ作品内の話でも。まずはサブタイトルもそうですが、たくさんお弁当が出てきました。
柴: 2巻のサブタイトルのザンギ、まだ食ったことないんですよね。あと3巻でしたっけ、とんかつの下にパスタがあると云々ってやつ、あれマジなんですか?
ア: マジですマジ!油をパスタが吸うんです。電子レンジに入れたときに、キャベツとかだと水分がでて揚げ物の衣に水分が移ってバシャバシャになっちゃうんで…。
柴: そういう蘊蓄が面白かったなぁ。弁当の箱を作ってる工場とか見てみたかったですよね。あの形状を考えて作ってる、蘊蓄とか技術があるはずですよね。
ア: 実は毎回、弁当のネタには困ってましたね。8巻のオードブルは弁当なのか?(笑)とか。
編: 特に思い入れのあるキャラっているものですか?
ア: 思い入れはみんなありますが…自分のなかでは茶髪はよかったかな。ラノベはイラストで人気を得ることが多いんですけど、茶髪はイラストなしで始めて、最後まで顔は出してないんですけど、人気があったので。
柴: 僕は烏頭がいちばん描きにくかったなと(笑)。ベタの量が半端ないんですよ。
ア: あとは白粉先生はがんばってくれたなぁと。
柴: 最初はヒロイン設定でしたけどね。
編: 主人公、佐藤くんは?
ア: 実はなにも思い入れがない…(笑)いわゆる少年漫画的な主人公ではなく、その主人公の横にいる、ひねくれた悪友のイメージだったんです。ギャグ要因だったりする立ち位置というか。なのでいわゆる理想の主人公像というよりは、良いことがあったらニヤッとして、嫌なことがあったらイラっとするという、人間味のあるキャラにはしてました。
柴: そういえば、なんで名前が「佐藤」なんですか?ラノベって結構変わった名前が多いですよね。
ア: 普通の名前にしたかったんですよ。流行と反対に、特殊な名前にしないようにもしたし。あとは白粉が「サイトウ」と変えられるようにもしておきました。
柴: それでいうと、白粉と白梅、最初どっちがどっちかわかんなかったですよ。
ア: 字は似てますが、読み方が違うから大丈夫だと思ったんですけど…確かに分かりづらいと指摘もされましたね…。実はオルトロスの下の名前が一緒(※沢桔梗と沢桔鏡)なのはその逆をやってみようと思って、読み方が一緒で字が違うってパターンにしたんですけど、それもそれで分かりづらいと…人の名前って難しいですよね。
編: そろそろまとめに入りますが、この6年で変化したことは?
ア: 体重!太りました…。
柴: 太って減りました。
編: それ以外はないんですか?(笑)
ア: 友達が増えましたね。6年前は北海道でひとりで書いてたので、上京してきて、同業の仲間とか、そこから繋がった人たちとか。
柴: フリーになって、漫画3冊描けたことですかね。6年かぁ。
ア: 小学生が、中学生になりますよ。
柴: すごいことですね。
編: では最後に読者のみなさんにメッセージをお願いします。
ア: 6年間ありがとうございました!みなさまの支えがあってこそここまで来れました!
柴: 13巻をお楽しみに!
ア: いやいや、ないですって!(笑)最大でここまで、という予定通りに、作中で1年間やれたのでよかったです。
一同: どうもありがとうございました!